- Q
- 学級閉鎖の回数の数え方について。「2回目の学級閉鎖」「2度目の学級閉鎖」ではどちらを使ったらよいだろうか。
- A
- どちらの表現も使うことができますが、前後の文脈によっては、ニュアンスに少し違いが出ることがあります。
例えば、「子どものクラスが学級閉鎖になるのは、これで(2回目・2度目)だ」という文では、「2回目」が、学級閉鎖になった回数をいわば客観的に数える表現であるのに対して、「2度目」は、「今回は2度目だが、次(3度目)の学級閉鎖はあるかどうかわからない」、文脈から考えると「今回の学級閉鎖で最後になってほしい」というニュアンスが加わった表現と言えます。
「回」と「度」のニュアンスの違い
公開:2022年8月1日
メディア研究部・放送用語 中島沙織
※NHKサイトを離れます
「回」と「度」は、行為や経験、出来事などを数える助数詞です。同じように使えることが多いのですが、「回」のほうが「度」よりも広く使えます。
例えば「回」は、「第3回」「全3回」のように「第」「全」を前に付けて使うことができます。一方、「度」は「第3度」「全3度」のようには使いません。
また、会議など定期的な行為を数える場合や、前につく数字が大きい場合は「回」がよく使われます。
一方、「度」は、同じことが繰り返されることが期待されない(期待されにくい)ことを数える場合や、繰り返すことで何らかの感情の動きを伴うような場合によく使われます。
例えば、「不合格になったのは、2度目です」という文では、「次(3度目)の不合格はあるかどうかわからない」、文脈から考えると「3度目の不合格は避けたい」というニュアンスが加わります。また、「あの人に3度会えた」では、「4度目はあるかどうかわからない」、文脈から考えると「なかなか会えない人に会えた」というニュアンスが加わった表現だといえます。
「仏の顔も三度まで」「三度目の正直」ということばもあります。みなさん、ここで使われている「度」のニュアンス、もう分かりますよね?