本稿は世界の放送事業者による幼児向けアプリの動向を2016年10月に開催されたMIPCOM2016及びMIPJuniorの取材から報告するものである。
幼児のファースとメディアがテレビからスマホに移りつつある。多くの子どもたちがメディアをマルチに、TPOを選択して接触している。放送、OTT、VOD、モバイルの融合化が一段と加速度を増している。こうした中で、放送事業者、特に子ども向け番組の制作者達がこの流れにどう対応するかが問われている。
世界最大級の番組・映像・デジタルコンテンツの見本市として知られるMIPCOMに集まった、幼児向けアプリの制作に関わるキーパーソンを取材し、コンテンツのあり方、制作形態の実態、放送事業者としてあるべき開発と制作のスキームについて報告する。
さらに世界各国の番組と連動したアプリの先進事例を紹介しながら、視聴者である子どもと保護者と制作者を結ぶ重要な回路としてのアプリの意義と役割を考え、より多彩なサービスの必要性を説く。