放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

05.08.1中国中央テレビ,IPTVを2チャンネルで開始

中国中央テレビ(CCTV)は8月8日,インターネットを通じたテレビ放送(IPTV)を「ニュース」と「娯楽」の2チャンネルで正式に開始したことを発表した。このうちニュースチャンネルは,時事・経済・科学・教育・スポーツのニュースや突発的な事件の生中継などで構成し,娯楽チャンネルは,青少年を主な対象に双方向サービスを伴う番組を提供する。

05.08.01中国中央テレビ,HDTVの試験放送開始へ

中国中央テレビ(CCTV)は,中国では初めて高精細度テレビ(HDTV)の試験放送を,9月から一部の都市のケーブル有料チャンネルで始めることになった。試験放送が行われるのは浙江省の杭州・四川省の成都・重慶それに広東省の東莞の4市で,CCTVでは試験放送のためにドラマやドキュメンタリー,コンサート,海外調達番組などあわせて2,600時間分のHDTV番組を用意したという。

05.08.01インド,TRAIが地上テレビの民間開放を勧告

放送の規制監督も兼務するTRAI(インド電気通信規制委員会)は,8月29日,インド放送協会監督下のDD(ドゥールダルシャン)が独占している地上テレビ放送を民間事業者にも開放するよう政府に具申した。TRAIは理由として,メディアは国ないしは特定の個人,集団,組織の独占により支配されてはならないとする1995年の最高裁判決を挙げ,民間部門が参入すれば公共部門を補完し,地上放送しか視聴できない人々の選択肢も広がるとしている。

05.08.01韓国,地上波DMBの地下中継網構築費分担で合意

KBS, MBCなど地上波DMB(Digital Multimedia Broadcasting)事業者とサムスン電子,LG電子など地上波DMB視聴用端末機メーカーは,8月30日,地上波DMBのサービス開始で最大のネックとなっていた地下中継網構築の費用負担を共同で行うことで合意した。メーカー側は端末機の販売収益金を拠出,事業者側も一部費用を負担する。両者はまた,これまで取りざたされていた地上波DMBサービスの部分有料化の議論を白紙に戻し,当初方針通り全面的に無料サービスとすることを確認した。合意の背景には,これ以上サービス開始の時期を先延ばしすれば,先行する競合媒体の衛星DMBとの差がますます広がるとの地上波DMB事業者側の焦りと,端末機開発に多額の投資をしてきたことから中継網構築の費用分担に応じざるをえないメーカー側の事情がある。首都圏での地下中継網構築費用は300億ウォン(33億円),維持費は年間50億ウォン程と見込まれている。合意が成立したことで,首都圏での地上波DMB本放送の開始は今年12月1日と見られている。

05.08.01台湾行政院,公共テレビグループ化を打ち出す

台湾の内閣にあたる行政院は8月24日,現在の公共テレビに加え,今後公共化する予定の中華テレビ・海外向け放送・外国語チャンネル・子どもチャンネルなどを 1つのグループとして運営していくとする,新聞局(メディアを管轄する部局)の 2年計画を了承した。計画では,今後2年間に92億元(約330億円)の予算を投入し,子どもチャンネルなどの新しいチャンネルの開設をはじめ,高精細度テレビ(HDTV)放送や携帯向け放送への投資を行うことにしている。

05.08.01台湾,社会団体が自殺報道の自粛を要請

台湾の「健康人生聯盟」などの各社会団体は8月29日,今年5月に起きた芸能人の倪敏然さんの自殺をメディアが大きく報道した結果,5月の自殺者が増えたとして,メディアに自殺報道の自粛を呼びかけた。中華テレビなど数社はこれに賛同した。

05.08.01マレーシアRTM,24時間放送を開始

マレーシアの国営放送RTMが8月1日から,テレビ第1チャンネルのTV1で24時間放送を開始した。TV1は国内制作の教育番組や情報番組を中心とするマレー語放送。今後は政府方針に沿ったニュースのほか,娯楽番組を増やすとしている。同チャンネルは「Premier Channel」と呼ばれているが,スポーツ,映画など内容が多彩なTV2(The Golden Channel)に比べて,放送内容に活気がないとの視聴者の批判があった。