放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

05.04.01ケーブル大手,携帯電話サービスも提供へ

ケーブル大手のタイムワーナー・ケーブルは,電話通信大手スプリントと提携し,3月 28日からカンザスシティで,携帯電話サービスの試験提供を開始した。タイムワーナー・ケーブルは,これまでのケーブルテレビ,高速インターネット,インターネット電話に加えて,携帯電話サービスをパッケージにして提供することになる。カンザスシティでの実験が成功すれば,タイムワーナー・ケーブルが自社ブランドの携帯端末を販売していく可能性もある。

05.04.01『ナイトライン』のコッペル氏,12 月で降板

ABC ニュースは 3月 31日,ニュース番組『ナイトライン』のキャスター,テッド・コッペル氏が,2005年12月でキャスターを降板し,ネットワークを辞める決定をしたと発表した。65歳のコッペル氏は,1963年に 23歳で ABC ニュースの記者になり,1982年の放送開始から 24年間『ナイトライン』のキャスターを務めてきた。これまでに 41 のエミー賞を受賞している。『ナイトライン』を巡っては,2002年春に,ABC 経営陣がひそかにこの番組を廃して CBS のトークショーの司会者デイビッド・レターメン氏を迎え入れようとしたため,大きな批判を浴びた。ABC ニュースは,『ナイトライン』を継続する方針だと伝えられる。

05.04.01ケーブルテレビの実験的双方向チャンネル開局へ

元米副大統領アル・ゴア氏は,4月 4日,双方向性を備えた新しいケーブルチャンネルの計画を発表した。「カレント TV」と名付けられたこのチャンネルはサンフランシスコに本拠を置き,18歳から 35歳までのインターネット世代をターゲットとして 8月に放送開始する。視聴者は撮影・編集した 2~3分程度の短いデジタル映像をインターネット上のカレント TV のサイトにアップロードでき,カレント TV の編集者とサイトの訪問者が気に入った映像は放送される。新しい形のパブリック・アクセスチャンネルになるとして注目を集めそうだ。

05.04.01HD特化の衛星放送『VOOM』がサービス終了へ

米ケーブルテレビ業界6位のケーブルビジョンは,4月8日,HDTV に特化した衛星テレビ放送『VOOM』のサービスを 4月30日で終了することを発表した。21 のオリジナルの HDTV チャンネルについては,同社は引き続き所有しながら,ほかの衛星テレビやケーブルテレビに配信販売する。『VOOM』は 2003年10月から開始されたが,これまでに加入者が 4万世帯しかなく,2004 年には6 億6,100万ドルの赤字を出していた。『VOOM』の存続を巡り,チャールズ・ドラン会長が事業を買い取って放送を続けようとしたが,取締役会が反対,『VOOM』の衛星放送事業の終了を決めた。

05.04.01米NAB フリッツ会長,デジタル時代の団結を強調

全米放送事業者協会(NAB)のフリッツ会長は 4月18日,NAB 年次総会の開会式で,電気通信法の改正,デジタルテレビへの移行最終段階,デジタルラジオの普及,下品な放送問題の取り扱いの4 つを当面の大きな課題としてあげ,団結してデジタル時代に立ち向かうように呼びかけた。フリッツ会長は 1982年以来23年間会長を務め,NAB をワシントン有数の圧力団体に育て上げたが,NAB大会後に退任が予定されている。氏は,スピーチの中で,デジタルテレビ受信機の普及が進んでいないのに議会では予定された 2006年末のアナログ停波を立法化する動きがある,と警告した。

05.04.01米通信大手,次々とTVチャンネルと契約

米地域通信最大手のベライゾンは,4月14日,メディア大手のリバティ・メディア傘下のスターズ・エンタテイメント・グループと契約を結び,年内に,13 の映画チャンネルを光ファイバーで提供すると発表した。ベライゾン社は,ディスカバリー・コミュニケーションズや NBC ユニバーサルケーブルなどとも契約を結んでいる。同社は2005年中にブロードバンドを利用したテレビ事業を始める計画で,100~150 チャンネルを確保したいとしている。