「NOTTV」4年3か月でサービス終了

2016年6月30日,日本初のスマートフォン向けの有料放送サービス「NOTTV」が終了した。2012年4月の開局時には契約目標を15年度末に600万と掲げたが,実際は14年度末の175万件をピークに減少の一途を辿り,運営会社のNTTドコモ子会社のmmbiは1,166億円の累積損失を計上するに至った。

なぜこうした結果となったのか。最大の理由の1つは,送信所の整備と受信に専用チューナーが必要な放送サービスが,時代にそぐわなくなってきたということである。開局時の2012年頃は,大容量の動画を安定的に視聴できるサービスとして,放送波の優位性は高かった。しかしその後,ネット環境の整備や,専用チューナー搭載が困難なiPhone等グローバル端末の普及が急速に進み,膨大なインフラコストの回収もユーザーへの利便性の高いサービスの提供も困難となってしまった。mmbiの脇本祐史社長は「閉局は残念だが,通信と放送の事業者が入り混じり新メディアに挑戦した経験は,双方にとって今後につながるはず」とした。

今回サービスを終了したのはNOTTVだけではない。NOTTVは,地上波テレビのデジタル化で利用可能となったVHF帯のうち,V-High帯を使った「モバキャス放送」の1サービスである。モバキャスはNOTTVの他,BS・CSの有料放送6チャンネルを提供していたが,今回で全てのサービスが終了となった。これは,地デジ化で生み出した周波数利用としての放送サービスそのものが白紙化したことを意味する。放送政策を進めてきた総務省はこの結果をどう総括し,今後どんな政策を描いていくのか。しっかり見つめていきたい。

村上圭子

※NHKサイトを離れます