BBCの呼びかけで欧米メディアやIT企業などが偽情報対策で連携

イギリスの公共放送BBCは9月7日,Financial TimesやFacebookなど大手のメディアやIT企業とともに,視聴者や読者,利用者を偽情報から守るため,連携して対策にあたると発表した。

きっかけの1つとされるのが,2019年4~5月のインドでの総選挙報道。多くの偽情報が発信され,中には与党インド人民党(BJP)の勝利を予想する内容の"BBC調査"の捏造も明らかになった。こうした事態を受けBBCは6月,「Trusted News Summit」の開催を呼びかけ,ヨーロッパ放送連合(EBU)や新聞,IT大手も参加し偽情報対策を議論した

この会議を受け,新たにAFP通信やロイター通信,Microsoftのほか,カナダの公共放送CBCのRadio-Canadaなども連携に加わり,今回の発表となった。偽情報への対策は以前から必要性が指摘されてきたが,業界を挙げての対応は今回が初めて。

具体的な対策として,人命に関わる事柄や選挙に関して偽情報を発見した場合,メンバーが情報を早急に共有する「早期警報システム」の開発や,オンラインによるメディア教育キャンペーンなどで協力していくとしている。

EBU会長も務めるBBCのトニー・ホール会長は「偽情報やフェイクニュースは我々にとって脅威であり,最悪の場合,民主主義や人命を脅かすこともある」と対策の重要性を強調したうえで,今回,合意された内容が「偽情報と闘うためのきわめて重要なステップになる」とも述べて,有効性に自信を示した。

佐々木英基

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