単位の「ミクロン」について

公開:2016年11月1日

Q
放送で「ミクロン」という単位を使ってもいいですか。
A
現在は、単位の「ミクロン」は使いません。「マイクロメートル」を使います。

<解説>

放送では、1997(平成9)年10月1日から、「ミクロン」は使わず、「マイクロメートル」を使用することになりました。

世界の計量単位は、国際会議で定められた共通の単位を使う方向で統一が進められてきました。長さを表す「メートル」、重さを表す「キログラム」、電流の量を表す「アンペア」など7つの基本単位を定め、それを組み合わせた世界共通の実用的な計量単位(「国際単位系=SI(「エスアイ」と読む)」)を使おうというもので、1960(昭和35)年の第11回国際度量衡総会で決議が行われたのが始まりです。日本が、その前の年の1959(昭和34)年に、計量法によって尺貫法をやめメートル単位を義務づけたのは、この動きに対応したものでした。その後も、単位の世界的な統一化は積極的に進められ、日本も、1992(平成4)年には大幅に計量法を改正し、国際的に合意された共通の単位を全面的に採用しました。これを受けて、単位のSI化が進められましたが、単位の切り替えには、混乱を招くことが予想されたため、いくつかの単位には移行の猶予期限が設けられました。つまり準備が整うまで、古い単位と新しい単位の両方の使用が認められました。「ミクロン」もそのひとつでしたが、1997(平成9)年9月30日で、猶予期間が終わったため、「マイクロメートル」に完全に移行されることになったのです。

また、同じタイミングで猶予期間が終わった単位には、周波数の単位の「サイクル」と、音圧レベルを表す「ホン」がありました。「サイクル」については、NHKでは、当時すでにSI単位の「ヘルツ」に変更済みでしたが、「ホン」については、同時期にSI単位の「デシベル」に変更されました。

計量単位については、学校教育で使われる教科書で、計量法に基づいた単位が使われていることもあり、放送でも、基本的に計量法で定めた単位を使うようにしています。

メディア研究部・放送用語 滝島雅子

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