関東大震災100年,気象庁が特設サイト

ラジオ放送開始のきっかけとなったとされる関東大震災から2023年で100年になるのにあわせて,気象庁は1月4日,震災のさまざまな記録を網羅的に確認できる特設サイトを立ち上げた。

1923(大正12)年9月1日に発生し,10万人以上が犠牲になった関東大震災では,情報伝達が課題になった。電信・電話といった有線の通信網が途絶し,流言飛語による混乱が拡大。朝鮮人虐殺という悲惨な事件まで起きた。だが,横浜港に停泊中の船が船舶無線で被災状況や救援要請をいち早く伝えるなど,無線による情報伝達が一部で機能したことから,無線の一種のラジオによる正確で迅速な情報伝達への要望が急速に高まった。政府も緊急・非常時に備えるために1日も早くラジオ放送を実現すべきだとして関係法令の整備を急ぎ,2年後の放送開始につながった。

今回,気象庁の特設サイトには,保管されていた被災地の写真が掲載され,火災で一面焼け野原となった東京や,津波が押し寄せた静岡県の海岸など,各地の被害状況を知ることができる。また,「火災旋風」などの火災による被害と気象状況の関連性についての,当時の調査報告書などを読むこともできる。このほか,関東大震災と同じタイプの地震や,首都直下地震など,関東地方で今後想定される地震の特徴や発生確率も掲載。気象庁は「家庭や地域での災害対策の見直しに役立ててほしい」としているが,放送との関わりの深い震災だけに,2023年は災害報道や情報伝達のあり方を問い直す節目の年になりそうだ。

中丸憲一

※NHKサイトを離れます