高まるストレスと,デジタル学習教材への関心

~「新型コロナウイルス臨時休校・休園時と再開後の,子どもと保護者のメディア行動調査」から①~

公開:2020年11月1日

2020年、日本を新型コロナウイルス感染症が襲った。コロナ下で大きな影響を受けたのが、突然の休校・休園で在宅を余儀なくされた子どもと保護者である。
子どもと保護者はこの期間、どのような意識・価値観のもと、どのようなメディア行動をとったのか。また学校や家庭に広がりつつあったデジタル学習教材は、コロナ下でどのように認知・受容・接触・期待され、どう評価されたのか。「コロナ下でのメディア利用の変化」と「休校・休園下でのデジタル学習教材へのニーズ」という2つの課題を迅速に把握するために、臨時休校・休園時と再開後の2回、ウェブ調査とオンラインコミュニティでの定性調査(MROC)を組み合わせた調査を実施した。
1回目の臨時休校・休園時の調査結果からは、子どもも保護者も「複合的で多様な」ストレスを受けていたことが明らかになってきた。またストレスを受けた子どもたちのメディア利用が多くなることもみえてきた。その中から、「有意義へのニーズ」という意識に着目し、今後のメディア利用の方向として、オンデマンドで自由に見られるメディアの意義を再確認した。
デジタル学習教材に関しては、コロナ下での利用が飛躍的に増えたとはいえないが、どのような点に興味・関心をもち、どのような点を不安に感じているのかがみえてきた。また保護者と子どもの意識の違い、年代による意識の違いもみえてきた。学習における「楽しさ」、「わかりやすさ」と共に「みんなで」という要素の重要性が明らかになった。
コロナ下の子どもと保護者のメディアに関わる行動を報告する。

メディア研究部 谷 正名/宇治橋祐之

※NHKサイトを離れます

全文を見る PDF(4,298KB)

英文サマリー