デンマーク与野党,受信料制度廃止と公共放送予算削減の方針で合意

デンマーク連立与党と最大野党のデンマーク国民党は3月16日,公共放送DR(デンマーク放送協会)の主な財源である受信料を廃止し,税金を財源とする方針で合意した。また,DRの予算を20%削減する方針も決まった。

デンマークの現行の受信料制度では,テレビやパソコンなどの受信機を所有する世帯は,年額2,477DKK(デンマーククローネ,約4万4,000円)の受信料を支払う義務がある。現行制度について与野党は合意文書で,単身世帯も複数人の世帯と同じ額を払わなくてはならない点,また,受信機を持っているのに払わない世帯がある点で不公平だったとし,これを是正するため,2022年までに段階的に税金財源に移行する方針を示した。財源確保には,所得税の基礎控除を減額する方法をとる。負担の公平さを考慮し,単身者や年金生活者には減額の幅を抑える。与野党は「税金財源への移行はDRの独立性に影響を与えない」としている。

与野党はまた,DRは今後も公共メディアとして中心的な役割を果たすとしつつも,商業メディアとのバランスを考慮し,DRは基本的な公共サービスに集中するのが望ましいとし,DRの年間予算を2023年までに段階的に20%削減する方針も定めた。現在,受信料収入の83%にあたる約37億DKK(約650億円)がDRに配分されているが,2023年の税金財源は約30億DKKになる。

今回の決定を受け,DR会長は「番組制作への影響は甚大なものになる」と述べた。年内に放送法改正案が作成され,議会で審議されるが,可決は確実とみられる。

杉内有介

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