放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

05.05.01英BBC,iMPのコンテンツ実験を発表

BBCは5月16日,インタラクティブ・メディア・プレーヤー(iMP)の開発実験を9月から3か月間実施することを発表した。iMPは,視聴者が,見逃したり聴き逃したBBCのテレビやラジオ番組を,放送終了後7日間まで遡って,家庭のパソコンにインターネット経由でダウンロードし視聴できるサービスである。
2004年9月に行った技術実験をふまえ,今回はテレビ番組を約190時間,ラジオ番組を約310時間用意し,500世帯の視聴者が実際にiMPを利用する。

05.05.01仏地上デジタル放送,追加の8チャンネルを決定

フランスの地上デジタル放送の免許に関しては,コンセイユ・デタ(国務院)が6チャンネルの免許を無効とし,また2つのチャンネルが免許を辞退したため,CSAは8チャンネル分の免許公募を行っていたが,5月9日に選考結果を発表した。新たに免許を受けるのは,応募した35チャンネルのうち有料と無料の各4チャンネル。免許の無効や辞退を招いたチャンネルには有料チャンネルが7つ含まれていたが,今回の選考では,無料チャンネルが優遇された結果となった。このうち商業放送のカナル・プラス・グループは Canal+ Cinema,Canal+ Sport,Planete,I-Teleの4チャンネル,ラガルデール・グループはCanal J,Europe 2 TV,Gulliver(France Televisionsとの合弁)の3チャンネルの免許を受け,2つのグループのチャンネルが大半を占めた。残る1チャンネルはNextradioグループのBFM TV。

05.05.01伊Sky Italia,2006年サッカーW杯の全試合を放送

有料衛星放送Sky Italiaは5月12日,2006年サッカーW杯ドイツ大会の全64試合の放送権を獲得したと発表した。公共放送RAIは,開会式,イタリア代表の全試合,準決勝以上の試合を含む25試合の放送権を既に獲得しており,これ以外の39試合は,Skyでの有料放送のみとなる。

05.05.01独仏の国際放送,アラブ諸国とCIS向けラジオ放送で協力

ドイツの国際放送ドイチェ・ベレ(DW)とフランスのラジオ国際放送Radio France Internationale(RFI)は,アラブ諸国と独立国家共同体(CIS)向けのラジオ放送で協力すると4月26日に発表した。協力内容は,DW の番組の一部を,RFIの子会社RMC-MOの周波数を使ってアラブ諸国向けにアラビア語で放送すること,CIS諸国向けに放送周波数を共同利用し,新たにRFIの番組をロシア語とフランス語で放送することである。両放送局は,2003年1月からヨーロッパ向け番組を共同制作したり,バルカン諸国向けの放送周波数の共同利用について協力を進めてきた。

05.05.01墺,地デジ用マルチプレックス免許の公募開始

オーストリアの規制監督機関のKommAustriaは5月13日,地上デジタルテレビ放送のためのマルチプレックス・プラットホーム事業免許の公募を開始した。今回公募されたマルチプレックスは1つで,従来のアナログ方式の6~8チャンネル分を送信できる。応募者は,継続的な送信のために必要な技術的・財政的・組織的な条件やチャンネルプランなどについて審査される。KommAustriaは,2006年から都市部でのデジタル放送を開始し,2010年までに全国でのデジタル化の完了を計画している。また,マルチプレックス・プラットホーム事業免許の追加公募も2010年以降に予定されている。

05.05.01欧州委,2012年にデジタル転換完了を要望

EU(欧州連合)の政策立案機関の欧州委員会は,5月24日,構成国25か国すべてにアナログ放送からデジタル放送への転換を2012年までに完了するよう要望した。欧州委員会によれば,12年までにデジタル化の完了を計画している国が既に13か国あり,その他の国も12年までにデジタル化を完了することが期待された。欧州委員会は,現在のアナログ放送のサービスとカバレッジをデジタル放送で実現するならば,必要な無周波数は1/3から1/2で済み,無線周波数の効率的利用をEUレベルで調整することで,新たな放送や移動体向け通信サービスの発展,機器生産など関連産業の刺激と成長,市民と産業界への恩恵が期待できるとしている。