「ニュースの信頼,過去最低」ロイター研究所が報告

英オックスフォード大学ロイタージャーナリズム研究所は6月16日,世界の40の国と地域で,8万人を対象にしたニュース利用の傾向などを調べた,2020年の「Digital News Report」を公表した。

2020年の調査は1月末から2月初めにかけオンラインで実施し,新型コロナウイルスの影響について調べるため,4月にイギリス,アメリカ,ドイツ,韓国など6か国で追加調査も行った。

ニュース全般に関して「大抵信頼できる」とした人は前年より4ポイント減の38%で,調査開始以来,最低となった。国・地域別で最も高かったのは,56%だったフィンランド(前年比-3ポイント,以下同)とポルトガル(-2)で,日本は22位で37%(-2)だった。下落幅が16ポイントと最も大きかったのは,激しい抗議デモが起きた香港で30%。社会の分断が指摘されるアメリカは29%(-3),EU離脱問題で揺れたイギリスは12ポイント減の28%だった。

過去9年間のオンライン調査の結果からは,テレビよりもオンラインメディアの信頼度が高かったが,新型コロナウイルス関連の情報源として報道機関を信頼すると答えた人は59%,Googleなどの検索エンジンが45%,FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアは26%と低かった。

また,「ロックダウン」による厳しい外出制限に伴い,多くの人がテレビニュースやオンラインニュースを活用しただけでなく,オンライン会議に参加するなど,新しいデジタルツールの利用も加速した。

塩﨑隆敏

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