放送事業者による「幼児向け知育アプリ」の制作の意義とこれから

公開:2017年10月1日

幼児(未就学児童)のデジタル情報端末(スマートフォン,タブレット・パソコン等)の利用が進み,かつて「幼児にとってのファーストメディア」と言われてきたテレビの幼児番組の制作者は,メディア環境の劇的な変化にどう対応するかが問われている。

スマホ等で動画や知育アプリを楽しむ幼児たちが増える中で,それらをコンテンツ制作し,配信に取り組む放送事業者が出てきた。とりわけ知育アプリは双方向性を持つ新たな教育効果のあるコンテンツとして注目を浴びている。一方で子どもを「デジタル」に触れさせる事への不安や罪悪感を持つ保護者たちの存在がある。この声に放送事業者はどう応えるのか。

これまでアプリは放送事業者にとっては番組の付加価値を高め,キャラクターをライセンス展開するためのソフトとして利用されることが主だった。

本稿ではアプリ制作の意義を問い直し,番組と密接に連動したアプリを開発することによる新たな可能性について,海外の先進事例や発育・発達の研究の最新の取り組み等を通して,考察するものである。

メディア研究部 吉田直久

※NHKサイトを離れます

全文を見る PDF(1,698KB)

英文サマリー