放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    英BBC理事会,「営利子会社の活動は適正」と報告

    BBC理事会は2018年12月20日,BBCの営利子会社の活動について適正であるとの報告書を公表した。政府との枠組み合意に基づいてBBC理事会に義務づけられている定期的なレビューで,BBCの使命や公共目的にかなっているか,効率的に運営されているか,BBCブランドの価値を傷つけていないか,市場競争をゆがめていないか,という4つの観点で外部のコンサルタント会社が調査を行った。対象となったのは,番組制作や販売を行うBBC Studios,ワールドニュースを運営するBBC Global News,スタジオ設備やポストプロダクションを行うBBC Studioworksの3社。

    英BBC iPlayer,2018年利用トップはドラマ"Bodyguard"

    BBCは12月20日,2018年にBBC iPlayerで最も多く見られたのはドラマ"Bodyguard"で,全6エピソードを通して4,130万件のリクエストがあり,iPlayerでのドラマ視聴件数の過去最高を記録したと発表した。このドラマは,内務大臣の警護をする警察官を主人公にしたもので,2018年8月にBBC Oneで放送が始まり,一気にヒット作となった。ところが,商業放送ITVの子会社ITV Studiosがこのドラマを制作したWorld Productionを買収し配信権をNetflixに売ったことから,10月にはNetflixがイギリス国外向けに配信を開始し,注目された。

    伊政府,次世代テレビ方式への移行助成予算を増額

    イタリア議会では12月30日,「2019年予算法」が成立し,地上デジタル放送の次世代方式DVB-T2への移行のための一般家庭への助成金の増額など,新たな施策が盛り込まれた。助成額の合計は2019~22年の4年間で1億5,100万ユーロ(約196億円)となり,前年の予算法で決定された額に5,100万ユーロが追加計上された。助成の対象は公共放送RAIの受信料が免除となる75歳以上で,年収8,000ユーロ(約100万円)以下の低所得者を優先し,T2方式に対応するテレビやデコーダーの購入に対して1世帯あたり25ユーロ程度が1回限り助成される。このほか,VHF帯域を原則的に地上デジタルラジオ(DAB)に付与する施策などが盛り込まれた。

    スイス地上放送,6月に終了へ

    スイスの公共放送SRG SSRは,2019年6月3日に地上放送を全国で一斉に終了することになった。スイスで地上放送を行っている放送局はSRG SSRだけで,地上放送の利用者も全世帯の約2%と少ない。このため2018年8月に改定されたSRG SSRの免許では,2019年末までに地上放送を終了することが定められていた。SRG SSRは,衛星放送,ケーブルテレビ,IPTV,インターネットなど別の伝送路を使うよう呼びかける。SRG SSRは2019年1月から地上放送で字幕をつけて終了について周知するほか,終了後も静止画を流し,ウェブサイトやホットラインへの案内を行う。

    ベルギーの公共放送,2018年12月に地デジ放送を終了

    ベルギーのオランダ語圏の公共放送VRTは,12月1日,地上デジタルテレビ3チャンネルの放送を終了した。ベルギーで2017年に最も視聴されたプラットフォームはケーブルテレビで,全世帯の59.8%,続いてIPTVが30.6%,衛星放送が8.1%となっており,地上デジタルテレビは1.5%にあたる4万5,000世帯。VRTは,こうした「メディアの利用状況の変化」を地上デジタルテレビ放送の終了の理由としている。これによって地上デジタル3チャンネルの年間の運営費約100万ユーロ(約1億3,000万円)は,オンラインサービス「VRT Nu」に振り向けられるという。

    EU,番組配信の著作権処理を簡易化へ

    EUの主要3機関である閣僚理事会,欧州委員会,欧州議会は12月13日,EU加盟国の放送局がインターネットで番組配信をする場合の著作権処理を簡易化する法案について合意した。EU加盟国の放送局は現在,他の加盟国向けにも番組の同時配信やオンデマンド配信をする場合,各国で個別に著作権処理をする必要があるが,将来的には自国で著作権処理をするだけですむようになる。ただしその対象は,ニュース番組,時事番組,100%自社制作の番組に限られる。法律の成立には今後,欧州議会と閣僚理事会が正式に承認する必要がある。