琉球朝日放送と北日本放送の単発番組,BPOが放送倫理違反の「意見」

「番組か広告か」が問われた沖縄の琉球朝日放送と富山の北日本放送の番組について,BPOの放送倫理検証委員会は6月30日,「放送倫理違反があった」とする「意見」を公表した。

琉球朝日放送は2019年9月,『島に“セブン-イレブン”がやって来た〜沖縄進出の軌跡と挑戦〜』というタイトルの55分間の単発番組を放送した。沖縄に初出店したセブン-イレブンを取り上げたもので,後半は「おいしさの追求」と銘打って肯定的な側面の紹介に終始したうえ,提供スポンサーではないのに,番組の冒頭と最後に「提供 セブン&アイHLDGS.」と表示していた。

一方の北日本放送は同年10月,『人生100年時代を楽しもう!~自分に合った資産形成を考える~』という15分間の単発番組を放送。富山市の金融商品仲介会社の資産運用セミナーや活動を詳しく紹介したが,この会社単独の提供であることを表示しなかった。

このため委員会は,2つの番組とも「視聴者に広告放送であると誤解を招くような内容・演出になっていたと認められる」として,「放送倫理違反があった」と判断した。

「番組と広告」の関係で,放送倫理違反と判断されたのは,同年10月の長野放送のケースが初めてで,両局にはこの情報が伝わっていたとされる。しかも今回は,長野放送のような「持ち込み」ではなく,自局の制作・著作番組だっただけに,より深刻な問題といえる。委員会は,長野放送の教訓が生かされないまま同様の問題が繰り返されたことに,「民放連や民放各局の自主的・自律的な精神と姿勢で検討されるよう望みたい」とした。

塩田幸司

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