韓国KBS,理事会が社長を解任しスト終結

パク・クネ(朴槿恵)前大統領時代に任命された社長の退陣を求めて,組合員が2017年8月末からストを続けてきた公共放送のKBSは,2018年1月22日の臨時理事会で社長の解任案を可決し,5か月近くにわたったストライキはようやく終結した。

このストは,パク前政権時代にKBSの放送に当局が政治介入したと問題視する労組が,コ・デヨン(高大栄)社長の退陣や「公正な放送」の実現などを要求して始めたもので,コ社長は理事会の会合で,「私はストの原因を提供したことはない」などと答え,辞任を拒否する姿勢を崩さなかった。同じ時期に同様の理由で経営陣の退陣を要求し労組がストに入っていた商業局のMBCでは,大株主である放送文化振興会が2017年11月の臨時理事会でキム・ジャンギョム(金張謙)社長を解任する議案を可決したことから,労組はストを終了させ,次期社長には保守政権時代に同社を解雇されたチェ・スンホ(崔承浩)氏が選出されていた。

KBSでは,コ社長の報道局長時の金品授受疑惑などを理由に,与党系の理事が1月8日に社長解任案を提出したのを受け,22日の理事会で,出席した10人の理事による投票を行い,賛成6票,棄権1票で,コ社長の解任案を可決した。今後は,公募で社長候補を募り,書類選考などで社長を決定したあと,国会の人事公聴会を経てムン・ジェイン(文在寅)大統領が任命することになる。

KBSはこれまで常に政治介入の問題が指摘されており,ムン政権のもとで政治的独立性を高めていけるかが大きな課題となっている。

山田賢一

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