放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米視聴者の低いアナログ停波認知度~APTS調査

アメリカの公共テレビ局で組織する団体APTSがこのほど発表した調査結果によると,アメリカで地上波を直接受信している人達の多くが,2009年2月にアナログ放送が終了することについて充分な知識を持っていないことがわかった。調査では地上波の直接受信者の61%がアナログ放送中止の時期を「知らない」と回答,また45%がアナログ放送が終了しても「何もしない」「何をしたらいいかわからない」と回答していた。アメリカでは地上波の直接受信世帯が約 2,100万世帯あり,これらの人々に地上デジタル化をどう周知していくかが大きな課題となっている。

YouTube利用者のテレビ視聴時間が減少傾向か

米市場調査会社Harris Interactive社がこのほど明らかにした市場調査結果によると,人気動画投稿サイトYouTubeの利用者の間では,同サイトを利用することによって,他の様々な行動に費やす時間が減少しており,特に32%がテレビ視聴時間が「減少した」と回答していることがわかった。この調査では回答者の 42%がYouTubeの利用経験があり,特に広告主が注目する18~ 24歳の年層では76%に上っている。テレビ視聴時間以外にも,利用者の間では電子メールやSNSの利用,テレビゲーム,DVD 視聴などに費やす時間も減少傾向にあると報告されている。

大手スーパーが動画のダウンロード販売開始

米スーパー最大手のウォルマートは2月6日,自社サイトからテレビ番組や映画のダウンロード販売を開始したと発表した。このサービスには,ディズニーやパラマウント,ワーナーブラザーズなどすべての大手映画スタジオやFOXやFOX Reality,CW,MTVなどのテレビネットワークが協力している。タイトル数は3,000で,映画はDVDの発売当日からダウンロード可能で1本 12.88~19.88ドル,テレビ番組は1本1.96ドルで購入できる。

米公共放送 スペイン語放送ネットワークを設立

公共放送PBSのメンバー局,WNET とWLIWを所有するEBC と投資企業数社は2月7日,ヒスパニック系視聴者を対象としたスペイン語放送のネットワークを新たに立ち上げ,3月5日から放送開始すると発表した。「V-me」と名づけられた新ネットワークは,全米18の公共放送局を通じて地上デジタルの多チャンネル放送の1チャンネルとして放送されるほか,デジタルケーブルテレビや衛星放送の基本パッケージにも入る。当初はマイアミ,ヒューストン,シカゴ等の都市を中心にヒスパニック系世帯の60%にあたる 2,400万世帯をカバーし,その後順次エリアを拡大する計画である。

米デジタルラジオ2社が合併へ

アメリカの衛星ラジオ最大手のXM サテライト・ラジオと同2位のシリウス・サテライト・ラジオは2月19日,年内に対等合併することで合意したと発表した。計画では,現在シリウスCEOの M.カーマジン氏が新会社のCEO となり,現XM 会長のG. パーソンズ氏が会長となる。両社は2001~02年に相次いでサービスを開始,ともに月額13ドル(約1,500円)で200チャンネル以上を提供して契約者を増やしてきた。しかしここ1~2年の間に,iPodなどの携帯端末やインターネットラジオ等の台頭もあって契約者の伸びは鈍化していた。

有料動画配信ビジネスが今後優勢か~米調査会社

米調査会社アダムス・メディア・リサーチ社は2月21日,インターネットでの動画コンテンツの配信ビジネスは,広告つきの無料配信型から有料配信型へシフトしていくとの調査リポートを発表した。これによると,有料配信型の市場規模は2006年の1.11億ドルから2011年には41億ドルまで拡大すると見込まれる一方,無料配信型の市場の拡大は2006年の4.09億ドルから17億ドル程度にとどまるとされる。アメリカでは地上波のネットワークが番組のネット配信を強化しているほか,アマゾンやアップル社,ウォルマート等,様々な企業が動画配信ビジネスに乗り出している。