GIGAスクール構想と「オンライン学習」に向けたメディア利用

~2020年度「新型コロナ下の小学校,中学校,特別支援学校でのメディア利用に関する調査」から~

公開:2021年6月1日

NHK放送文化研究所では、全国の学校現場におけるメディア環境の現状を把握するとともに、放送・ウェブ・イベントなどNHKの教育サービス利用の全体像を調べるために、1950年から定期的に、学校を単位として、あるいは教師個人を対象とする全国調査を行ってきた。
しかし、2020年度は、①新型コロナ感染拡大防止に伴う学校の臨時休業があり経年比較が困難、②学校が家庭に向けて行う、インターネットを利用した「オンライン学習」への関心が高まり、NHKでも新規サービスを行った、③「GIGAスクール構想(1人1台端末+高速ネットワーク)」の前倒しで学校のメディア環境が変わりつつある、などの状況を鑑み、新型コロナ下の小学校、中学校、特別支援学校(小学部、中学部)のメディア利用の全体状況を把握するために、学校を単位とする調査を行った。
メディア機器およびインターネット接続の環境は全体的に整備が進んでいて、すべての学校種で9割を超える学校が、「インターネット」「プロジェクター」「ラジオ受信機・CDラジカセ」「デジタルカメラ・デジタルビデオカメラ」を、普通教室で利用できる環境にあった。ただし、授業中にインターネットで問題なく動画を視聴できる学校は、どの学校種も3~4割にとどまっていた。
一方、NHK for Schoolやデジタル教科書、インターネット上のコンテンツのような、メディア教材を授業で利用している学校も全学校種で9割を超えた。小学校は「NHK for School」「指導者用デジタル教科書」、中学校は「ネットコンテンツ」「指導者用デジタル教科書」、特別支援学校は教師による「自作教材」の利用が多く、NHK for Schoolを利用していた学校は小学校で95%に上った(中学校52%、特別支援学校の小学部44%、同学校の中学部43%)。
また、「学習者用デジタル教科書」の利用は、最も多い小学校でも26%だったが、今後導入が進められる中で、メディア教材の利用がどのように変化するのか注目される。
「オンライン学習」は、臨時休業の期間のみ実施した学校も一定数存在したが、調査時点でも、学校種により差はあるものの3~4割の学校が実施しており、今後の実施意向もみられた。家庭のメディア環境の差などの課題が解決され、「GIGAスクール構想」が実現することによって、日常の家庭学習支援としても「オンライン学習」の定着が進むことが考えられる。

メディア研究部 宇治橋祐之/渡辺誓司

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