放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    英BBCラジオ,全国放送番組時間の60%を競争入札へ

    イギリスの公共放送BBCのラジオ局長ヘレン・ボーデン氏は6月25日,今後6年の間に全国放送番組の60%の放送時間について,BBC内部と外部プロダクションとの競争入札で制作する方針を明らかにした。RIG(独立制作者グループ)との現行の委託枠組みは,年間10%を外部プロに保障し,さらに10%の制作について内部と外部との競争入札と定めている。新取り決めについては,BBC執行部およびBBCトラストの承認を必要とする。

    英BBCトラスト,BBC Three廃止を条件付き承認

    イギリスの公共放送BBCの監督機関であるBBCトラストは6月30日,執行部から提案されていた若者向けテレビチャンネルBBC Threeの放送としての廃止とオンライン・サービスへの移行について,若者のBBCへの接触を損なわないように十分配慮するなど条件付きで承認した。またトラストは,BBC Threeの廃止に伴う空き周波数帯を利用した再放送専門チャンネルBBC One+1の開始については却下した。

    独,地上放送のDVB-T2方式への移行日程発表

    ドイツの公共放送ARD,ZDF,商業放送事業者,州メディア監督機関は6月8日,地上放送を次世代規格DVB-T2方式に移行するための共同事務局を開設し,あわせて移行の日程を明らかにした。サッカーUEFA 欧州選手権の開催にあわせ,2016年6月に数都市で試験放送を開始,2017年3月末の本放送開始とともに10都市で完全移行し,2019年半ばまでに全国で完全移行する計画。動画圧縮規格にH.265/HEVCを採用したため,視聴者は受信機の買い替えが必要となる。

    伊,米Netflixが10月のイタリア進出を発表

    インターネットによるコンテンツ配信事業大手の米Netflixは6月6日,2015年10月中にイタリアでサービスを開始すると発表した。正確な開始日や月額は明らかにされていないが,フランスやドイツなど欧州での先行国と同様,スタンダード画質で視聴する場合は7.99ユーロ(約1,100円)に設定されるとみられる。イタリアのブロードバンド普及状況は,政府デジタル化推進組織Infratelの最新の報告書によると,通信速度2~20Mbpsでは全国平均で96.9%と欧州平均の97%とほぼ同等だが,4K動画の配信で必要となる30Mpbsでは22.3%と,欧州平均の64%を大きく下回っている。

    スイス国民投票,新受信料制度を僅差で可決

    スイスで6月14日,受信料制度を全世帯徴収方式に変更する法律を実施するかどうかの国民投票が行われ,賛成票が僅差で上回り,新制度の実施が決まった。スイスでは2014年9月に,受信機の有無にかかわらず,全ての世帯と年商50万スイスフラン(約7,000万円)を超える企業から受信料を徴収することを定めた放送法改正が連邦議会で可決された。しかし,企業の支払い義務に反対するスイス商工業連盟が,約10万人の署名を集めて国民投票に持ち込んでいた。改正法は2016年に発効するが,新受信料制度の開始は2018年半ば以降になる見込み。

    ギリシャ公共放送ERT,閉鎖から2年ぶり復活

    ギリシャの公共放送ERTは2015年6月11日,2年ぶりにERTとしての放送を再開し,復活した。ERTは財政危機に伴う緊縮策の一環として,2013年6月11日に政府によって突然閉鎖され,2,650人の職員も解雇された。その後,要員を800人に縮小して暫定的な公共放送NERITとして2014年5月から放送を行っていたが,左派のチプラス首相のもとで2015年4月29日,ERT復活法が議会で可決・成立した。

    EuroSport,欧州全域での五輪放送権を獲得

    IOC(国際オリンピック委員会)は6月29日,2018年から2024年までの夏冬のオリンピックのヨーロッパほぼ全域での放送権を,米Discoveryの傘下にあるEuroSportに与えたことを明らかにした。1つの企業が欧州全域での権利を獲得するのは初めてで,契約料は13億ユーロ(約1,770億円)。これまでは国ごとに放送権が決められ,イギリス,フランス,ドイツなどでは公共放送が放送を担ってきた。イギリスBBCは東京オリンピックまでの放送権はすでに獲得しており,2022年から影響を受けることになる。