商業放送局は次世代地上放送規格「ATSC3.0」に何を期待しているのか

~アリゾナ州フェニックスでの実証実験・最新報告~

公開:2019年3月1日

筆者が執筆した「次世代放送規格『ATSC3.0』にアメリカ公共放送局はどう取組んでいるのか?~地方都市における新たなテレビ・エコシステムの構築へ~」(本誌2018年10月号)に続き、この論考では、商業地上放送局のATSC3.0への取組みを考察する。2018年4月から始まった実証実験"Phoenix Model Market"に参加するCWネットワーク(KASW)のゼネラルマネージャーであるトラシ・ウィルキンソン氏からは「ATSC3.0による視聴データ収集を実現し、トータルリーチを測定して新しい広告価値を地上波に付与して良き地域社会の実現に貢献したい」との回答を得た。また、スペイン語放送の大手Univisionが、ヒスパニック系移民人口が多い地の利を生かして、ビジネスチャンスを拡大しようとしていることもわかった。アメリカの地上放送、通信産業、インターネット、プラットフォーム、広告産業、および、電波技術の歴史を踏まえて、視聴者や広告収入の逓減に悩む地上放送局の将来像を論考する。

メディア研究部 大墻 敦

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