東日本大震災から12年,「震災アーカイブ」閉鎖相次ぐ

東日本大震災から12年。各放送局とも3月11日午後2時46分の地震発生時刻にあわせて,特別番組を組んだ。繰り返し強調されたのが「忘れず語り継ぐこと」。しかし,そのための重要なコンテンツの1つ,「震災アーカイブ」の閉鎖が相次いでいる。

震災アーカイブは,地域ごとの被害や復興の様子を示す資料や情報をデジタル化しネット上で公開するもので,記録を劣化させず残すことができる。震災後,自治体や大学などの研究機関,民間団体などが多数の震災アーカイブを設立。それを一元的に検索できるポータルサイト「ひなぎく」を国立国会図書館が整備した。

しかし,国立国会図書館の井上佐知子主任司書によると,「ひなぎく」で検索できた50以上の震災アーカイブのうち,これまでに7つが閉鎖・休止した。原因については「権利処理の負担」や「新規に収集される資料の減少」などがあげられる。例えば資料を収集した時点でネット上の公開までの許諾をとっていなかったり,追加される資料が時間の経過とともに減ったりすると,新たに公開される資料が少なくなりアクセス数が減少。その結果,自治体などからの出資金が減るなどして運営が難しくなるという。井上主任司書は「閉鎖によって地域の防災教育での利用や震災対応の検証,新たな資料の発掘などが進まなくなる。継続する方法を各地域で探るべきだ」と指摘している。

東日本大震災は,地域ごとに被災や復興の状況に違いがあるだけに,各地域で貴重な資料をどのように後世に引き継いでいくか,見つめ直す時期に来ている。

中丸憲一

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