放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

テレビニュース,情報源として依然トップ

アメリカの調査機関,The Pew Research Centerは7月30日,人々のニュース情報源に関する調査結果を発表した。これによると「1日30分以上テレビニュースを見る」人が48%(以下,新聞24%,ラジオ22%,インターネット9%)と,依然テレビが主要なニュース情報源であることが分かった。他方,インターネットを情報源とする人の年層が拡大しており,35~ 49歳で2000年の25%から06年の37% へ,50~ 64歳で同19%から31%へ,それぞれ増えている。またネットワークの夜のメインニュースの定期的視聴者が,この10年で42%から28%へ,地方局のニュースで65%から54%へと減少していることも分かった。

NBC,新シーズン番組をDVDで先行レンタル

NBC は8月5日から,9月に始まる新シーズンで放送予定の新番組2本について,オンライン DVD レンタル最大手Netfl ixでのレンタルサービスを開始した。DVD 化されてレンタルされるのはコメディドラマ『Studio 60 on the SunsetStrip』と犯罪ドラマ『Kidnapped』の2本で, ともに新シーズンのプライムタイムで放送予定。 Netfl ix社のDVD レンタルサービスはネット上で注文したソフトを郵送する仕組みで520万人のユーザーがいる。

相次ぐプライムタイム番組の無料配信

FOXエンターテイメントグループは8月14日,グループ傘下のインターネットサイトを通じて,自社の映画やテレビ番組の販売を10月から始めることを明らかにした。これにより『24』『プリズン・ブレイク』といった番組が1本1.99ドルで放送後24時間以内に販売されるが,幾つかのプライムタイムの番組はCM付きで無料提供される。米商業ネットワークによるプライムタイム番組の無料配信は,ABCが今年5月にスタートさせて成功しているほか,CBSも新シーズンから『CSI:科学捜査班』『サバイバー』などのプライムタイム番組をCM付きで無料提供することにしている。

プロダクト・プレイスメント広告費が急増

米調査会社PQメディア社は8月16日,商品や商品名を番組や映画上に登場させる広告手法「プロダクト・プレイスメント」の市場に関するレポートを発表した。これによると2005年における世界のプロダクト・プレイスメント市場は22億1,000万ドルで前年比42.2%増。2006年も38.8%の増加が予想されている。最大の市場はアメリカで15億ドル(2005年)と全体の7割近くを占めている(以下,ブラジル,オーストラリア,フランス,日本)。同レポートによると市場は2010年には139 億6,000万ドルにまで拡大すると予測している。

米CBS,ニュースをTVとネットに初の同時配信

米CBSは8月17日,同社の夕方のメインニュース『CBS イブニング・ニュース』を9月5日に始まる新シーズンから,テレビとインターネット両方に同時提供することを明らかにした。CBSは今シーズンからケイティ・クラーク氏をネットワークでは初めての女性単独アンカーに起用するが,ネットユーザーにもアピールすることで視聴者数拡大を目指す。CBSニュースのマクマナス社長は「CBS のニュース番組を,人々が家でもオフィスでも車の中でも,コンピュータや携帯電話を使って視聴することができるようになる」と話している。同ニュースはまた,オンデマンドでも無料で視聴することが可能となる。

ソニーがビデオ共有サイトを買収

米ソニー・ピクチャー・エンタテイメント(SPE)社は8月23日,ユーザー投稿ビデオ共有サイト, Grouper.comを6,500万ドルで買収したと発表した。Grouper.comは,人気が急上昇して注目されるYouTubeに似た,ユーザーによる投稿動画を共有するサイトである。SPE社のマイケル・リントンCEO は,「消費者はGrouperのようなサイトでより多くの時間を過ごすようになる。そうした多くのオーディエンスのいる場所に進出したい」と今回の買収の目的を説明している。