NHKアクセント辞典 "新辞典"への大改訂 ④

外来語のアクセントの現況

~在来語化する外来語~

公開:2016年10月1日

『NHK日本語発音アクセント新辞典』(2016年5月発行)への改訂作業では、アナウンサーを対象とした調査の結果を、最も重要な判断基準とした。この稿では、一連の調査のうち、音声聴取式の「第2回調査」で実施した質問項目の中の「外来語」(315項目)について取り上げる。
▽調査語の範囲内では、起伏式から平板式に向かっているもの〔=「平板化」〕のほうが、平板式から起伏式に向かっているもの〔=「脱・平板」〕よりも、多い。
▽「平板化」が一定程度進んだものとして改訂を施した外来語には、【3拍語:2拍目が促音[ッ]・長音[ー]】、【4拍語:長音[ー]をどこかに含む】、【5拍語:末尾に長音[ー]を含む】、【5・6拍語:「~イング」のような形のもの】などの特徴を持つものがまとまって見られる。これらは、元来は平板型になりにくい音韻構造を持っていたが、近年平板化しつつあるものと解釈することができる。
▽中高型から頭高型に向かっているもの〔=「頭高化」〕の語群では、【4・5拍語:後ろから2拍めが促音[ッ]】、【5拍語:末尾が長音[ー]】などの特徴を持つものがまとまって見られる。
▽年代別にみると、若年層(23~34歳)での支持率が相対的に高いものには平板型が多く、反対にベテラン層(45歳以上)の支持率が相対的に高いものでは[-3]型が多い。

メディア研究部 塩田雄大

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