放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2010年3月

3.5放送,通信関連法改正を閣議決定

政府は,通信と放送の融合に対応するために,放送と通信の関連8法を4法に集約する法改正案を閣議決定し通常国会に提出した。1950年の電波3法施行以来の抜本的改正となる。放送法関連では,これまで省令で定めていたマスメディアの集中排除原則の基本部分を法に盛り込んでいる。また,NHK会長を経営委員会のメンバーに加えることなどが含まれている。

3.5楽天保有のTBS株,東京地裁が調停額決定

TBSホールディングスが,楽天が保有するTBS株の買取りをめぐる東京地裁の調停で,1株の価格が1,294円に決まったと発表した。この結果,TBS の買取り総額は489億円となったが,楽天が株買収に使った資金総額は約1,170億円とされており,楽天は調停額を不服として東京高裁に即時抗告した。

3.10拉致問題,田原氏発言「言論の自由の範囲内」,BPOが見解

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は,テレビ朝日が09年4月に放送した討論番組『朝まで生テレビ』で,司会の田原総一朗氏が,北朝鮮による拉致被害者に関して「外務省も生きていないことは分かっている」と発言したことについて,家族感情などを考えると不適切ではあるが,言論の自由の範囲内であり人権侵害には当たらない,との審理結果を発表した。しかし,テレビ朝日の謝罪放送に対しては,謝罪が真摯なものだったのか疑問を感じさせるとして,放送倫理上問題があったと指摘した。

3.11衛星セーフティネット放送始まる

社団法人デジタル放送推進協会が,地上デジタル放送への円滑な移行のため,難視対策衛星放送の本放送を開始した。この放送は,デジタル化への移行に伴い地上

テレビ放送が新たに難視聴となる地区の視聴者のために,2015年3月までの5年間に限って,暫定的に行われる。

3.19妻の代理契約認めず NHK受信料の支払い請求を棄却

札幌地裁は,受信料不払い者に対してNHKが支払いを求めた訴訟で,契約名義人の妻が代理で行った受信契約は無効だとして,NHKの請求を棄却した。受信料の支払い督促でNHKの請求が認められなかったのは初めてで,NHKは控訴した。

3.23在京キー局5局 ネット配信の共通動画サイトがスタート

インターネットで配信している在京キー局5局の動画番組を検索・視聴できる共通のサイトがスタートした。共通配信サイトの開始で,利用者は見たい番組の検索などで利便性が高まった。

3.26足利事件再審判決公判 宇都宮地裁,法廷内録音・録画認めず

足利事件の再審の判決公判が宇都宮地裁で開かれ,被告に無罪が言い渡された。公判にあたって,法廷内の録音・録画を認めるよう地元の栃木県司法記者クラブが要請し,日本民間放送連盟も声明を出していたが,同地裁は認めなかった。

3.26テレビ東京関連3社が経営統合へ

テレビ東京とBSジャパン,テレビ東京ブロードバンドの3社が経営統合して,放送法上の認定持株会社「テレビ東京ホールディングス」を設立すると発表した。地上波,BS,CS,ネットを通じてサービスを提供する総合メディアグループとして,2010年10月の発足を目指している。

3.26首相記者会見,フリーにも開放

内閣記者会は,フリーの記者やインターネット記者にも,初めて会見への参加を認めた。首相記者会見への参加は,これまでは記者会加盟社と外国特派員らに限定されていたが,官邸側が開放を要請していた。