APAC Trusted Media Summit報告

公開:2020年4月1日

12月6日から11日まで"APAC Trusted Media Summit 2019"(「アジア太平洋地域・信頼されるメディアサミット2019」)がグーグルニュースイニシアティブや世界的なファクトチェック団体などの主催で、シンガポールで開かれた。アジア太平洋を中心に28の国と地域から、記者やファクトチェックを行っている団体、研究者などおよそ270人が参加した。
6日は実務者による会合が行われ、7日と8日に行われた全体会合では、メディアやファクトチェック団体、研究者の代表が、それぞれ各国での偽情報の広がりやそれに対するメディアの対策などが報告された。また総選挙などをきっかけに行われたメディアの垣根を越えたファクトチェック連携での成果や見えてきた課題なども共有された。また「ディープフェイク」と呼ばれる本物と見分けのつかない精巧な偽の映像などを使った投稿にも注意を呼びかけた。
後半は、ファクトチェックの実務者が講師を務めるワークショップが開かれた。アジアで広がる医療関連の偽情報についての対策や、出所不明の偽情報について検索エンジンやデジタルツールなどを駆使して真偽を検証する「ベリフィケーション」の講座も開催された。アジア各国でメディアリテラシー教育を進める香港大学の鍛治本正人准教授によるニュースリテラシーのワークショップも3日間にわたって開催され、およそ60人が参加し、各自の活動報告などを通じて交流を深めた。

メディア研究部 塩﨑隆敏/小笠原晶子

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