放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    台湾,新型コロナ関連で「偽情報」相次ぐ

    台湾では,新型コロナウイルス関連の偽情報がネット上で相次ぎ,当局が取り締まりと注意喚起に追われている。2月28日には次期副総統の頼清徳氏のものとされる動画がYouTubeにアップロードされ,「中国のコロナ対策は素晴らしい」などと評価したが,頼氏本人が29日,Facebook上で「偽情報であり,司法当局に通報した」と述べた。このほか「李登輝元総統と頼清徳氏が相次いで肺炎で死去した」「台湾ではあちこちに焼却を待つ遺体が見られる」といった偽情報がFacebookやYouTubeに数多く出回っている。

    香港の公共放送RTHKの番組,TVBでの放送終了へ

    香港の公共放送RTHK が,大手地上テレビ局TVBのゴールデンタイムの枠などを使って放送してきた番組について,香港の放送通信事務管理庁(CA)は3月4日,TVBに課している放送義務を撤廃した。もともと自前のチャンネルのないRTHKが制作したテレビ番組は,商業放送局が代替して放送する義務を負ってきた。今回の決定は,TVBが放送義務の撤廃を求めていたことや,RTHKに独自のデジタルテレビチャンネルが割り当てられたことなどが理由に挙げられる。RTHK労組は,放送内容に不満を募らせた政府からの圧力だと反発している。

    韓国MBC,パク・ソンジェ前報道局長,新社長に就任

    韓国MBCの新社長に,前報道局長のパク・ソンジェ(朴晟濟)氏が3月2日,就任した。MBCの最大株主である放送文化振興会の理事会が任命したもので,任期は3年。パク氏は,1993年に記者としてMBCに入社し,2007年には労組委員長を務めたが,イ・ミョンバク(李明博)政権時の2012年に長期ストライキを行って解雇された。その後,調査報道専門の独立系メディア「ニュース打破」で活動していたが,ムン・ジェイン(文在寅)政権が発足した2017年にはMBCに復職し,2018年6月から報道局長を務めていた。

    韓国KBS の受信料払い戻し,過去最多を更新

    韓国の公共放送KBSは3月18日,受信料の払い戻しを受けた世帯が,2019年は3万5,765件にのぼり,過去最多を更新したことを明らかにした。受信料の払い戻しは,2014~16 年には1万6,000件前後だったのが,2018 年には 3万5,531件と初めて3万件を突破していた。受信料は月額2,500ウォン(約225円)で,電気料金とともに自動的に徴収されるが,受信機を所有していないと申請して認められれば,支払い義務はなくなり,払い戻しを受けられる。KBSは,申請を迅速に処理するため,2017年9月から立証基準を緩和した結果だと分析しているが,メディア専門家は「報道姿勢が公正さを欠くとして,保守派の視聴者が支払いを拒否した影響もある」と指摘している。

    比大統領に特別権限,新型コロナ偽情報を処罰へ

    フィリピンの国会は3月24日,新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めをかけるため,ドゥテルテ大統領に広範囲にわたる特別権限を与える法律を成立させた。この中には,ソーシャルメディアなどで新型コロナウイルスに関する偽情報を拡散した者に,最大で禁錮2 か月,罰金100万ペソ(約213万円)の刑罰を科す条項も含まれている。大統領の特別権限は3か月間有効で,国会が必要と認めれば延長も可能となっている。これについてフィリピン・ジャーナリスト全国組合(NUJP)は26日,声明を発表し,「この条項は政府に真偽の判断を委ねるもので,自由な言論を犯罪として扱うことにつながる」と批判している。

    UAEなど新型コロナ感染予防で印刷物の流通を一時停止

    アラブ首長国連邦(UAE)の国家メディア評議会は新型コロナウイルスの感染予防措置として,新聞などの印刷物の流通を3月24日から一時的に停止すると発表した。UAEの首長国通信(WAM)によると,出版物の定期購読などは除外の対象となるが,集合住宅やレストラン,ホテルなどに配布される新聞や雑誌,チラシなどは,複数の人が触ることで感染が拡大する可能性があるとしている。オマーンでも3月22日,政府の対策委員会が同様の対策を発表した。日々のニュースなどはインターネットで閲覧するよう推奨されている。