文研ブログ

調査あれこれ 2022年12月13日 (火)

#436 懸念材料は自民党内の掌握力 ~岸田総理の越年課題~

放送文化研究所 研究主幹 島田敏男

 臨時国会会期末の12月10日、岸田政権の当面の最大課題ともいえる寄付強要などを対象にした被害者救済法が参議院本会議で可決・成立しました。旧統一教会の元信者や家庭を破壊された宗教二世の怒りの声を受け、野党の主張を取り入れながら協議を進めた結果です。

 衆議院を通過する段階から「内容が不十分でも、まずは前に進めよう」という流れができ、異例の土曜日の本会議で、自民、公明、立民、維新、国民が賛成して成立。国民の強い反発が表面化した旧統一教会問題に対し、とりあえず被害者救済の道を広げることによって政治が格好を付けた形です。

被害者救済法成立(12月10日)被害者救済法成立(12月10日)

 とはいえ、被害者の救済に奔走してきた弁護士らは「ないよりはましだが、禁止行為などの対象範囲が狭く、直ちに法律の改正強化に向けた検討が必要だ」と厳しい注文をつけています。ようやく入り口に立ったに過ぎないという位置づけは妥当だと思います。

 この被害者救済法が参議院本会議で成立したのと重なる9日(金)から11日(日)にかけてNHK 月例電話世論調査が行われました。

☆旧統一教会の被害者の救済を図るため、悪質な寄付を規制する新たな法律についてうかがいます。あなたは、被害者の救済や被害の防止という点から、この法律をどの程度評価しますか。

 大いに評価する  18%
 ある程度評価する  48%
 あまり評価しない  19%
 全く評価しない  7%

大いに評価するを除くと、対策にあたってきた弁護士らの指摘にあるように7割以上の人が改善の余地があるとしているともいえます。岸田総理大臣が、一層の取り組みを求める数字の重みをしっかり受け止めるかに厳しい視線が向けられます。

☆あなたは岸田内閣を支持しますか。それとも支持しませんか。

 支持する  36%(対前月+3ポイント)
 支持しない  44%(対前月-2ポイント)

臨時国会の焦点になっていた被害者救済法をとりあえず成立させたことで、4か月続いていた内閣支持率の低下に一旦歯止めがかかりました。これが岸田総理の反転攻勢の足掛かりになるのか、それとも一瞬の出来事で終わるのかは次の大きな課題にかかっています。それが防衛費の増額問題です。

国会閉幕の記者会見国会閉幕の記者会見

 岸田総理は国会終了を受けて行った10日夜の記者会見で、2023年度から2027年度にかけての5年間の防衛費を総額で43兆円とする政府・与党の方針を改めて表明しました。そしてそのための財源について「安定した財源が不可欠だ。国債の発行は未来の世代に対する責任としてとりえない」と強調しました。

 つまり、一部を増税で賄う方針を貫く決意を示したわけです。4月の統一地方選挙を前に増税方針を打ち出すことに、自民党内では強い反発が噴き出しています。「選挙を控えたタイミングでの表明は得策でない」というお定まりの意見です。

 高市早苗経済安全保障担当大臣は岸田総理と直談判に及び、閣内に身を置きながら「実際の増税は再来年以降のことなのだから、増税の中身の議論は春以降に先送りすべきだ」とかみつきました。御本人は閣僚罷免も覚悟しての発言だとしています。

 防衛費増額の財源問題は自民党税制調査会で検討が始まり、財務省が検討している法人税の上乗せを軸に議論が進む見通しです。しかし、選挙で応援してくれる企業に嫌われたくない自民党議員からは「薄く広くということで所得税も検討に加えるべきだ」といった意見まで出ています。

自民党税制調査会(12月13日)自民党税制調査会(12月13日)

☆政府は、来年度から5年間の防衛力整備の水準について、今の1.5倍にあたるおよそ43兆円を確保する方針です。あなたは、こうした防衛費の増額に賛成ですか。反対ですか。

 賛成  51%
 反対  36%

この質問に対する回答を与党支持者、野党支持者、無党派の別に見てみます。

 与党支持者 ➡賛成66% 反対26%
 野党支持者 ➡賛成46% 反対48%
 無党派 ➡賛成41% 反対42%

ロシアのウクライナ侵攻、台湾海峡を巡る緊張、相次ぐ北朝鮮の弾道ミサイル発射といった安全保障環境の悪化を受けて、野党支持者や無党派層でも防衛費の増額に一定の理解は広がっているように見えます。それでも、与党支持者では3分の2が賛成というのは際立っています。

 防衛費の増額、その財源確保という課題は、岸田総理大臣にとって、与党とりわけ足元の自民党内の掌握力が試される重いものです。

 自民党税制調査会は議論を急ぐ構えで、その結論を2023年度予算案に反映させ、政府は年明けの通常国会に臨みます。そこからが、また大仕事になります。

 なぜならば5年で43兆円という莫大な防衛予算で、何をどう整備するのか。その莫大な予算措置で国民の安全をどこまで守ることができるのかを示すのは容易なことではありません。

防衛省防衛省

 例えば敵に対する反撃能力を持つことが抑止力の強化につながるという理屈で導入が検討されている、射程距離の長いスタンド・オフ・ミサイルや巡航ミサイルが、どの程度有効なのかを示すデータも必要でしょう。

 こうした肝心要の議論が政府・与党の一部、つまり国民の目に届かない「ブラックボックス」の中で練り上げられているのが現状です。

 政府は国家安全保障戦略など、防衛費増額のよりどころになる3つの文書を近くとりまとめて公表します。問題は納税者である国民が「なるほど」と納得できる内容かどうか。とりわけ「買い物リスト」と俗称される防衛力整備計画をまとめた文書に、どれほどの説得力があるかが焦点になります。

 政府の案は年内にまとまるでしょうが、それを国民に納得してもらう作業は越年の課題になります。岸田総理にとって、4月の統一地方選挙、その先の5月19日から21日に予定しているG7広島サミットに至る道のりの中で、最も険しい上り坂に他なりません。

調査あれこれ 2022年12月11日 (日)

#435 視聴率でみる"大河ドラマ平成史"

計画管理部(計画) 斉藤孝信

 今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は、いよいよ18日(日)に最終回! 皆さま、この1年、お楽しみいただけましたでしょうか!? 毎回、さすがは三谷幸喜さんの脚本だなぁと感嘆させられる予想もつかない展開で、インターネット上でも、視聴者の皆様が今後のストーリー予想などを繰り広げていらっしゃる様子もうかがえて嬉しいかぎりです!

鎌倉殿の13人

 もちろん、来年以降も楽しみな大河ドラマが皆さまをお待ちしております!来年(2023年)は松本潤さん主演の「どうする家康」、再来年(2024年)は吉高由里子さん主演で、大河ドラマ初の"平安文学モノ"である「光る君へ」です。両作品はいったいどんな盛り上がりを見せるのか!? ...こればかりは、始まってみなければわからないことではありますが、今回は、文研が蓄積した過去の調査データから、大河ドラマの"平成史"を振り返りながら、その"盛り上がり具合"を勝手に想像してみたいと思います!

 今回ご紹介するのは6月第1週に行っている「全国個人視聴率調査」の結果です*1
1年に渡って放送する大河ドラマのうち、たった1回、総合テレビの本放送のみ*2のデータですので、通年でどれだけご覧いただけたかを示すものではないことをご承知いただいたうえで、平成の30年間に放送された各ドラマの視聴率のお話をいたします。
 まず、平成元(1989)年「春日局」から平成30(2018年)「西郷どん」までの大河ドラマを、一覧表にして振り返りましょう。

平成の大河ドラマ一覧

この30作品について、視聴率のトップ10をお示しすると、ご覧のとおりです。

平成の大河ドラマ視聴率トップ10

 トップは平成8年「秀吉」の25.8%。じつに4人に1人もの人が、竹中直人さん演じる豊臣秀吉のサクセスストーリーをご覧になっていたのです。2位の平成元年「春日局」と3位の平成9年「毛利元就」も視聴率が20%を超えていました。
 一見すると、「人気作が平成"ひと桁"台に多く、平成後半はそこまで奮わなかった」ように見えるかもしれません。しかし、その平成後半は、続々と誕生したインターネット動画サービスを楽しむ人が増えたぶん、リアルタイムでテレビを見る人自体が徐々に減少した時代です(平成19年にYouTube日本語版、平成27年にTVerやAmazonプライム・ビデオ、NETFLIXなどがサービス開始)。また、今回は総合テレビの本放送のみのランキングですが、平成以降、BSでの放送や「NHKオンデマンド」「NHKプラス」など、大河ドラマ自体の視聴方法も多様化し、"何が何でも日曜夜8時に総合テレビを見なくちゃ!"という状況でもなくなりました。そうした様々な要素を踏まえて考えると、この本放送のリアルタイム視聴率トップ10に、平成20年「篤姫」や平成22年「龍馬伝」がランクインすること自体が"凄いこと"のようにも思えます。
 次に、各ドラマが描いた"時代"という視点で、平成の大河ドラマ30本を振り返ると、"戦国モノ"が13本、"幕末~維新モノ"が8本、それ以外の時代が9本という内訳です。

平成の大河ドラマが描いた時代

 これを頭に入れてから、男女年層別の視聴率トップ5をご覧いただくと......。

男女年層別 平成の大河ドラマ 視聴率トップ5 (6月第1週「全国個人視聴率調査」)

 多くの年代で、トップ5の半分以上を"戦国モノ"が占めています。中でも男性では「秀吉」が30代以上の各年代でトップ。「信長」も13~19歳でトップとなっています。
 来年の「どうする家康」は"戦国モノ"、しかも家康は、信長、秀吉と並んで"戦国3英傑"とも呼ばれていますので、特に男性の皆さんにはこのランキング表のトップに躍り出るほどにご覧いただけたら嬉しいなあ......と思います。

どうする家康

 一方の女性では、「春日局」が強いですね。誰もが一度は教科書で読んだことのある"戦国3英傑"ほどの知名度は(少なくともドラマ開始前には)なかったと思うのですが、戦国の動乱期を生き抜き、江戸幕府3代将軍徳川家光の乳母として武家社会で成功するまでの"女性の生きざま"を描いたドラマが、多くの女性を惹きつけたのでしょうか。
 そこで、さきほどと同じランキング表を、今度は、主人公が女性の作品(夫婦を含む)に色を付けてみてみます。すると......、

女年層別 平成の大河ドラマ 視聴率トップ5 (6月第1週「全国個人視聴率調査」)

 明らかに、女性のほうで、主人公が女性の作品が多くランクインしていることがわかります。「春日局」に加えて、平成6年「花の乱」(三田佳子さんが室町幕府8代将軍足利義政の正室日野富子を演じた)が60代で、平成14年「利家とまつ」(松嶋菜々子さんと唐沢寿明さんのW主演)が女性40代で、平成20年「篤姫」(宮﨑あおいさんが徳川13代将軍家定の正室天璋院の生涯を演じた)が女性20代・60代・70歳以上で、それぞれランクインしています。この3作品は男性の各年代ではトップ5圏外でした。
 再来年の「光る君へ」の主人公は、源氏物語の作者・紫式部(吉高由里子さん演じるドラマ中の名前は「まひろ」)です。この作品もきっと女性の皆さんが特に熱心にご覧くださるのではないかと、今から期待してしまいます。

光る君へ

 もちろん、「どうする家康」「光る君へ」のどちらも、老若男女問わず、多くの皆様にお楽しみいただけたら最高なのですが!
 今回は、文研が得意としている、長期スパンの視聴データ分析から考察してみました。なお、今年の「鎌倉殿の13人」については、2022年6月「全国個人視聴率調査」の結果として『放送研究と調査』10月号に掲載しております。そちらもぜひお読みください!


*1:「全国個人視聴率調査」は、原則6月の第1週、調査相手に5分刻みのマークシートで、視聴した時刻と局を記入してもらっています。2019年までは配付回収法(調査員がお宅を訪問する方法)でしたが、コロナ禍による2年の中断を経て、2021年からは「郵送法」に切り替えました。そのため今回は、同じ調査方法で比較可能な"平成"に限定してデータを紹介しています。
*2:大河ドラマは、今回ご紹介した総合テレビ日曜夜8時のほか、土曜午後1時5分(再放送)、BSプレミアムとBS4Kで日曜午後6時から放送しています。また「NHKプラス」「NHKオンデマンド」でもご覧いただけます。
調査あれこれ 2022年12月09日 (金)

#434 BBC 放送開始 100年

メディア研究部(海外メディア) 税所玲子

 "2LO Marconi House London calling"(こちらは2LOロンドンマルコリーニ会館です)
 1922年11月14日午後6時。ロンドン中心部のストランドにある送信機のコールサインで、無線機メーカーの企業連合による共同の放送会社British Broadcasting Company によるラジオ放送が始まった。 それから100年。5年後に公共放送に改組し、"Inform、Educate、Entertain"(情報、教育、娯楽)を掲げながら、BBCはイギリス国内だけでなく世界でも広く利用されるいわば「公共放送の母船」(mothership of public broadcaster)として発展してきた。
 100年の節目の年を迎え、イギリスでは記念事業が目白押しである。お宝のアンティークの修理を通じて人間模様を描く"The Repair Shop"にチャールズ国王を引っ張り出したかと思えば、一般視聴者をエキストラとして数々の長寿番組などに出演させたり、アーカイブに眠っていた629時間分の職員オーラルヒストリーを「100人の物語」として公開したりするなどユニークな試みも行われている。イギリス各地の博物館では記念展示も行われ、ことし9月、エリザベス女王が死去した直後にロンドン科学博物館を訪問した時には、BBCが中継した女王の戴冠式の映像を感慨深く眺める市民が集まっていた。インタビューを行った記念事業を統括するジェームス・スターリング氏が、「BBCの歴史は、イギリスの過去100年の歴史だ」と胸を張る理由なのだろう。

写真 初代の伝送のための機器 初代の伝送のための機器

科学博物館ではBBCの展示会が開かれた科学博物館ではBBCの展示会が開かれた

 記念事業の中でも充実していたのはBBCの王道ドキュメンタリー番組の数々だ。特に、政治討論番組の司会を長年務めたジャーナリストのデビット・ディンブルビー氏が制作した3部作"Days that shook the BBC"は記憶に残る。BBC嫌いのサッチャー首相との確執や、会長が辞任に追い込まれたイラク戦争の大量破壊兵器をめぐる報道、ウソをついて入手したダイアナ元皇太子妃のインタビュー、フォークランド紛争、人種や極右政党の報道などBBCを揺るがせたスキャンダルについて、当事者へのインタビューを通じて検証している。
 度重なる危機に見舞われ、それを乗り越えてきたのがBBCの歴史とも言われる。しかしネット 社会の到来で、事実よりも自分の考えや価値観にあう情報を聞きたいと願う人が増え、社会の分断が広がる今、BBCがミスを犯せば「何らかの意図をもってやった」「誰かの思惑が働いた」との批判が沸き上がる。こうした信頼の揺らぎは、現在、進められている将来の受信料制度の在り方の議論にも影を落とす。
 番組の冒頭、ディンブルビー氏は「数々のスキャンダルがBBCにとって最も大切な人々、つまり視聴者との関係にどう影響したのか」と問い、そして過去の関係者を問いただすだけでなく、自らがかかわった人種問題の番組について黒人プロデューサーから検証を受ける。最後にディンブルビー氏は「分断の広がりをよしとし、自分にとっての"真実"が重要だと考える人が増える社会で、『互いの主張に耳を傾けよう』と呼びかけるBBCの役割・意義は残っているはずだ。BBCは失敗を犯してきた。欠点もある。しかし、国の足を引っ張ったことよりは、豊かにしたことのほうが多いはずで、不要だというのは、破壊的で悲しいことだ」と述べ番組を終えた。

デビット・ティンブルビー氏(ドキュメンタリーの広報 BBCホームページより)デビット・ティンブルビー氏(ドキュメンタリーの広報 BBCホームページより)

 過去を振り返るだけでなく、次の100年を見据えた活動もある。
 一連の記念事業を統括したスターリング氏は、「BBCは、100年前にもまして社会にとって有意義なものだということを示したい」と話す。スターリング氏が特に力を注いでいるのが、全国の700の中学校に、BBCのプレゼンターやジャーナリストなど200 人を派遣し、40万人の生徒と交流をはかる"Tell your story"の活動だ。欧米では、TED Talkなどに代表されるように、伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる物語と結び付けて話すストーリーテリング(Storytelling)が大切にされる。BBCの取り組みは、このストーリーテリングのスキルを中学生に伝授するというもので、例えば、ロックダウン中にメンタルヘルスについて発信し人気を得たインフルエンサーが、両親の心の病から学んだことなどを語ったりする。生徒も自分の物語を共有し、このうちの100のエピソードがラジオ番組などで放送される。

Share your storyの活動を伝える記事(BBCホームページより)Share your storyの活動を伝える記事(BBCホームページより)

 若者のアクセスを伸ばしたいBBCが中学生にアプローチするのは当然なことだろう。同時にこうした試みは多様性の実践にも関連しているように見える。「ロンドン中心のエリート」というイメージを払拭するため、BBCは2027年までに、職員の25%を貧しい家庭の出身者にするという多様性の目標を掲げている。スターリング氏は、「自分のことを、自信をもって語れるようになれば誰にでも道は開ける。地元のプロダクションなどとも連携しながらクリエイティブ産業をもりたてたい」と隠れた才能の発掘に意欲を燃やす。
 様々な課題と試練の中で迎えた100年だが、スターリング氏は「創設の理念を忘れず、視聴者にとってBBCならではのサービスはなにか?と追求し続けていけば、未来は決して暗くないはずだ。記念の年は、次の100年の章を書くためのものにしたい」と力を込めてインタビューを締めくくった。

放送ヒストリー 2022年12月08日 (木)

#433 戦後のNHKと児童文学作家・筒井敬介 その3 ~「初期『おかあさんといっしょ』失われた映像を探る」に関連して~

メディア研究部(番組研究) 高橋浩一郎

 児童文学作家の筒井敬介さんとNHKのかかわりについて2回にわたって紹介してきました。11月号の調査研究ノートで触れたように、これまでは主に『おかあさんといっしょ』を始めとする、幼児向け番組に焦点を当ててきましたが、筒井さんが手掛けたのは子ども向けの仕事だけではありません。
 今回は、筒井さんのご自宅に残されていた資料とNHKアーカイブスに保管される2本のラジオ番組を通して、筒井さんの幅広い仕事の一端とその原点を振り返ります。

(*本ブログに掲載される写真のコピーは禁止されています。)

社会問題へのまなざし

NHK新聞 (小西理加氏 所蔵)

 写真は、放送の普及促進を図るため1957年に発行された「NHK新聞」で、第12回芸術祭出品ドラマを手がけた作家を紹介する記事です。筒井さんの作品は『名づけてサクラ』というタイトルのラジオドラマで、同年10月25日に放送され、作品奨励賞を受賞しました。
 芸術祭への出品は、ラジオにしても、テレビにしても、歴史の浅い放送が社会的に評価されるために重要な意味を持っていました。(記事で紹介されている作家の中には、筒井さんのほかに有吉佐和子さんや木下順二さんの名前も見られます。)
 『名づけてサクラ』は筒井さんのオリジナル脚本で、戦後間もないころに進駐軍との間に生まれた、いわゆる「GIベビー」をテーマにしています。
 主人公サクラは黒人兵と日本人女性の間に生まれた女の子です。養護施設で育てられていましたが、養子縁組でアメリカに送られてしまいます。しかし、アメリカでの辛い生活に耐えきれず実の母親を探しに密航してくるという物語です。
 放送から30年後の1987年、『名づけてサクラ』は再放送されていますが、この再放送では筒井さんをスタジオに招いて当時の様子をインタビューするパートが追加収録されており、脚本執筆のきっかけや作品を仕上げるために重ねた取材のエピソードが語られています。(一部、現在では使用することが不適切とされる表現が用いられていますが、放送当時の価値観を伝える必要があると考えそのまま表記しています。)

――きっかけになったのは養子縁組です。 混血児の養子縁組ということが大変ジャーナリズムをにぎわしたし、いろんなことがありましたね。それに対する私の非常に不満があるわけですよね。/非常に混血児がひどく扱われて、色目で見られて、それをアメリカ養子縁組させたということが、じゃあそれから先どうするんだと。それはまるで棄民政策*注じゃないかと。捨て子と同じじゃないかと。/一体向こうに行った子どもたちはどうなっているんだと。そしたらもう一言「労働力だよ。労働力しかないんだよ」と、向こうがもらってくれるっていうのは。/それから婦人科の医者の話が出てきますね。本当に赤ん坊を産む時に、母親が知らないでいて、出てきたのが混血児だったという事例はね、僕は実際に集めたんです。こういうことがあったんです。それからやっぱり横須賀と横浜、下士官住宅ですね、昔の。つまり海岸の兵隊の下士官が表で生活しているわけですよね、奥様と一緒に。その住宅が全部、その当時で言えばオンリーさんというような人たちに占領されているようなところも取材に行ったですね。

 当時すでに子ども向けの作家のイメージが強かった筒井さんが、このように社会的なメッセージのある作品を書いたのは、戦時中に強いられた体験の反動によるものだと言います。

――僕がこれを書いたのは、40になってきっちりぐらいの時に書いたんだけれども、暗い、暗い青春ですね。ぼくらの青春ってのは本当に戦争だったから、押しつぶされていた青春がちょうど35から40ぐらいでやっと出てきているんですよね。そういう何か、素材とか世の中に対して何かぶつかっていこうっていうね、そういう熱がやっぱり(番組を)聞くとありますね。自分のことながらそれがありますね。

子どもも大人も区別しない

 『名づけてサクラ』のような重たいメッセージのあるドラマと、『おかあさんといっしょ』のような幼児向け番組の間には大きなギャップがあるように感じられます。筒井さんはどのような思いでこれらの仕事に向き合っていたのでしょうか。『名づけてサクラ』の再放送から7年後、1994年に放送された『わが故郷わが青春』というラジオ番組に筒井さんは出演し、生まれ育った東京・神田の町の思い出に触れながら、自らの原点について次のように話しています。

――つまり人の言うことを聞かないっていう事ですよ。非常に人の言うことをよく聞くね、惣領とかですね、それからお店の若旦那とか言うのもいますよね。 落語にも出てきたりなんかするような。僕はね、何しろね、逆のことばっかりやってね、しょうがない人間だったんですね。/江戸には、お上に対して「お上はえらいものだ」とお上にすり寄っていく人間と、それから「何が何でもお上にはおれは頭下げないぞ」という、その2つじゃないだろうけれども、僕はやっぱりお上が嫌いだったですね。

 さらに自らの作品について以下のように述べています。

――ユートピアがあるってことは非常にはっきりしているんですよね。 つまり、自分はこういう具合のところで、こういう具合に生きていきたいというイメージがはっきりしている。/だから僕の頭の中にはね、子どもも大人もなかったんですよ。 子どもも大人もなくて、楽しいものを書こう。自分のイメージをうんと広げよう。広がりゃしなかったですけどね、この年になるまで。しかし広げようという気持ちを持ちえたんですね。

 子どもも大人も区別することなく書かれた筒井さんの作品からは、生きることさえままならない時代を体験したからこそ「伝えたい」という強い思いが感じられます。先人たちがかつて体験したものとはまるで異なるものの、しかし同じように生きることが困難な今だからこそ、筒井さんの作品を読みとき、そこから学ぶことがあるように思えるのです。

筒井敬介さん 筒井敬介さん

*筒井さんが当時の養子縁組を「棄民政策」と批判した背景には、敗戦直前に北海道の開拓事業に志願した自身の体験があります。アジア・太平洋戦争末期の昭和20年3月、「本土空襲激化に伴う大災の罹災者の疎開強化」の方針が閣議決定され、戦災者の生活安定と食料の増産などを図るため、北海道は主要な集団帰農の受け入れ先として指定されました。しかし開墾する土地が少なく、参加者が農業未経験、さらに農業資材が皆無に近い状態だったことなどから営農は不可能に近かったといいます。
 筒井さんは先述の『名づけてサクラ』再放送のインタビューで次のように語っています。「なぜ北海道の移民になって行ったかっていうと、東京都に食料が入らなくなって、いつ暴動が起きるか分かんないから、民衆を北海道に捨てなきゃならないわけですよね。棄民政策ですよ。そういうものなんですよね。」政府によって切り捨てられた当事者としての意識が、筒井さんに『名づけてサクラ』を書かせたのかもしれません。

放送ヒストリー 2022年12月07日 (水)

#432 戦後のNHKと児童文学作家・筒井敬介 その2 ~「初期『おかあさんといっしょ』失われた映像を探る」に関連して~

メディア研究部(番組研究) 高橋浩一郎

 「放送研究と調査」11月号で、児童文学作家の筒井敬介さん(1917~2005)とグラフィックデザイナーで絵本作家の堀内誠一さん(1932~1987)が初期の『おかあさんといっしょ』に関わり、番組から『あかいかさがおちていた』(1965)という1冊の絵本が生み出されたことを紹介しました。実はお二人にはもう一つ共作した絵本があり、この作品も『おかあさんといっしょ』の中で番組化されていました。『かわいい とのさま』という作品です。

(*本ブログに掲載される写真のコピーは禁止されています。)

絵本版『かわいい とのさま』

 『かわいい とのさま』は1970~1971年に12回にわたって月刊誌「ワンダーブック」に発表されました(2013年に小峰書店から単行本化)。絵本『あかいかさがおちていた』が『おかあさんといっしょ』から生み出されたのとは逆で、『かわいい とのさま』は紙媒体の方が先に発表され、後にテレビ化されています。まず絵本の『かわいい とのさま』がどんな内容なのか見てみます。
 主人公のとのさまはいばりん坊でわがままなくせに泣き虫の男の子です。パパやママはおらず、なぜかお堀に住むカワウソが人に化けてばあやの役をしています。月刊誌に毎月連載されていたということもあって、ひな祭りや花火、お正月など折々の季節の行事を交えつつ、1年間を通してとのさまの成長物語を描いています。1話が見開き8ページと限られた紙面の中で、奇想天外だったり、時にはほろりとしたりする物語が展開され、堀内誠一さんの絵もほかではなかなか見られない大胆で漫画風なタッチで描かれています。

『かわいい とのさま』筒井敬介・作 堀内誠一・絵(小峰書店) 『かわいい とのさま』筒井敬介・作 堀内誠一・絵(小峰書店)

テレビ版「かわいいとのさま」

 一方、テレビ版の「かわいい とのさま」が放送されたのは1970年10月。水曜日の『おかあさんといっしょ』のコーナー「らっぽんぽん」の中のお話として、4回にわたって紹介されました。(1970年代中盤まで『おかあさんといっしょ』の内容は曜日ごとに違っていました。)

「らっぽんぽん」旗照夫、真理ヨシコ 「らっぽんぽん」旗照夫、真理ヨシコ

 「らっぽんぽん」は初代・うたのおねえさんの真理ヨシコさんとジャズシンガーの旗照夫さんが出演したコーナーですが、残念ながら映像は残っていません。台本を確認すると、スタジオをベースに人形劇や影絵などさまざまな手法を取り入れ、時には歌を交えながら、毎回さまざまな物語を紹介するという内容だったようです。細かい点で違いはあるものの、テレビ版も基本的には絵本版と同じ登場人物で、物語の要素も共通していました。
 台本のスタッフ表示には、人形美術として川本喜八郎(連続人形劇『平家物語』、人形アニメーション『死者の書』など)、小道具などの制作として加藤晃、毛利厚(『みんなのうた』の「トレロ・カモミロ」のアニメーション制作など)、振付に高見映(『できるかな』のノッポさん)など、当時ほかの幼児・子ども向け番組にも関わっていた外部クリエーターたちの名前がありました。

「かわいい とのさま」台本 「かわいい とのさま」台本(小西理加氏 所蔵)

"かわいくない"とのさま

 それにしても「わがままでいばりん坊の泣き虫」を「かわいい」と思えるでしょうか。ちっとも「かわいくない」と思うのが自然な気がします。筒井さんはどうして真逆のタイトルをつけたのでしょうか。
 『かわいい とのさま』が作られた1970年、大阪では「人類の進歩と調和」をテーマにした日本万国博覧会が開催され、日本は戦後の混乱期を乗り越え高度経済成長を果たした姿を世界にアピールしました。一方、1969年には全国の"カギっ子"が483万人に上るなど、子どもをめぐる状況もそれまでと大きく変わりつつありました。
 「かわいい とのさま」の設定は、従来とは異なる環境で育つことを余儀なくされた当時の「現代っ子」のイメージに重なるように思えます。同時に、いつの頃からか「子どもはかわいいもの」と一方的にひ護の対象とみなすようになった風潮を、反語的に「かわいい」という言葉を用いることで皮肉っているようにも読み取れます。
 筒井さんが自らの子ども観について書いた原稿が残されていました。そこには筒井さんが子どもをどのような存在としてとらえていたのかが書かれています。

――いってみれば子どもを、生物的に未発達なとか、未熟なとか考えては、作家の想像力は刺激されないのである。一人の人間として、あらゆる感性を備えた不思議な好奇心をわき立たせる人間として扱っているのです。誤解を恐れずにいえば、子どもにこれから何をおっぱじめるのか分からない怪物としての位置を与えなければ、作家は興味をもち得ないのです。

 子どもは常に社会の変化から影響を受け、大人のまなざしから無縁でいられないという点で受け身の存在です。しかし変わるのは大人の社会や価値観であって、子どものありよう自体はいつだって同じ「何をおっぱじめるのか分からない怪物」なのです。子どもは飼いならすものでも、管理するものでも、ましてや「かわいい」だけの存在でもないことを、『かわいいとのさま』を通じて筒井さんは伝えている気がします。

*3回目は12月8日(木)に掲載予定です。

放送ヒストリー 2022年12月06日 (火)

#431 戦後のNHKと児童文学作家・筒井敬介 その1 ~「初期『おかあさんといっしょ』失われた映像を探る」に関連して~

メディア研究部(番組研究) 高橋浩一郎

 「放送研究と調査」11月号では、『ぐるんぱのようちえん』などで知られるグラフィックデザイナーで絵本作家の堀内誠一さん(1932~1987)と児童文学作家の筒井敬介さん(1917~2005)が関わった初期の『おかあさんといっしょ』のコーナー「こんな絵もらった」について調査研究ノートとしてまとめました。ここでは、11月号で十分触れることができなかった筒井敬介さんとNHKとのかかわりについて、3回に分けて紹介します。

(*本ブログに掲載される写真のコピーは禁止されています。)

「字の書いてあるものを捨ててはいけない」

筒井敬介さん 筒井敬介さん

 筒井敬介さんは1948年から1966年まで18年間、NHKの契約作家として、『おかあさんといっしょ』以外にも、幼児向けラジオ番組『お話出てこい』や連続テレビドラマ『バス通り裏』など数多くの放送台本を手がけ、また児童文学作家、戯曲家としても幅広く活動しました。当時のラジオやテレビに接した世代にはよく知られた存在で、戦後の放送文化や児童文化の発展に貢献した作家の一人です。
 長女・小西理加さんによると、「字の書いてあるものを捨ててはいけない」が筒井さんの信条でした。自分が関わった番組台本や原稿だけでなく、台本を入れた封筒や卓上のメモ帳なども筒井さんは捨てずに残しており、ご家族はその整理と管理に大変な苦労をされたといいます。今回、初期『おかあさんといっしょ』の内容を検証できたのもご自宅に台本が保管されていたおかげです。
 筒井さんが戦後NHKの契約作家になり、「字の書いてあるものを捨ててはいけない」という信条を持つに至った背景には、当時の時代状況が深くかかわっているように思えます。

戦争の時代に生まれて

 第一次世界大戦が終わる前年の1917年、筒井さんは東京・神田に生まれました。十代の頃から文学書を読んだり、親に隠れて映画を見たりする中で、次第に物書きを志すようになったといいます。日中戦争が始まった1937年、大学生だった筒井さんは劇団東童の文芸演出部に入団、脚色・演出を担当するようになります。太平洋戦争が始まった1941年には、徴兵検査に合格、翌年、近衛兵として入隊しますが、病気のためまもなく除隊。1945年の東京大空襲では自宅を失い、食糧難から一時期北海道に開拓民として入植したものの5か月ほどで帰郷。その後は人民新聞に記者として勤めながら作品執筆を行うなど、日々の暮らしと作家活動を成り立たせるために苦しい時期が続きました。(このころ、「原爆の図」で知られる画家の丸木位里・俊夫妻や、黒澤明監督のスクリプターとして活躍した野上照代、画家・絵本作家のいわさきちひろとも交流があり、いわさきちひろとは1969年に絵本「ふたりのぶとうかい」を共作しています。)
 そんな折、1947年に知り合いから勧められNHKの契約作家になったのです。放送を通じて自分が書いた文章によって生計が立てられるようになったことは、三十路を迎えた筒井さんにとって大きな変化をもたらす出来事だったに違いありません。

残された資料から

 筒井さんの資料には、戦後まもない時期のNHKやラジオ放送の実態を伺うことができる資料が数多く残されています。ご遺族に許可をいただいていくつか紹介させていただきます。

講習会のテキスト 講習会のテキスト(小西理加氏 所蔵)

 この写真は、筒井さんが契約作家になるに当たって、NHKで行われた「放送台本の書き方の講習会」で使用されたテキストです。英語交じりの文章で、音楽や音響効果の用語の解説や具体例が書かれてあります。戦後の日本を民主化するために、ラジオが重要な役割を果たすと考えられた時代、放送台本を執筆する人材を育成するために、このようなテキストが作られていたのです。

ラジオ「幼児の時間」台本(1951年) ラジオ「幼児の時間」台本(1951年)(小西理加氏 所蔵)

 そのほか、印刷されたものではなく、カーボン紙で書かれたラジオ台本も複数残されていました。上の写真は、1951年に放送された『幼児の時間』という番組の台本で、「お母さんといっしょ」と題されています。テレビの『おかあさんといっしょ』の放送開始は1959年ですから、それに先立つこと8年前に、サブタイトルとはいえ同名タイトルの番組が作られていたのです。内容は、タッチャンという男の子の目を通して家族の日常を描いた一種の朗読劇で、14話分の台本が残されていました。(なお筒井さんは1953年に『おねえさんといっしょ』というラジオ番組も手がけていて、1957年には映画化されています。『おねえさんといっしょ』にもタッチャンという男の子が登場することから、2作の舞台は同じ家庭なのかもしれません。)

 あらゆるものがデジタル情報として記録・保管される現在とは異なり、当時はラジオにせよ、テレビにせよ1回放送されれば影も形も残らない時代でした。心血を注いで作り上げた作品が1回きりで消えてなくなってしまうことは、自分の考えを自由に表現することが困難だった時代を生き抜きながら、空襲によってすべてを失う経験をした筒井さんにとって耐えがたいことだったのかもしれません。筒井さんがこれだけさまざまな番組の関連資料を長年保管されていたのは、自分が生きていたことを「なかったことにされない」ための必死の抗いのように思えます。

「字の書いてあるものを捨ててはいけない」。

 私たちは果たしてこのような思いを込めて字を書いたり、言葉を使ったりしているでしょうか。言葉とは本来どのように使われるべきなのか。人にものを伝えるとはどういうことなのか。メディアを介したコミュニケーションが急速に発達し、それを当たり前のこととして受け入れ、ともすると言葉を雑に使いがちな私たちに、筒井さんはシンプルな言葉で大切なことを気付かせてくれます。

*2回目は12月7日(水)に掲載予定です。

調査あれこれ 2022年11月22日 (火)

#430 サッカーW杯日本代表いよいよ初戦! ドイツ戦せまる!

計画管理部(計画) 斉藤孝信

 日本時間11月23日22時、サッカー日本代表が、カタールでのFIFA ワールドカップ 2022初戦を迎えます!
 対戦相手のドイツは、18大会連続20回目の出場で優勝4回、世界ランキング11位という強豪です。日本はこれまで強化試合で2度対戦し、1敗1引き分けと、まだ勝ったことがありません。初勝利、なるでしょうか!? ドイツ戦はNHKで生中継がありますので、テレビの前で皆さんと一緒に気合いを入れて応援したいと思います!!

サッカー日本代表

 日本は7大会連続7回目の出場、世界ランキング24位。過去6回出場したW杯で3回、ベスト16に進みました。今大会の1次リーグは、ドイツのあとも、コスタリカ(世界ランキング31位)、スペイン(世界ランキング7位)と難敵続きですが、ぜひとも過去最高のベスト8以上への進出が実現するよう祈りましょう!

サッカーW杯 日本代表のこれまでの戦績と今大会の試合予定

 遠くカタールの地で戦う選手たちへのエールの意味も込めまして、今回は、文研の世論調査結果から、特に「サッカー」に注目して、スポーツの話題をお届けします。
 まずは、今年6月第1週に実施した「全国個人視聴率調査」の関東地方のデータから、その1週間(8時~23時)に生中継で放送されたスポーツの試合の視聴率ランキングをご覧いただいます。

スポーツ中継の視聴率ラインキング

 サッカーのキリン杯の日本代表戦がトップ2を占め、ブラジル戦が13.9%、ガーナ戦が7.0%とよく見られました。次いで、陸上、ゴルフの順です。BSは地上波に比べてそもそもの視聴率が低いのですが、それでも大谷翔平選手の出場した日曜のMLB中継が5番目に入っています(MLBについては先日のブログ#429で詳しく報告しています)。

 上位に入った「サッカー(ブラジル戦)」「陸上」「ゴルフ」「MLB」の4つについて、それぞれ、どんな方がよくご覧になったのか、男女年層別にグラフにしてみます。

主な試合の男女年齢層別視聴率 2022年全国個人資料率調査

 サッカーは、男性の各年代と女性の40代以上で10%超となり、他の3つよりもよく見られていました。
 とはいえ、男性の60歳以上では、陸上も11%、ゴルフとMLBも7%とよく見られていますので、"男性の高年層はスポーツ自体をよく見た(その中でも、特にサッカーをよく見た)"と考えて良さそうです。
 一方で、男性50代以下と女性40代以上では、"他のスポーツはあまり見なかったのに、サッカーだけはよく見た"という結果です。たとえば女性40・50代は、サッカーキリン杯は18%でしたが、あとの3つはいずれも1%以下と、ほとんど見られませんでした。
 この結果だけをみると、男性50代以下や女性40代以上は"サッカーをよく見る"、と思いたくなりますが、たった1年(どころか1週間)のデータで決めつけるわけにもいきませんので、文研の得意技として、過去のデータを振り返ってみたいと思います。
 ※ただし、「全国個人視聴率調査」は、2022年は郵送法で実施しましたが、コロナ禍による中断以前の2019年までは調査員がお宅に伺う「配付回収法」でしたので、ここまでとこのあとの視聴率は単純に比較できませんのでご承知おきください!

 同じく調査週にサッカーキリン杯があった2017年の、スポーツ中継の視聴率上位表です。

2017年6月第1週 スポーツ中継の視聴率ラインキング

 この年もキリン杯の日本代表戦がトップでした。しかし、よく見られた「サッカー」「卓球」「テニス」「プロ野球」の男女年層別視聴率をみてみると......、

主な試合の男女年齢層別視聴率 2017年全国個人資料率調査

 さきほどの2022年とは違い、男性40・50代や女性40代以上では、サッカーだけでなく、世界卓球やテニスの全仏オープンもよく見られていました(一方で、プロ野球はそれらに及びませんでした)。

◎男性40・50代: サッカー8%、 テニス6%、 卓球5%、 野球3%
◎女性40・50代: サッカー8% テニス5%、 卓球5%、 野球2%
◎女性60歳以上: サッカー10%、 テニス9%、 卓球11%、 野球4%

 プロ野球が国内での通常シーズンの試合だったのに対して、サッカーキリン杯、テニスの全仏オープン、世界卓球は、いずれも日本選手や日本代表チームがタイトルをかけて世界の強豪を相手に戦う1年~数年に1度開催される大きな国際大会で、代表選手の知名度も高く、メディアでもさかんに取り上げられて話題となっていたという共通点があります。
 すなわち......、男性40・50代や女性40代以上は、"世界を相手に日本が挑む大きな国際大会"はよく見る、ということなのではないでしょうか(なお、さきほどの2022年については、陸上とゴルフは国内の大会、MLBは通常のシーズンの試合で、"世界を相手に日本が挑む大きな国際大会"にあたるのはキリン杯サッカーだけでした)。
 "世界を相手に日本が挑む大きな国際大会"といえば、まだ記憶に新しい東京オリンピック・パラリンピック(五輪・パラ)はまさにそうした楽しみの詰まった大イベントでした。
 文研はこの大会についても世論調査を行ってきました。当初の開幕予定の"1年前"にあたる2019年夏に実施した調査では、「ふだんテレビやインターネットでスポーツを視聴するか」と「東京五輪・パラを楽しみにしているか」という質問をしました。ふだんスポーツを『見る』と答えた人と、五輪・パラが『楽しみ』だと答えた人の割合を男女年層別にしますと、こうなります。

ふだんのスポーツ視聴と、五輪・パラ「楽しみ」

 まず注目すべきは、女性の50代以下です。ふだんスポーツを『見る』のは4割~5割程度と他の年代よりも低いのですが、五輪・パラを『楽しみ』にしていた人は8割前後と、他の年代に負けず劣らず、大多数を占めていたのです。また、男性40・50代も、ふだん『見る』人の割合(65%前後)よりも、五輪・パラを『楽しみ』にする人の割合(80%弱)が高くなっています。
 やはり、こうした年代は、"世界を相手に日本が挑む大きな国際大会"であり、世の中で話題になっている大イベントを楽しみに思い、その気持ちが視聴行動にも結び付いているのかもしれません。

 さらに、五輪・パラ終了後の2021年秋に実施した調査では、「東京五輪・パラで印象に残ったこと」を複数回答で尋ねました。その結果...、

東京五輪・パラで印象に残ったこと

 全体では「日本が過去最多の金メダルを獲得したこと」(29.7%)と「10代などの若い選手たちの活躍ぶり」(29.1)が同じくらいに多くなりましたが、女性の50代では「日本の金メダル」が37%で最も多く、しかも他の年代よりも高くなりました。また、ふだんスポーツを『見る』人が全体より大幅に少ないはずの女性40代以下でも「日本の金メダル」を喜んだ人は全体と同じくらいに多く、男性40・50代でも「日本の金メダル」を挙げた人が3割超となっています。
 このように、男性40・50代や、50代以上を中心とした女性は、"日本勢が世界に挑む大きな国際大会"は楽しみに視聴するし、勝利の栄冠を勝ち取れば大いに喜ぶ!ということなのかもしれません。
 FIFA ワールドカップ 2022ドイツ戦は、まさに、日本代表が世界に挑む4年に1度の大舞台のスタートです。きっと多くの方がテレビで声援を送ることになるのではないかと、いまから楽しみです!!
 初戦、「日本×ドイツ」は11月23日の22時キックオフ。NHKでは試合の模様を、総合テレビ、BS4K、NHKプラスでお伝えします。ぜひご覧ください!

調査あれこれ 2022年11月17日 (木)

#429 大谷翔平選手、2年連続MVP受賞なるか!?

計画管理部(計画) 斉藤孝信

 明日(日本時間11月18日)、アメリカ大リーグ(MLB)アメリカン・リーグのMVPが発表されます。
 MVPはレギュラーシーズンに最も活躍した選手に贈られ、全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれます。今年はリーグ記録となる62本のホームランを打ったヤンキースのアーロン・ジャッジ選手と、投手として15勝、打者として34本塁打を記録し、受賞すれば2年連続となる我らが"二刀流"大谷翔平選手が、熾烈なMVP争いを繰り広げていることが、多くのメディアで取り沙汰されています。

saito_2211_0_gettyImages-1233842873.jpg 実際にはもう投票は終わっていますし、いまさら私がここで何を言ったところでどうなるわけでもありませんが、楽しみに待っている日本のファンの皆様のために、今回は、文研ならではの、"これは、もしかして受賞できるのではないか?"と思いたくなるデータを!
 ご紹介するのは、文研が6月最初の1週間で実施した「全国個人視聴率調査」の、NHKBS1の視聴率上位ランキングです。MLBを放送しているBSの視聴率は地上波に比べてそもそもの数字が小さい上に、まだまだシーズン序盤の1週間限定のデータなので、シーズン全体の活躍や視聴の盛り上がりを反映したものではないことをご承知いただいたうえで、あえて、順位だけでお話ししていきます。
 今年のランキング表をみると、なんと、トップ7がいずれも大谷選手の出場したエンジェルス戦。つまり調査週に行われた7試合すべてがランクインしたのです!*1

2022年 BS1視聴率高位番組

 アメリカ西海岸に本拠地を置くエンジェルスの試合は、ナイトゲームの場合、日本では日中に放送されることもあり、やはりトップ2は多くの人が比較的視聴しやすい日曜と土曜の試合となりました。平日トップとなった6月10日(金)のレッドソックス戦は、大谷選手が先発投手としてマウンドに立ちながら、指名打者として打席にも立つ"リアル二刀流"でした。視聴率は1.2%ですが、じつは、この時間にリアルタイムでテレビを視聴していた人たちを100とした割合(占拠率)は18%にのぼります。つまり、この時間にテレビ放送を視聴していた人の5人に1人が大谷選手の試合を見ていたことになります。
 この「全国個人視聴率調査」は、コロナ禍の影響で2020年と2021年は実施できませんでしたので、残念ながら、初のMVP受賞となった去年のランキングがどうだったのかをお示しすることができないのですが(去年も同じであれば、"だから今年もきっと!"とファンの皆様をさらに勇気づけることができたかもしれませんが......)。
 ご参考までに、大谷選手がMLBでの挑戦を始めた2018年と、翌2019年のデータを紹介します*2。なお、大谷選手は、2018年は打者としては114試合に出場し、打率2割8分5厘、22本塁打。投手としては10試合に登板し、4勝2敗、防御率3.31という好成績で、アメリカン・リーグの「新人王」を受賞しました。2019年は肘の故障で投手としての出場はなく、打者として106試合に出場し、打率2割8分6厘、18本塁打でした。その両年、6月第1週に「全国個人視聴率調査」BS1トップ10に入ったのはいずれも3試合でした。

2018年 BS1視聴率高位番組

2019年 BS1視聴率高位番組

 これだけでも、今年、7曜日すべての試合がトップ10入りしたのがどれだけ凄いことなのかおわかりいただけると思いますが、2001年以降の各年のトップ10中にランクインした試合数を振り返ると......、

BS1視聴率トップ10に入ったMLB中継

 なんと、全7試合がトップ10に入ったのは、今回が初めてだったのです。
 次に多かったのは2001年。この年にはイチロー選手がMLBに挑戦して大活躍。首位打者、盗塁王、最多安打、シルバースラッガー賞、ゴールドグラブ賞のタイトルを同時獲得。新人王、そして、MVPにも選ばれています。あの伝説のイチロー選手MLBデビューイヤーよりも多くの試合がランクインしたのだから、きっと今年も大谷選手がMVPを...。と願ってしまうのは、分析者というよりもファンとしての気持ちがまさってしまい、ちょっと説得力に欠けますでしょうか......。
 ちなみに調査では、今年6月の大谷選手の試合が少なからぬ女性にも見られたことがわかり、大谷選手の活躍を応援する女性ファンの存在も想像できて、興味深い結果でした。
 「全国個人視聴率調査」の結果は『放送研究と調査』10月号に掲載していますので、ぜひそちらもお読みいただければ幸いです!

 果たして、結果はどうなるのか!?皆さんと一緒にワクワクしながら、明日の発表を待ちたいと思います!


*1:マルチ放送(BS101と102で別の番組を放送)の場合、今回はMLB中継を優先して表示しています。なお、ニュースなどによる中断を挟んで、1つの試合が複数の番組として放送された場合は視聴率の高かったほうを優先し、表における開始時刻も該当の番組の開始時刻を示します(試合開始時刻ではありません)。
*2:「全国個人視聴率調査」は、原則6月の第1週、調査相手に5分刻みのマークシートで、視聴した時刻と局を記入してもらっています。2019年までは配付回収法(調査員がお宅を訪問する方法)でしたが、コロナ禍による2年の中断を経て、2021年からは「郵送法」に切り替えました。配付回収法と郵送法の視聴率などの結果は単純に比較できません。
調査あれこれ 2022年11月15日 (火)

#428 暗雲漂う岸田政権の前途 ~外交で挽回は図れるのか~

放送文化研究所 研究主幹 島田敏男

 10月24日、ロシア軍がせきを切ったようにウクライナに侵攻を開始してから8か月になったこの日、日本の永田町では岸田政権の足元で不安視されていた堤の一角が崩れ落ちました。

 山際大志郎経済再生担当大臣が「国会運営に迷惑を掛けたくない」として、岸田総理大臣に辞表を提出し、後任には後藤茂之前厚生労働大臣が充てられました。

 安倍元総理を死に追いやった銃撃犯の供述をきっかけに旧統一教会問題が噴出し、長年にわたる深い関係を指摘され続けていた山際大臣。旧統一教会関連の催しへの出席など、新たな事実が報道で明らかになるたびに「記憶になかった」という言い訳を連発し、辞任は時間の問題とされていました。

 この問題と安倍元総理の国葬に対する批判がないまぜになって、各種世論調査での岸田内閣の支持率は、8月以降、下り勾配が続いています。

 そして山際大臣の辞任から3週間足らずの11月11日午後、今度は葉梨康弘法務大臣が辞表を提出しました。法務大臣の重要な職責である死刑執行の署名を、パーティーの挨拶で受け狙いの話のタネに使った軽率さが問題視されていたからです。

 しかし葉梨大臣は、その日の午前中の国会答弁でも「職責を全うする」と繰り返し、辞任する考えはないと強弁していました。前日に岸田総理と会って確認した通りに発言していたということですが、これには自民党内からも反発の声が噴出しました。

 岸田総理は後手に回った事態の対応に追われ、予定していたアジア歴訪への出発を遅らせて、後任に齋藤健元農林水産大臣を充てました。

 11月のNHK月例電話世論調査は、この法務大臣交代のさなかの11日(金)の夕方から13日(日)にかけて行われました。

☆あなたは岸田内閣を支持しますか。それとも支持しませんか。

 支持する  33%(対前月-5ポイント)
 支持しない  46%(対前月+3ポイント)
 わからない、無回答  21%(対前月+1ポイント)

NHK世論調査での岸田内閣の支持率は、7月に発足以来最も高い59%を記録した後8月から下がり始め、これで4か月続けて最低を更新したことになります。

 相次ぐ閣僚辞任を巡って、自民党のベテラン国会議員たちからは「辞任ドミノを避けたい気持ちがあるのだろうが、人事権を持つ総理の決断の遅さが負のスパイラルを生んでいる」という声が聞こえてきます。

 「聞く力」はあるが「決める力」に欠けているという身内からの厳しい指摘です。

 10月と11月について、与党支持者、野党支持者、無党派の別に内閣支持率を比べてみるとこうなります。

 10月➡与党支持者68% 野党支持者16% 無党派17%
 11月➡与党支持者59% 野党支持者14% 無党派17%

 与党支持者の内閣支持率が9ポイント急落していて、もともと支持率が低い野党支持者、無党派層よりも落ち込みが激しくなっています。言い換えれば与党支持者の中で進む岸田離れの気配をうかがわせるものです。

 自民党の国会議員の中には「衆議院選挙や参議院選挙を控えていれば『岸田降ろし』が表面化しかねないが、当面は来年4月の統一地方選挙だけだからそうはならない」と語る人たちもいます。

 果たしてそうなのでしょうか。私は日頃から地方議会の議員たちとの意見交換を心がけていますが、先月あたりから「このままでは来春の選挙で当選できない」という自民党議員の悲痛な声を耳にするようになりました。11月のNHK世論調査では、こういう質問もしています。

☆旧統一教会と国会議員の関係が、相次いで問題になっています。あなたは、地方議員も関係を点検し、明らかにすべきだと思いますか。それとも明らかにする必要はないと思いますか。

 明らかにすべきだ  71%
 明らかにする必要はない  18%
 わからない、無回答  11%

国民の7割が「明らかにすべき」と答えているところに、旧統一教会を巡る問題に対する国民の厳しい視線を感じます。これに応えないままで国民の政治意識が変化するとは考えにくいというのが正直なところです。

 岸田総理は、葉梨前法務大臣から齋藤新法務大臣へのバトンタッチを見届けて、東南アジア各国で開催されている各種の首脳会議に精力的に臨んでいます。安倍内閣で4年8か月にわたって外務大臣を務めた経験を生かし、国際情勢が不安定化する中で、外交で存在感を示したいという思いが強いのはよくわかります。

 13日にはASEAN関連の首脳会議が開かれたカンボジアで、アメリカのバイデン大統領と日米首脳会談を行いました。厳しさを増す安全保障環境に対応するために、日米同盟の抑止力と対処力の一層の強化を図ることで一致しました。

 ただ、気になるのは日米同盟の強化に必要な防衛費の増額についてです。財源問題を含めて、具体的な内容が国民の目に触れるのは、まさにこれから。財務省は財源確保のためには各種の増税も必要になるという方針をすでに示していますが、そこに国民の理解が得られるかは不透明です。

 周囲を中国、ロシア、北朝鮮に囲まれた日本で、国民の多くが総論では防衛力強化は必要と考えても、増税を伴う各論に理解を得るのは容易な仕事ではありません。

 岸田総理の胸中を推し量れば、来年5月19日から21日に自らの地元の広島で開催するG7サミットに向けて外交・安全保障でポイントゲットを重ねて政権の浮揚を図りたいということでしょう。

 しかし、その前に今の臨時国会での補正予算案審議、年明けの通常国会での来年度予算案審議などを乗り越えなくてはなりません。「政権の体力回復」が必須条件で、そのために国民にどう自らの考えを発信していくのか。正念場です。

調査あれこれ 2022年10月17日 (月)

#427 人が太りすぎるのは、怠けているから?

世論調査部(社会調査) 村田ひろ子

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 学生時代に先輩が、「私、太っている人って嫌い。だって、太ってるってことは、自己管理ができていない、ってことでしょ」と言っていました。かすかに違和感を覚えたのは、「太りやすい体質の人もいるし、病気が原因のこともあるだろうし、『太っている=自己管理ができていない』と決めつけるのはどうなの?」と思ったからです。
 それでは、実際のところ、人々は、肥満についてどのように考えているのでしょうか?文研が実施した健康・医療に関する世論調査※1の結果をみると、「人が太りすぎるのは、多くの場合、怠けているからである」という意見について、『そう思う(どちらかといえばを含む)』が32%※2、「どちらともいえない」が32%、『そうは思わない(どちらかといえばを含む)』が31%で、意見が分かれています。

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 『そう思う』と答えた人を男女別にみると、男性が37%で、女性の28%を上回っています。また、男女年層別にみると、男女ともに、若年層ほど回答が多くなる傾向があります。特に男性の40代以下では、半数を超える人が『そう思う』と考えていることがわかります。

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 回答者の体型別でみると、『そう思う』と回答した人は、『標準』の人が34%、『肥満』の人が32%、『やせ型』の人が28%で、回答に差はありませんでした。
 一方、運動習慣の有無別にみると、『そう思う』は、運動をしている人では38%で、運動をしていない人の28%よりも多くなっています。運動をしている人では、「肥満は自己責任」と感じている人が多く、生活習慣によって、健康についての考えが異なることがうかがえます。そういえば、冒頭で紹介した先輩も、毎日のようにプールで泳いでいたっけ...。

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 「放送研究と調査」2022年9月号では、世論調査の結果から、こうした健康をめぐる人々の見方や、医療格差についての意識を分析・報告しています。新型コロナウイルスの感染拡大で、医師や医療制度に対する信頼がどう変わったのかも注目のポイントです。ぜひご一読ください!!


※1 ISSP国際比較調査「健康・医療」・日本の結果 時期:2021年11月3日~12月2日、調査方法:郵送法、調査対象:全国18歳以上の2,400人、調査有効数(率):1,453人(60.5%)
※2 回答結果をまとめる場合は、実数で足し上げて%を計算しているため、単純に%を足し上げた数字と一致しないことがある。