匂い,臭(にお)い,気になるニオイ

公開:2021年6月1日

Q
「気になるにおい」という場合の“におい”の漢字は?
A
嗅覚で感じられる“におい”の場合、よい“におい”は「匂い」、不快な“におい”は「臭い」と書きます。しかし、“におい”は人によって快・不快の感じ方が異なったり、どちらとも判断できなかったりすることもよくあります。このため迷う場合は、無理に漢字を使わず、ひらがな(場合によってはカタカナ)で書きます。

<解説>

“におい”は、どちらの漢字を使ったらいいか迷うことばですが、放送において、こうした悩みが生じたのは、比較的最近のことです。

常用漢字表には、かつては“におい”の訓読みを持つ漢字がなかったため、放送では、ひらがなで表記してきました。それが、2010年の常用漢字表の改定で、新たに「匂」という漢字が加わったほか、もともと常用漢字表にあった「臭」にも“におう”という訓読みが追加されました。これによって、“におい”は「匂い」「臭い」の2つの漢字で書けることになり、放送においても“におい”を意味によって書き分けることになりました。

放送では、おおむね以下のような使い分けをしています。

  • 嗅覚で感じる“におい”のうち、“よいにおい”は“匂い”。
    例)梅の花の匂い、匂い袋
  • 嗅覚で感じる“におい”のうち、“不快なにおい”は“臭い”。
    例)魚の腐った臭い、生ゴミが臭う
  • 人によって快・不快の感じ方が異なる場合やどんな“におい”なのか判断が難しい場合、“ほのめかす”という意味で使われる場合は、ひらがな。
    例)たばこのにおい、生活のにおい
      犯罪のにおいがする、不正をにおわす

このほか、「気になるにおいについて」など、前後をひらがなに挟まれて、読みにくい場合などは、カタカナを使って「気になるニオイについて」と書く場合もあります。また、「臭い」は、「くさい」とも読めます。「臭い臭い」は「くさいにおい」とも「くさいくさい」とも読めてしまうので注意が必要です。

ただでさえ悩みの多い、梅雨時の「におい」。どう書くかまで悩まされる、なかなかやっかいな存在です。

メディア研究部・放送用語 中島 沙織

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