緊急地震速報に「長周期地震動」加わる 発表基準変更は開始以来初

気象庁は2月1日,緊急地震速報の発表基準に,ゆっくりとした周期の長い揺れで超高層ビルを大きく揺らし,固定していない家具やオフィス機器の転倒によるけが人やエレベーターの停止・閉じ込めなどの被害を引き起こす「長周期地震動」を加えた。新たに発表されるのは,気象庁が区分する4段階の階級のうち,立っているのが困難になる「階級3」と,はわないと動くことができない「階級4」の揺れが予想される地域。緊急地震速報は,16年前の2007年から発表が始まったが,発表基準が変わるのは今回が初めてだ。

ただ,注意しなければならない点がある。まずは「震源から離れた地域への発表」だ。長周期地震動は揺れが衰えにくく遠くまで伝わるという性質があり,2011年の東日本大震災では,震源から770キロ離れた大阪で超高層ビルが大きく揺れて被害が出た。気象庁によると,例えば東北沖で大地震が起きた場合,震源に近く,従来の最大震度5弱以上の揺れが予測される東北や関東各地に加え,大阪などにも同時か追加で緊急地震速報が発表される可能性がある。また,陸地から離れた海溝沿いなどで起きる地震は,予測震度が小さいため,長周期地震動だけで緊急地震速報が発表されることも考えられる。

気象庁は「とるべき行動は変わらないので,従来の速報と長周期地震動による速報を分けることはしない」としているが,短時間に身を守る行動につなげられるかどうかが勝負になるだけに,受け手側がその違いを理解し混乱しないよう,徹底して周知することが求められる。

中丸憲一

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