民放連,AMラジオのFM転換を要請

日本民間放送連盟(民放連)は3月27日,総務省の「放送を巡る諸課題に関する検討会(諸課題検)」で,AM事業者が各自の判断でFMに転換,もしくはAMとFMの併用が可能になるような制度の改正を要請した。

見直しを求めたのは,総務省の「FM補完中継局制度」で,AMの災害対策と難聴対策のためにFMを補完的に活用するという趣旨で2014年に創設された。これまでに,AM事業者47社のうち43社が国の補助も活用し,128の中継局を整備。残りの4社も準備段階にある。現行制度はAMの親局や中継局の存在を前提としているが,要請では,▷2023年の再免許時をめどに,一部地域で長期にAMを停波し,FMのみ放送する実証実験を可能にすること,▷2028年の再免許時までに事業者の判断でFM転換(一本化)やAM・FM併用を可能とすること,が示された。

要請の背景には,広告収入の減少で経営の悪化が続く中,AM,FM,加えて同時配信のradikoの3つの伝送路の維持が困難だという事業者の事情がある。諸課題検の構成員からは,多様な伝送路を用いてサービスを実現していく時代だ,とか,地域によって“まだら模様”の制度整備でも問題ない,といった肯定的な見解が示された一方,放送のユニバーサルサービス性を今後どう考えるのか,地域によって事情が異なる中,合理性・客観性をどう担保していくのか,といった懸念も出された。

今回の要請は,通信・放送融合時代の“放送”とは何かを考える重要な問題提起でもある。AMのあり方だけにとどまらず,より深く,幅広い議論を期待したい。

村上圭子

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