放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2010年12月

12.1受信料未契約で2世帯に訴訟予告

NHKは,テレビを所有していながら受信契約を締結していない東京都内の2世帯に対して,契約の締結と受信料の支払いを求める民事訴訟を起こすと通知した。未契約の世帯を対象とした訴訟予告は初めて。

12.2選挙時放送番組で公平・公正性に問題放送倫理検証委が指摘

放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会が,10年に行われた参議院選挙時に放送された4番組について,選挙の公平・公正性に問題があったと指摘した。

12.3V-Highソフトに6事業者が参入希望

総務省は,V-High(携帯端末向けマルチメディア放送)のソフト事業者にNTTドコモ系の「マルチメディア放送」やソフトバンク系の「モバイルメディア企画」など6事業者が参入を希望していると発表した。

12.8NHKの外国人向け国際放送番組CATVで国内同時送信を認可

総務省が,NHK 制作の外国人向けのテレビ国際放送の番組を国内のCATVで同時送信することを認可した。外国人向けの国際放送はこれまで国内では受信できなかった。実施は11年1月1日から。

12.9NHKの衛星放送再編2波のチャンネル名決定

NHKは11年4月から開始する新BS放送のチャンネル名を「BS1(ワン)」と「BSプレミアム」にすると発表した。

12.13文化審議会・著作権分科会権利制限一般規定の導入を承認

文化審議会の著作権分科会が,限定された条件下なら他人の著作物を許諾なしに利用できる権利制限一般規定の導入を承認した。新聞協会,日本音楽著作権協会などは,権利侵害が続出するおそれがあるなどとして反対している。

12.21V-Low帯の音声優先セグメント民放ラジオの96社が参入希望

民放連は,V-Low帯で実施が提言されている「音声優先セグメント」への民放ラジオの参入意向調査の結果を発表した。100社のうち96社が参入を希望した。

12.21文化庁芸術祭大賞青森放送『故郷の空に』など8件

文化庁が10年度の芸術祭大賞8件を発表した。
このうちラジオ部門では青森放送の高橋竹山生誕100年記念番組『故郷の空に』,テレビドラマ部門ではWOWOWの自主制作ドラマ『なぜ君は絶望と闘えたのか』(後編),テレビドキュメンタリー部門ではNHK スペシャル『密使 若泉敬 沖縄返還の代償』がそれぞれ大賞を受賞した。

12.22天神FMが九州国際FMの免許承継

経営破綻した外国語放送の九州国際エフエムの事業をコミュニティ放送局の天神エフエムが承継することを総務省が許可した。

12.27私的録画補償金支払い強制力認めず,東京地裁判決

東芝が09年2月以降に販売したデジタル放送専用のDVD録画機器の出荷価格に私的録画補償金をプラスせず代行支払いをしなかったため,私的録画補償金管理協会が賠償を求めていた訴訟で,東京地裁は録画機器の販売に際して著作権法に規定されている私的録画補償金をメーカーが購買者に代わって支払う義務は法的に強制されていない,として同協会の請求を棄却した。しかし,私的録画補償金そのものは支払われるべきだとの判断を示した。同協会は判決を不服として控訴した。