相撲の「幕内」は「まくうち」か「まくのうち」か?

公開:2015年12月1日

Q
相撲中継でよく出てくる「幕内」「幕の内」ということばは、「マクウチ」「マクノウチ」どちらが正しいのでしょう。
A
どちらも間違いではありません。NHKの相撲中継では「マクノウチ」という読みを第1として使っています。

<解説>

「幕内」「幕の内」は、相撲番付の最上段に記載される前頭以上の力士の地位のことを言います。また、その力士のことを「幕内力士」「幕の内力士」と言います。前頭と、関脇、小結、大関、横綱の力士たち、定員は40人以内とされています。
NHKの相撲中継をご覧の方であれば、午後4時前後に土俵入りをして相撲をとる力士たちのこと、といえばわかりやすいかもしれません。

江戸時代、将軍の相撲上覧の際に、数人の優れた力士が、将軍のいる幕の内部に入る待遇を受けました。そのことから、「幕の内に入る優秀な力士」ということで「幕の内力士」「幕内力士」と呼ばれるようになりました。

江戸時代以前は、行楽のときや、何かの行事のときなどに、まわりに幔幕(まんまく)を張り、その中で、宴会をしたり、儀式をしたりしました。将軍が相撲を見る時にも、こうした幕を張って、その中で相撲を見たのでしょう。

読み方は「幕の内側」ということから「まくのうち」また、それが縮まって「まくうち」と読まれます。

書き方も「幕の内」とも「幕ノ内」とも「幕内」とも書かれることがあります。

どの読み方も、どの表記も間違いとは言えませんが、NHKの放送では、わかりやすいように「マクノウチ」と読むことを第1にしています。また、表記は、慣用的な表記としてよく使われる「幕内」を使っています。

もう1つ「マクノウチ」というと、思い出すのが「幕の内弁当」でしょうか。こちらの「マクノウチ」は、歌舞伎などの芝居の休憩「幕間(まくあい)の内」という意味のことばです。

相撲や芝居など、日本ではいろいろな場面で「幕」が使われます。いろいろな「幕」については、2010年12月1日版「ことば・言葉・コトバ」「幕のいろいろ」でも触れています。あわせてご覧ください。

メディア研究部・放送用語 山下洋子

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