英BBC,Ofcomの規制監督下での年次報告書を公表

BBCは7月11日,2017年度の年次報告書を公表した。新特許状のもとでBBCに対する規制監督機能が外部の独立機関Ofcom(Office of Communications)に移って最初の1年間の報告書で,BBCの実績を紹介するとともに,Ofcomが設定した数値目標の達成状況や,男女の賃金格差が改善されたことなども盛り込まれた。

今回も例年通り,最初にこの1年のBBCの主な業績がまとめられている。その中では,92%の成人が毎週BBCに接触していることや,国際放送を新たに12言語増やし40言語余りに拡大したこと,iPlayerの利用が過去最高の月平均2億7,200万件にのぼること,子ども向けコンテンツに3,400万ポンド(約49億円)を追加することなどが紹介されている。

今回の年次報告書では,新特許状で新たに義務づけられた内容も追加されており,年15万ポンド(約2,175万円)以上の高額の給与・出演料を受け取ったBBC職員と出演者など150人余りの名前が公表された。この男女比は前回,76:24だったが,今回は66:34に改善されたという。また,女性職員の割合が全体で47.7%(管理職43.3%),障害者が10.4%(同9.5%)人種的マイノリティーが14.8%(同10.4%),LGBTが11.0%(同12.0%)となっており,Ofcomが求める職員の多様性についても改善していることが説明されている。

さらにOfcomが「運営免許」の中で示したBBCが守るべきオリジナルコンテンツや地域制作の割合など約100項目の数値目標についても,テレビはすべてクリアし,ラジオもほぼ達成していることが報告された。

田中孝宜

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