フジ・メディア・HDが仙台放送を子会社化,系列ローカル局では初めて

フジテレビを傘下に持つ認定放送持株会社のフジ・メディア・ホールディングスは12月20日,系列ローカル局の仙台放送の株式をフジサンケイグループのフジランドと産経新聞社から追加取得し,仙台放送を連結子会社化した。これにより,フジ・メディア・ホールディングスの所有株式の割合は33.3%から72.3%となった。取得金額は公表されていない。

放送法は2008年の改正で,放送対象地域が重複しない場合に限って認定放送持株会社が最大12の放送対象地域まで傘下に収められることを認めた。在京キー局を抱える認定放送持株会社が系列ローカル局を傘下に収めるのは,これが初めてのケース。

仙台放送の2016年3月期決算は,売上高が87億2,500万円,純利益は3億800万円となっている。フジ・メディア・ホールディングスでは「健全な財政状態のもと良好な経営成績」を上げてきたとしている。そのうえで,今回の連結子会社化については「将来に向けて仙台放送の経営基盤の一層の安定・強化を期するとともに,当社連結事業における収益の拡大を目指してまいります」というコメントを公表した。

仙台放送はフジ・メディア・ホールディングスとフジランド,産経新聞社であわせて70%以上の株式を占めていたことから,資本構成上,連結子会社化しやすかった。

今後,他の系列ローカル局の連結子会社化を進めるかについて,フジ・メディア・ホールディングスは「次の具体的な話があるわけではない」と話している。

関谷道雄

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