いつも6時に起きる人は、「7時には起きません」と言ってもいい?

公開:2017年2月1日

Q
毎朝6時に起きる習慣のある人がいたとします。この人が「いつも起きるのは7時ごろですか。」と尋ねられたとき、「いえ、7時には起きません。6時です。」と答えても、かまわないのでしょうか。
A
かなり難しい問題ですが、これは答え方としておかしいと感じる人も、決して少なくありません。6時に起きる人は、7時になったときにはすでに「起きて」いるからです。

<解説>

この答え方について、「OKだ」という人と「ダメだ」という人の言い分を聞いてみましょう。

  • OK

    これは「いつも起きる時刻は7時か」を yes / no で聞かれてるわけで、7時じゃなくて習慣的に6時に起きてるんだから、「いえ、7時には起きません。」って答えても、なんの問題もないでしょ。
  • ダメ

    でもさ、「7時には起きません。」って「7時にはまだ寝てます」「そんな早い時間には起きられません」っていうニュアンスを感じない?
  • OK

    それは考えすぎなんじゃない?

さて、考えすぎかどうか、ウェブ上でおこなったアンケートの結果を見てみましょう。「いつも起きるのは7時ごろですか」と尋ねられ、それに対して「いえ、7時には起きません。【A.起きるのはだいたい6時ごろです。】【B.起きるのはだいたい8時ごろです。】」という2つの答え方を考えてみたとき、A・Bそれぞれについてどう感じるかを質問したものです。すると、「両方とも自然な答え方だ」という人が45%と最も多かった一方で、「Aは不自然だ」という人が32%と2番目になっていることがわかりました(それ以外の回答パターンは少ないので省略)。また、若い人たちでは「両方とも自然」と感じる人が半数を超えるのですが、比較的高齢層では違うようです。

これは、「7時には起きません」という言い方が「7時にはまだ起きていません」と同じ意味として解釈されたことによるものです。つまり、【A.…起きるのはだいたい6時ごろです】のほうは7時の時点ではすでに起きているに決まっているからおかしい、と判断されたのです。

では、どのように言い表せば多くの人に違和感なく受け止められるのでしょうか。例えば「いえ、6時に起きます(起きるようにしています)」「6時には起きています」のように、あえて「7時」については触れないで答えるという方法があります。

ところでぼくはと言うと、「6時には起きるようにしたいものだと思ってはいます」。

(NHK放送文化研究所ウェブアンケート、2016年6月~7月実施、694人回答)

メディア研究部・放送用語 塩田雄大

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