プログラム詳細

31日(水)

A 研究発表&シンポジウム
コロナ禍のネット時代を生きる中高生

第6回「中学生・高校生の生活と意識調査2022」

コロナ禍のストレスはあっても、SNSを通じて友だち関係を拡大させ、明るい未来を思い描く中高生たち。10年ぶりの調査からみえてきたのは、勉強に前向きで、ジェンダーへの意識が高い一方、競争意識が薄く、「社会」よりも「自分」を優先させる姿である。いまどきの中高生の生活や価値観について、専門家と考えました。

資料①PDF (1,620KB)

パネリスト

工藤勇一 横浜創英中学・高等学校 校長

教員や都教委などを経て、千代田区立麹町中学校校長、内閣官房教育再生実行会議委員などの公職を歴任。著書に『学校の「当たり前」をやめた。―生徒も教師も変わる!公立名門中学校長の改革』(時事通信社)など。

水無田気流 國學院大學経済学部 教授

専門は文化社会学、ジェンダー論、家族社会学。著書に『「居場所」のない男、「時間」がない女』(筑摩書房)、『多様な社会はなぜ難しいか 日本の「ダイバーシティ進化論」』(日本経済新聞出版)など。

優木まおみ タレント/モデル

東京学芸大を卒業後、芸能界デビュー。女性誌モデルやバラエティー番組、情報番組の司会など幅広く活躍。NHK『すくすく子育て』の司会を、産休を挟んで3年間務めた。8歳と6歳の2児の母親。


報告

村田ひろ子 NHK放送文化研究所世論調査部 主任研究員

中・高生の生活と意識2012、ISSP国際比較調査、生命倫理に関する調査などを担当。


進行

中山準之助 NHK放送文化研究所世論調査部 研究員

被災地の取材経験をもとに災害に関する調査や、東京五輪・パラ調査、復帰50年の沖縄に関する調査などを担当。


B シンポジウム
Z世代と「テレビ」

大学生と語る“withコロナ”時代のメディア

デジタルネイティブの先駆けとして注目を集めるZ世代。中でも大学生活をコロナ禍とともに過ごした学生たちは、いま何を思い、何を「テレビ」に求めるのか。調査データと専門家の解説から「テレビ」とのリアルな距離感に迫りました。

資料①PDF (1,159KB)

ゲスト

渡邊久哲 上智大学文学部新聞学科 教授

専門はメディアマーケティング、世論形成過程、社会調査方法論等。元TBSマーケティング部長。著書に『デジタル変革時代の放送メディア』(分担執筆、民放連研究所客員研究員会 2022)など。

小々馬敦 産業能率大学経営学部 教授

専門はブランドマネジメントなど。国内外の広告会社で戦略プランナー、経営企画に従事。Z世代の価値観研究を通じて社会の幸せを探究し「未来のマーケティングのあるべき姿」を産学協同で研究。

Z世代の大学生のみなさん

 


報告

舟越雅 NHK放送文化研究所世論調査部 研究員

「メディア利用の生活時間調査」など、人々の生活時間に即したメディア利用などについて調査・研究。


進行

保髙隆之 NHK放送文化研究所世論調査部 研究員

「コロナ時代のテレビの価値」調査など、若者を中心にメディア利用の変化を研究。

※このプログラムは、動画公開しておりません。


32日(木)

C 研究発表&シンポジウム
ウクライナ侵攻に見るメディアと戦争

長期化するロシアによるウクライナへの軍事侵攻を、日本のメディアはどう伝えてきたのか。過去の戦争報道と比べどのような違いがあるのか。また、SNSの情報発信やデータジャーナリズムの取り組みにはどのようなものがあるのか。さまざまな角度から検証し、議論しました。

資料①PDF (9,409KB)

パネリスト

武田徹 専修大学文学部 教授/評論家/ジャーナリスト

専門分野はメディア社会学やメディア実践。恵泉女学園大学教授などを経て現職。BPOの放送人権委員会委員も歴任。メディアと社会の相関領域を主な執筆対象とする。著書に「戦争報道」「日本語とジャーナリズム」「原発報道とメディア」など。

新田義貴 映画監督/ジャーナリスト

映像制作会社、ユーラシアビジョン代表。NHKディレクターとして、国際紛争や沖縄の基地問題、太平洋戦争などに焦点を当てた番組制作を行ったのち、2009年に独立。今回の軍事侵攻では2022年3月から40日余り、ウクライナに入り現地の人たちを取材。

柳澤秀夫 ジャーナリスト

元NHK記者・解説委員長。湾岸戦争では日本人記者として初めてバクダットに入り、戦争の惨状をリポートした。「ニュースウオッチ9」の初代メインキャスター、「あさイチ」のレギュラーも務めた。現在は報道・情報ワイド番組でコメンテーターとして活躍。


報告

上杉慎一 NHK放送文化研究所メディア研究部 上級研究員

国内メディアを担当。主な関心領域はデジタルジャーナリズム。記者一筋だったが、本当は子ども番組やドラマ制作に憧れている。


D 研究発表&シンポジウム
放送アーカイブの「公共利用」

地域文化施設アンケートからみえる放送局の新たな使命

北陸3県の博物館、図書館などを対象としたアンケート調査で、放送番組アーカイブ利用への高いニーズと、それが困難である現状が示されました。調査結果を報告し、地域文化振興など公益目的でのアーカイブ利用の意義と課題、そして、放送局の今後の役割について討論しました。

資料①PDF (2,902KB)

パネリスト

福井健策 弁護士

骨董通り法律事務所For the Arts代表パートナー。デジタルアーカイブ学会理事,法制度部会長。文化審議会著作権分科会法制度小委員会委員。著書に『18歳の著作権入門』『改訂版 著作権とは何か 文化と創造のゆくえ』など。

岡室美奈子 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 館長

早稲田大学文学学術院教授。文化審議会文化経済部会委員。放送番組センター理事。フジテレビ番組審議会副委員長。共編著書に『大テレビドラマ博覧会』(共著)、『新訳ベケット戯曲全集』(翻訳)など。

坂下雅子 石川県小松市立博物館 参事

学芸員。宮本三郎美術館、小松市立博物館勤務。キュレーション: 「宮本三郎開館記念特別展 宮本三郎 故郷にみる実り豊かな軌跡」「九谷再興の陶工 粟生屋源右衛門」「歿後50年 初代德田八十吉」「加賀赤絵展」など。


報告・進行

大髙崇 NHK放送文化研究所メディア研究部 主任研究員

放送アーカイブ活用と国内外の著作権制度などを担当。


33日(金)

E 研究発表
文理融合で拓く研究の可能性

テレビの放送開始から今年で70年。NHKは衛星放送やハイビジョン、8Kといったさまざまなサービスを研究・開発し、メディアの創造をリードしてきました。一方で、時代の変化とともに社会には新しい課題も生まれています。文研と放送技術研究所では、そうした社会課題に対応するために文理融合の視点で検討を重ねています。共同研究の成果について報告しました。

資料①PDF (3,223KB)

報告

宮崎勝 NHK放送技術研究所スマートプロダクション研究部 研究プロデューサー

1997年NHK入局。2000年より放送技術研究所にてAIを用いた制作支援、UI、ソーシャルメディア、データの外部展開等の研究や企画・広報業務に従事。現在は文・理・芸融合研究の研究マネージメントを担当。

田高礼子 NHK放送技術研究所スマートプロダクション研究部 副部長

2002年NHK入局。放送技術研究所にて音声分析、音声知覚、声質変換、音声合成の研究や、特許業務に従事。現在は副部長業務とELSIの研究サポートに従事。

古宮弘智 NHK放送技術研究所スマートプロダクション研究部 研究員

2005年NHK入局。仙台局、放送技術研究所、技術局、デジタルセンターを経て、2021年から放送技術研究所にて、メディア技術の社会実装におけるELSIの研究に従事。

柳憲一郎 NHK放送文化研究所計画管理部 主任研究員

NHK放送技術研究所と、文・理・芸融合などの共同研究を行っている。1月に刊行した『NHK放送文化研究所年報2023』の編集も担当。


F 研究発表&シンポジウム
「市民力」を活かすジャーナリズムの挑戦

海外の事例から

社会の分断、民主主義の後退、ニュース砂漠の拡大、情報の洪水。深まる危機に立ち向かうため、ジャーナリズムの役割を見直し、人々の「市民力」を活かすことに力を入れる海外の試みについて報告しました。

ゲスト

ベッティーナ・チャン City Bureau 共同創始者・共同代表

市民の政治・社会参加や情報格差の解消をめざし、ジャーナリストのスキルを市民と共有するシカゴのニュース・ラボのリーダー。


報告・進行

青木紀美子 NHK放送文化研究所メディア研究部 研究主幹

国際報道や海外総支局を経て2018年より文研メディア研究部でアメリカを中心に海外のジャーナリズム連携,エンゲージメント,多様性戦略などを調査。


G シンポジウム
デジタル情報空間とメディア

“信頼”のフレームワークをどう構築するか

ネット上の課題が増大し、“インフォメーションヘルス”の確保や健全な言論空間の再構築が求められています。こうした中、放送、新聞、プラットフォーム事業者はどんな役割を果たすべきなのでしょうか。競争・協創の姿とは?業界横断的議論から考えました。

ゲスト・パネリスト

足立義則 NHK報道局ネットワーク報道部 デスク

1992年から社会部、科学文化部等でIT取材など担当。2012年からはニュースのデジタル発信を担当。

郭晃彰 株式会社テレビ朝日報道局クロスメディアセンターAbemaNews 現職出向

2010年テレビ朝日入社。報道局で情報番組ディレクターや社会部で記者職を経験。2016年にABEMA開局に参加、『ABEMA Prime』を担当。現在はチーフ・プロデューサーを務める。

宮本聖二 立教大学大学院 特任教授

NHK沖縄放送局、報道局、編成局などを経て、2015年ヤフーに入社、Yahoo!ニュースにおける信頼性を確保するメディアトラスト&セーフティー推進室プロデューサーを務める。デジタルアーカイブ学会理事。

三日月儀雄 日本テレビ放送網株式会社報道局デジタルグループ専門副部長

2005年に中日新聞社に新卒入社。記者として勤務後、2009年にヤフー入社。ヤフーニューストピックスの編集責任者、ヤフーニュース特集編集長を経て2020年に日本テレビ入社。「日テレNEWS」の運用・グロースを担当。

山本洋子 中国新聞社編集局報道センター社会担当

1999年中国新聞社入社。経済部や東京支社などで中山間地域や自動車産業、福島第1原発事故を取材。企画部門でデジタル戦略などを担当した。連載「廃炉の世紀」で2015年科学ジャーナリスト賞受賞。

寺記夫 株式会社フジテレビジョン FNNプライムオンライン プロダクトマネージャー

デジタルプロデューサー。ITベンチャー勤務を経て2010年フジテレビ入社。2016年4月よりデジタルニュース事業を担当。ライフワークは既存メディアとネットのかけ算。岐阜県出身。


進行

村上圭子 NHK放送文化研究所メディア研究部 研究主幹

報道番組ディレクターを経て2010年から文研所属。デジタル時代におけるメディア・放送・NHKの今後、地域メディアの役割について取材・研究。