TBSラジオ,番組制作にradikoの聴取データを活用

TBSラジオは,ラジオ番組をインターネットで配信するradikoの聴取データを可視化するツールを開発し,番組制作に活用する取り組みを始めた。1月29日から試験運用し,4月に本格運用する予定。

ラジオでは,番組制作や広告取引の指標として「聴取率」が利用されている。聴取率の調査は,NHKが6月と11月に行う「全国個人視聴率調査」や,ビデオリサーチが行う聴取率調査(首都圏では偶数月)などがあり,首都圏の民放はビデオリサーチのデータを使っている。民放各局では,調査が実施される週を「スペシャルウィーク」などと銘打ち,積極的にPRしているが,TBSラジオは2018年12月から「スペシャルウィーク」をやめ,代わりにリスナーの動向をリアルタイムで把握できるradikoのデータを活用することにした。

開発されたツールは「リスナーファインダー」という名前で,radikoから番組を聴いている人数や延べの聴取分数,SNSで番組がシェアされた数などが表示される。電通が開発したデータ管理プラットフォームにあるデータと合わせると,リスナーの志向性の分析にもつなげられるという。

TBSラジオの三村孝成社長は,「radikoと聴取率調査の数字の関係性をずっと見てきたが,ほとんど等しい動きになっている。今のラジオにとってのテーマは,ラジオに接触していない人をリスナーにすること。制作者がリスナー開拓のアイデアを出すことに,新しいツールを使っていきたい」と期待している。

越智慎司

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