コロナで文科省,GIGAスクール構想前倒し,「7月末までに1人1台の実現を」

新型コロナウイルスによる臨時休校が全国におよぶ中,5月11日,文部科学省は,全国の教育委員会などを対象に「情報環境整備に関する説明会」をライブ配信で行い,休校が続く都道府県などを念頭に,2020年7月末までに1人1台の学習用端末とネット環境の整備を図るよう強く要請した。また,休校中に「同時双方向型のオンライン指導」を提供した自治体が全体の5%にとどまったことから,この状況は「学びの保障」の危機だとして,家庭学習用にWi-Fiルーターを貸し出したり,ICT技術者を確保したりするための費用を含む2,200億円余りの補正予算を計上し,2023年度の実現を目指してきた「GIGAスクール構想」を前倒しする。

2020年度にスタートした「新学習指導要領」では,情報化,グローバル化する社会で「生きる力」を育成するため,プログラム学習やICT教育が盛り込まれている。NHKでは,学習指導要領に対応した番組や動画9,000本を「NHK for School」で提供しているが,3月に特設サイト「おうちで学ぼう!NHK for School」を開設し,休校中の「家庭での学び」を支援してきた。一方で「学校での学び」の根幹は,子ども同士や教員とのコミュニケーションにあるといわれる。緊急事態宣言は5月25日に全国で解除されたが,今後も流行が懸念され,分散登校やICTを活用した「新しい学習」「新しい学校生活」の模索が始まっている。ICT環境の整備が日本の公教育にどのような効果をもたらすのか,新学習指導要領の改善に協力した1人として見守りたい。

山口 勝

※NHKサイトを離れます