- Q
- エスニック料理などでよく使われるハーブで、「コリアンダー」や「パクチー」などと呼ばれているものがあります。これは、どの言い方を使ったらいいのでしょうか。
- A
- 現代の日本語ではいろいろな呼び名がありますが、今では「パクチー」がもっとも一般的な言い方になっています。
このハーブには、ほんとうにいろいろな呼び名があります。いろいろな時期に、さまざまな外国語から日本語にもたらされたからです。その中でも比較的よく用いられている「コリアンダー」「香菜」「シャンツァイ」そして「パクチー」について、少しご説明しましょう。
<解説>
まず「コリアンダー(coriander)」は、英語から借用した外来語です。もともと、古代ギリシャ語→ラテン語→フランス語を経由して、英語に入ったようです。なお、韓国(Korea)とはまったく関係ありません。
次に「香菜」「シャンツァイ」は、中国語から借用したことばです。「香菜」という漢字を日本語で音読みしたのが「香菜」、もとの中国語の発音を取り入れたのが「シャンツァイ」です。
そして「パクチー」ですが、これはタイ語からの外来語です。激辛ブームとともに日本でタイ料理の人気が出てきて、その流れで広まったのではないかと思います。
いろいろな呼び名があるこのハーブについて、ウェブ上で調査をおこなってみたところ、「パクチー」がいちばん広く知られていることがはっきりしました。見聞きしたことがあるものをいくつでも選んでくださいという形で尋ねたのですが、どの呼び名についても、女性のほうが男性よりもよく知っていました。また年齢別には、40歳から59歳の人たちがいろいろな呼び名をよく知っているようです。
これまで、日本の中国料理店では「香菜」や「シャンツァイ」という呼び名を使うことが多かったのですが、これも徐々に「パクチー」と言うことが増えつつあるように感じます。この呼び名はタイ料理という限定から解放されてきているようで、先日は、インド料理店でも「パクチー大丈夫ですか」と尋ねられました。たくさん食べて、インパクチのある文章を書きたいと思っています。