制作者研究 <"過ぎ去らない"巨匠たちの仕事場>

【第5回】 佐々木昭一郎(NHK)

~内なる記憶が物語を紡ぎ出す~

公開:2015年6月1日

詩情豊かな映像感覚と独創的な制作手法から「伝説の映像作家」とも言われてきた元NHKドラマディレクター佐々木昭一郎(昭和11年東京生まれ)。去年の秋、NHKでの最後の作品以来19年ぶりとなる、始めての劇場公開映画『ミンヨン 倍音の法則』を発表し、健在ぶりを示した。19年前と同じスタッフが結集したことも人びとを驚かせた。佐々木作品をリアルタイムで視聴してきた元NHK撮影部カメラマン・戸田桂太氏が佐々木ドラマの深奥を覗き、その魅力について考え、創造に駆り立てているものを探る。1970年代の初期作品『マザー』『さすらい』『夢の島少女』『四季・ユートピアノ』では佐々木作品の大きな特徴、少年期の記憶から紡ぎだされる虚構的な世界の構築を、80年代の川シリーズでは「意識の途切れない連続性」あるいは「循環」への志向を、制作現場でのスタッフとの関係、出演者へ態度、現場での演出方法など独特の制作スタイルを含めて明らかにする。そして最新作『ミンヨン 倍音の法則』に集大成された映像作家・佐々木昭一郎の全貌に、佐々木本人、カメラマンの葛城哲郎・吉田秀夫らへのインタビューを交えて迫る。

武蔵大学名誉教授 (元NHK撮影部カメラマン) 戸田桂太

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