新型コロナウイルス関連の情報,ファクトチェックのサイト開設

新型コロナウイルスの感染拡大で,インターネットなどにある根拠不明の情報を「ファクトチェック」した結果について一覧できるウェブサイトが,2月3日に開設された。

「正しく怖がるために新型コロナウイルスファクトチェック」というこのサイトは,ジャーナリストや研究者などで作るNPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が立ち上げた。ネットやSNSなどで拡散する新型コロナウイルス関連の,虚実ないまぜの情報について,ファクトチェックにあたる国内外の機関やメディアが検証した結果をまとめたほか,「医学的に根拠がない」とするメディアの記事なども紹介している。掲載する記事は,FIJに協力するメディアだけでなく,NHKのウェブサイトなどからも引用している。FIJによると,3月以降,検証のまとめ作業やサイト運営にあたる人員を増やしたり,情報収集を行うメディアを支援したりするなど態勢を強化しているという。

このサイトは,虚偽情報や誤情報を打ち消す情報を提供するとともに,信頼できる情報のありかをキュレーション(集めて整理)する役割も果たしている。今回の感染拡大でWHO(世界保健機関)の担当者は,根拠のない情報が大量に拡散する様子を「インフォデミック」という言葉で指摘し,警鐘を鳴らした。情報が瞬く間に拡散する今,誤った情報を打ち消し信頼できる情報に誘導することも,メディアの重要な役割になっている。今後はメディア間で連携し,打ち消し情報を広く拡散させることも必要になると考える。

越智慎司

※NHKサイトを離れます