放送界の動き

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

    米CNN役員が相次ぎ辞職,報道への信頼損なう懸念も

    アメリカCNNのジェフ・ザッカー社長が2月2日に辞任した。同氏はCNNの視聴率回復や,NBC幹部時代に大統領選挙に出る前のトランプ氏をリアリティー番組のスターにしたことなどで知られる。辞任は部下でマーケティング担当幹部のアリソン・ゴルスト氏との交際を社規どおり届け出ていなかったためとしたが,その後,親会社WarnerMediaは両氏が報道の基準などに違反したと説明。New York Timesは,2021年12月にCNNを解雇された元人気司会者クリス・クオモ氏の兄で,同年にセクハラ問題で辞任したニューヨーク州知事がCNNに出演する際に,元知事側が望む質問項目をゴルスト氏が報道現場に伝えていたなどと報じた。CNN内外で経営陣の説明不足が指摘され,CNNの報道への信頼を損なうとの懸念も出ている。

    TelevisaUnivisionがスペイン語動画配信ViXとViX+提供へ

    アメリカのスペイン語テレビネットワークUnivisionとメキシコのメディア大手Televisaのテレビ・コンテンツ部門の経営統合によって1月31日に発足したTelevisaUnivisionは2月16日,新たなスペイン語動画配信サービス「ViX」と「ViX+」を世界に提供すると発表した。ViXは広告型無料(AVOD)のサービスで,3月31日に開始する計画。ViX+は独自番組やサッカーの生中継を含む定額有料(SVOD)のサービスで,2022年度後半に開始するとしている。

    北京オリンピック,米テレビ視聴者は過去最低

    アメリカでオリンピックの放送権を独占するNBCUniversalは2月21日,北京大会では冬季大会としては過去最長の約2,800時間のコンテンツを提供し,大会期間中,プライムタイムのテレビ視聴は平均で1,070万人だったと発表した。前回のピョンチャン大会の平均1,780万人に比べて大幅に減り,過去最低になった。一方で,動画配信サービスPeacockは初めてすべての競技を配信し,大会期間中,利用者数が過去最大になったとしている。

    米地方テレビ所有中堅事業者をヘッジファンドが買収

    ワシントンやアトランタなどに64の地方テレビ局を所有・運営するTEGNAは2月22日,ヘッジファンドStandard Generalの買収に応じることで合意したと発表した。両社の発表や報道によると債務を含め約86億ドル(約9,900億円)相当の買収で,同じく中堅の地方テレビ所有・運営事業者Cox Media Groupを所有する別の大手投資ファンドApollo GlobalManagementも,投票権のない株主として資本参加する。アメリカでは投資目的の地方メディア買収が増え,地域の報道などに与える影響が懸念されている。

    米Washington Postに「民主主義」専門取材班

    Washington Postは2月22日,アメリカの民主主義をめぐる動きや課題を専門に取材するチームを発足させ,新たにデスク2人と,ジョージア州,アリゾナ州,中西部で取材する記者3人を採用すると発表した。有権者登録や投票を規制する州法の制定や選挙委員会の政治化,選挙への信頼を損なう動向などに重点を置いて報じる。国内ニュース担当エディターのマテア・ゴールド氏は全米公共ラジオNPRのインタビューで,現職の大統領が大統領選挙の結果を覆すために連邦議会や州議会などに圧力をかけたことや,2021年1月6日の連邦議会襲撃事件などが背景にあると話した。アメリカの報道機関では,同じような危機感から「民主主義」の取材に重点を置く動きが広がっている。

    メキシコで2022年もジャーナリストの殺害相次ぐ

    メキシコやアメリカの報道によると2月24日,メキシコ北部ソノラ州でローカルニュース・サイトを運営する男性が射殺され,2022年に殺されたジャーナリストやメディア関係者は7人になった。1月にはアメリカ国境沿いの北部都市ティファナで,カメラマンの男性と記者の女性が相次いで射殺された。このうち記者のロルデス・マルドナド氏は2019年,オブラドール大統領の記者会見で「命を脅かされている」と訴えていた。メキシコの記者たちは1月,各地で,多くの事件で犯人が訴追されないことなどに抗議するデモを行った。ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると,メキシコではこの10年に142人のジャーナリストやメディア関係者が殺害されている。