「ホームページ」「ウェブサイト」

公開:2021年3月1日

Q
NHKでは「ホームページ」という用語をよく使うが、「ホームページ」とは「ウェブサイト」のなかの「トップページ」のことを指すのではないか。
「ウェブサイト」であれば全体を指すので、「○○放送局のホームページをご覧ください」より「○○放送局のウェブサイトをご覧ください」のほうが適切ではないか。
A
「ホームページ」は、もともとはウェブブラウザーを起動したときに最初に表示されるページのことでした。転じて、ウェブサイトのトップページのことを「ホームページ」と呼ぶようになったものです。
さらに、現在では「ウェブサイト」のことを「ホームページ」と呼ぶことが多くなっています。インターネットが一般化する過程で、日本語では「ホームページ」ということばが「ウェブサイト」全般を指すという「意味の拡大化現象」が起きました。
ネットなどで、「ホームページの誤用」についての記述が見られるのは、こういった経緯があるからです。
しかし、一般のニュースや情報番組では、「○○放送局のホームページをご覧ください」という言い方で問題ありません。
むしろ「ホームページ」のほうが多くの人に伝わりやすいともいえます。
最近の国語辞典で「ホームページ」の項目を見ると、書き方はさまざまですが、多くがウェブサイトとトップページと両方の意味を載せています。
このことからもウェブサイトのことをホームページとする用語の使い方については、すでに市民権を得ていると考えます。

<解説>

「ホームページ」ということばについて、最新版の辞書を調べてみると、

●岩波国語事典(8版)
企業・個人などのウェブページで、最初に閲覧されることを意図したページ。また、広くウェブページ一般。

●三省堂国語事典(7版)
①団体や個人が、インターネットを通じて情報を提供するために用意する、文章・写真・絵などの画面。ウェブページ。HP。
②「ホームページ①」のトップ〔=先頭〕ページやブラウザーの起動後最初にあらわれるページ。ホーム。

●新明解国語事典(8版)
インターネット上で、その団体・個人が公開する一連の情報のうち、そこに接続した際、最初に表示されるもの。

●大辞林(4版)
インターネットのWWWサーバーに接続して最初に見える、表紙に相当する画面。また、WWWサーバーが提供する画面の総称としても用いられる。

●広辞苑(4版)
インターネットのウェブサイトの最初のページ。サイトにあるデータを総称して呼ぶ場合もある。

●IT用語辞典(翔泳社)
Webブラウザを起動したときに最初に表示されるページをホームページと読んでいたが、最近ではWebページやWebサイトを指すことが多い

●最新基本パソコン用語辞典(5版 秀和システム)
インターネットのWebサーバーで最初に表示されるタイトル画面のこと。一般的には、ひとつのWebサーバー全体を指してホームページという場合も多いようです。なお、ホームページの本来の意味である表紙となるページをウェルカムページ、トップページ、それを含むすべてのページをWebページ、単にページなどと使い分ける場合もあります。

と、ありました。

ちなみに、ウェブサイトということばの意味を念のため調べると、

「ウェブサイト」…インターネット上で展開されている、情報の集合体としてのホームページ。また、そのインターネット上での場所。サイト。

〔大辞林(4版)〕

とありました。

日本においては、「ホームページ」ということばは、現在では広く「ウェブサイト」を指す意味で使われていると言ってよいでしょう。ただ、受け手によって認識にずれがあることも考えられ、その点を伝え手は理解しておくことが必要かと思います。

メディア研究部・放送用語 濵田考弘

※NHKサイトを離れます