"コロナ特別休暇"制度の報道は子育て世帯に届いたのか?

~「共働き子育て世帯のメディア接触調査」の結果から~

公開:2023年2月1日

ソーシャルメディアの台頭により情報発信・獲得の手段が多様化し、若い世代を中心にテレビ離れ、ニュース離れは深刻さを増しているが、背景には、必要な情報を必要とする人に届ける役割を果たせていないマスメディア自身の課題もあるのではないか。こうした問題意識から、コロナ禍に運用が開始された、仕事と育児を両立する親を対象とする支援制度の問題を伝えた報道が、どこまで当事者に伝わり、制度の利用につながったのかを検証するとともに、主に未就学児を育てる働く親のメディア接触の実態を可視化するインターネット調査を実施した。
調査の結果からは、デイリーニュースを確認する手段としてテレビのニーズが確認された一方で、家事育児の多忙や、子にチャンネル権が優先されることなどを理由に、親自身がテレビニュースを見る機会が減少するケースが多いことが認められた。また、支援制度を知った経路として、テレビは一定程度貢献をしているものの、制度を利用する行動変容を促すまでの役割は果たせていない。必要な情報を必要とする人に届けるためには、報道手法そのものを見直す必要があると考えられる。

メディア研究部 熊谷百合子

※NHKサイトを離れます

全文を見る PDF(3,562KB)

英文サマリー