「オンデマンド化」と「有意義な」時間へのニーズの高まり

~「新型コロナウイルス臨時休校・休園時と再開後の,子どもと保護者のメディア行動調査」から②~

公開:2020年12月1日

新型コロナウイルス感染症による2020年4~5月の休校・休園時に在宅を余儀なくされた子どもと保護者は、学校・園再開後の6~7月にどのような意識・価値観のもと、どのようなメディア行動をとったのか。また学校や家庭に広がりつつあったデジタル学習教材は、学校・園再開後にどのように評価されたのかを報告する。
メディア行動の変化をみると、「テレビ」は、休校・休園前と比べると、利用時間が「増えた」人が「減った」人より多い傾向だが、休校・休園中との比較では「増えた」人と「減った」人が、ほぼ同じ程度であった。一方「スマートフォン」は休校・休園前との比較、休校・休園中との比較のいずれも利用時間が「増えた」人が多かった。また、生活の変化についてみると、「ストレスが多重にかかる状況」は継続していた。
その中で、「有意義へのニーズ」が存在する、という大枠自体は、変化していないようであったが、その内実は異なる様子がみられた。
デジタル学習教材についてみると、利用は広がったが、それは学校などからの指示によるためで必ずしも興味をもつ人が増えたわけではないこと、一方で実際にデジタル学習教材を利用した結果、多様なニーズが現われていた。大きな方向性としては、メディア接触の変化でみられた「オンデマンド化」と「有意義へのニーズ」と重なることが多い様子がみられた。

メディア研究部 宇治橋祐之/谷 正名

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