- 開催日
- 2017年3月1日(水)、2日(木)、3日(金)
- 会場
- 千代田放送会館(東京都千代田区紀尾井町1-1)
- 参加者数合計
- のべ1,436人(3月1日・・・212人、3月2日・・・686人、3月3日・・・538人)
ご要望にお応えし一部のプログラムの当日資料を公開しています
3月1日(水)
A | 東京2020オリンピック・パラリンピックへ | |
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■文研世論調査で探る東京2020への期待と意識 | ||
報告鶴島瑞穂 (NHK放送文化研究所 世論調査部上級研究員) |
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最新の世論調査結果から、2016年リオデジャネイロ大会のテレビ視聴やメディア利用状況の分析とともに、2020年東京大会に関する人々の意識や価値観、メディアに期待することなどを報告しました。特にパラリンピックについては、「障害者福祉」としてスタートした成り立ちから、現代では「スポーツ」と捉える人が多数を占めるようになったこと、競技放送におけるルール解説を8割の人が必要だと考えていることなどを詳しく紹介しました。 |
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■シンポジウム
パラリンピックと放送の役割 |
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基調講演・パネリスト師岡文男 (上智大学文学部教授)パネリストマーティン・ベイカー (英チャンネル4)伊藤智也 (車いすランナー・パラリンピック北京大会金メダリスト)樋口昌之 (NHK2020東京オリンピック・パラリンピック実施本部副本部長)報告渡辺誓司 (NHK放送文化研究所 計画管理部主任研究員)司会山田 潔 (NHK放送文化研究所 メディア研究部研究主幹) |
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NHKとチャンネル4、パラリンピック放送を担当する日英の放送事業者に加えて、パラリンピアンと有識者の4名のパネリストと「パラリンピックをみんなで楽しみ、共生社会の実現につなげるために、放送はどう貢献できるか」を考えたシンポジウム。文研が行った、リオでの両局中継番組の比較を基に、特有のルール等を持つ障害者スポーツ競技中継などについて、異なる角度から活発に議論がされました。 |
3月2日(木)
B |
■米ラジオ・オンデマンド時代の到来か? ~拡大する「ポッドキャスト」サービス~ |
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報告柴田 厚 (NHK放送文化研究所 メディア研究部上級研究員) |
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NHKの「らじる★らじる」、民放の「radiko」の取り組みを伝えた後、米公共ラジオNPRのアプリ「NPR One」が提供する、政治から音楽、ドキュメンタリーまでの多様なポッドキャストの特徴を実際にスマートフォンを使って紹介しました。また、New York TimesとWashington Postの2大紙が始めた、トランプ新政権をウォッチングする番組も聞いてみました。デジタル時代に“個人の息吹”を感じとることができ、“語りの力”を再認識させてくれるポッドキャストの可能性は広がっていると感じます。 |
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C |
■米大統領選にみるテレビメディアの変容 ~最新報告 ネットと融合した巨大情報空間~ |
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ゲストポール・ファーヒ (米ワシントン・ポスト紙記者)報告・聞き手藤戸あや (NHK放送文化研究所 メディア研究部上級研究員) |
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このプログラムでは、2016年大統領選で米ネットワーク局が進めた様々なデジタル展開の背景にある狙い、成果や課題について、現地で調査した内容を報告しました。また、新旧メディアが映像ニュースをデジタル空間で発信し、業態の枠を超えて激しい競争を繰り広げているアメリカのメディア状況を、ワシントン・ポスト記者が自社の例も交えて紹介し、超競争時代のメディアの課題について議論を行いました。 |
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D | ■NHK全国個人視聴率調査の将来像 | ||
報告中野佐知子 (NHK放送文化研究所 世論調査部副部長) |
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NHKが実施する全国個人視聴率調査の将来像を検討する取り組みについてご報告しました。前半では、文研が視聴率調査と接触動向調査、2つの調査を“車の両輪”として実施している現状を説明しました。後半では、メディア環境の大きな変化に伴い視聴率調査が岐路を迎えている背景やイギリスの視聴率調査について紹介し、最後に次世代のNHK視聴率調査のありようとその課題について、考え方を示しました。 |
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E |
■シンポジウム テレビ・ドキュメンタリーにおける“作家性”とは? ~「制作者研究」からの問い~ |
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ゲスト田原総一朗 (ジャーナリスト、元東京12チャンネル・ディレクター)今野 勉 (テレビ演出家・脚本家、テレビマンユニオン最高顧問)相田 洋 (テレビディレクター、元NHK)コメンテーター伊藤 守 (早稲田大学教育・総合科学学術院教授)報告・聞き手七沢 潔 (NHK放送文化研究所 メディア研究部上級研究員)司会原由美子 (NHK放送文化研究所 メディア研究部研究主幹) |
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『放送研究と調査』の掲載論文「テレビ制作者研究」をまとめた本、『テレビ・ドキュメンタリーを創った人々』がつい先ごろ刊行されました。この中でも紹介した3人の著名なドキュメンタリスト、田原総一朗氏、今野勉氏、相田洋氏をゲストにお招きし、「制作者の作家性」「やらせ」・・・などドキュメンタリーについて、大いに語り合いました。 |
3月3日(金)
F |
■台湾新政権のメディア政策 ~公共放送の充実、財閥のメディア支配排除は進むか~ |
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報告山田賢一 (NHK放送文化研究所 メディア研究部副部長) |
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台湾の民進党新政権は、「メディアの公共性」を重視した政策を進めていて、報告では政策の骨子である①公共放送の充実、②「財閥のメディア支配」排除、の2点についてご紹介しました。このうち②については、遠傳財閥系の通信事業者によるケーブルテレビ最大手の買収を事実上阻止するなど、国民党時代との違いが見えましたが、①については公共テレビへの政府交付金増加に商業局や国民党が反対していて、今後難航も予想されます。 |
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G | ■BBCのEU国民投票報道で考える「報道の公平性」 | |
ゲストスー・イングリッシュ (元BBC政治番組総責任者)音 好宏 (上智大学文学部新聞学科教授)報告・司会田中孝宜 (NHK放送文化研究所 メディア研究部上級研究員) |
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独自の報道ガイドラインを作って「質の公平性」を目指したBBCのEU国民投票報道と、ストップウオッチで秒単位まで厳格に測って「量の公平性」を守ったイタリアの国民投票報道を例に「報道の公平性」について考えました。BBCのゲストからは、公平性は報道が信用されるための核であり、多メディア時代においても重要性は変わらないという話がありました。海外の事例とはいえ、日本にも多くの示唆を与えてくれる話をしてくださいました。 |
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H |
■「これからのテレビ」はどこに向かうのか? ~存在意義の再定義に向けて~ |
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ゲスト吉田眞人 (総務省大臣官房審議官<放送行政担当>)報告保髙隆之 (NHK放送文化研究所 世論調査部研究員)報告・聞き手村上圭子 (NHK放送文化研究所 メディア研究部主任研究員) |
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通信・放送融合からメディア構造変化の時代に向かう中で、放送事業者、NHKの存在意義はどこにあるのかについて議論を行いました。特に、ここ1年総務省で議論が行われてきた放送のネット同時配信について、テレビ離れする若年層にどこまで訴求するのか、放送政策として何ができるのか、民放とNHKの二元体制で実施することの意義と課題について考えました。 |