パラスポーツの祭典「東京パラリンピック」は、コロナ禍での開催1年延期を経て2021年8月24日から9月5日の13日間開催された。NHK放送文化研究所では、この国家的イベントについて、NHK始め放送事業者がどのように取り組み、また視聴者がどのように受け止めたかを調査研究してきた。また、ピョンチャン、東京両大会直後にウェブ調査を実施するなど、障害当事者のパラリンピック放送の受け止めや共生社会への意識などについて研究を進めてきた。
本稿では、障害のある人を主な対象として東京大会直後に実施したウェブ調査の結果を報告する。合わせて、これまでの研究を踏まえて、自ら障害のある筆者が自分自身を研究対象としつつ、共生社会進展に向けてパラリンピック放送のレガシーと、障害をはじめとするマイノリティーなど多様な人々を伝える放送のあり方や役割などを考察する。
放送をめぐる障害者の声(後編)
~東京パラリンピック放送~
公開:2022年9月1日
メディア研究部 山田 潔/河村 誠
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