ウクライナ侵攻に見るメディアと戦争

~軍事侵攻1年を受けて~

公開:2023年8月1日

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は2023年2月24日で1年を迎えた。日本のメディア、とりわけテレビはこの1年をどのように伝えてきたのだろうか。
それをつかむためNHK放送文化研究所は夜のニュース番組を対象に報道内容の量的な調査を行った。また、実験的な試みとしてコンピューターを使ったウェブ記事の内容分析も行った。さらにオンラインによる公開イベントの「文研フォーラム2023」で、日本のメディアに何ができて何ができなかったのかを議論した。
量的調査からは、当初、「戦況・被害」に関する報道が中心だったものが、時間の経過とともに「ウクライナ国内」それに「ロシア国内」の動きに報道内容が変化してきたことが確認できた。一方、文研フォーラムでは戦争が長期化する中、いかに人々の関心をつなぎとめることができるか、そのためにメディアにできることは何か、現場取材・スタジオ解説の意義や課題は何かなどについて、意見交換した。
本稿は量的調査の結果を詳述するとともに文研フォーラムでの議論の概要を報告するものである。ウクライナ侵攻の報道をめぐる論考は今回が2回目であるが、本稿脱稿時点でも戦争終結の道筋は全く見えず、引き続き事態が進行する中での論考となった。

メディア研究部 上杉慎一

【あわせて読みたい】

ウクライナ侵攻初期にテレビは何を伝えたか|NHK放送文化研究所

※NHKサイトを離れます

全文を見る PDF(1,516KB)

英文サマリー