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調査あれこれ 2023年05月24日 (水)

マスク着用 「個人の判断」になってから2か月 その後、どうなった?【研究員の視点】#482

世論調査部(社会調査) 中川和明

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新型コロナウイルスの法律上の位置づけが変更され、社会のさまざまな分野で、コロナの感染拡大前の日常に戻そうという動きが広がっています。
コロナ禍で欠かすことのできないものだった「マスクの着用」についても見直しが行われ、政府は、ことし3月、これまでの方針を変更し、マスクの着用は「個人の判断に委ねる」ことになりました。 

電車に乗っていても、かつては、ほとんどの人がマスクを着けていたのに、今は、外している人がだいぶみられるようになったなと感じている人も多いのではないでしょうか。
また、みなさんご自身も、場所や場面に応じて、マスクを着けたり、外したりするようになったという人も多いのではないかと思います。 

では、どのくらいの人がマスクを着けていて、あるいは外しているのか。まずは、NHKの最新の世論調査の結果からみてみましょう。
NHKが4月と5月に行った固定電話と携帯電話を対象にした世論調査の結果です(図①)。
マスクの着用がことし3月から個人の判断に委ねられるようになった中、マスクの着用をどうしているかを尋ねたところ、5月の調査では、「以前と同じくらい着けている」が55%で、4月の調査より減少した一方、「外すことが増えた」は33%で、4月よりも増えました。
マスクを外すようになったという人が増えていて、世の中の流れに沿った結果と言えるかと思いますが、それでも半数以上の人は「以前と同じくらい着けている」と答えていて、依然、マスクを着けていると答えた人が多くを占めています。

図①  マスクの着用どうしているか?

sheet1_nakagawafix.pngNHK「政治意識月例調査」(2023年4月、5月)

 NHK以外にも、さまざまな報道機関や企業などがマスクの着用に関する調査を行い、その結果も公表されています。
それらの調査をみても、調査時期や質問の仕方などの違いもあって、多少の数値の違いはありますが、おおむね、マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになった後も、多くの人は、マスクの着用を続けているといった結果が報告されています。 

マスクの着用をめぐる意識について、最新のデータではありませんが、NHK放送文化研究所(以下、文研)が2022年11月1日から12月6日にかけて行った「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査(第3回)」の結果をもとに少し考えてみたいと思います。
すでに3月16日に紹介した本サイト(文研ブログ)の中でも取り上げたものですが、改めてその調査結果をみてみます。

 「感染拡大が収束して、屋内や人混みでマスクの着用が求められなくなったとしたら、どうしますか」と尋ねたところ、最も多かったのは、「基本的には外すが、感染拡大前よりは着ける機会を多くする」の47%で、次いで「できるだけ着けたままにする」が27%、「感染拡大が起きる前のように外す」が23%でした(図②)。

図②  着用が求められなくなったときマスクをどうするか?

sheet2_nakagawa.png文研 「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査 (第3回)」
(2022年11月1日~12月6日実施)

 調査時点と今の感染状況や、質問の前提とした政府のマスク推奨の基準が異なりますので、そのまま現在にあてはまるものではありませんが、去年の11月から12月の時点で、多くの人がマスクの着用が求められなくなったとしても、何らかの形でマスクを着けると答えていました。現時点の調査結果ではないとはいえ、多くの人が程度の差はあれ、マスクを着用すると答えていて、現在の状況にも通ずるように思います。

また、この調査では、マスクを着ける、つまり「感染拡大前よりは着ける機会を多くする」と「できるだけ着けたままにする」と答えた人に、その理由を尋ねたところ、「感染対策など衛生上の理由から」が90%、「素顔をさらしたくないなど見た目の理由から」が7%、「その他」が3%となっていて、この結果については、すでに本ブログでも紹介しています。

  本稿では、さらに他のデータなどもみながら、もう少し考えを進めてみたいと思います。
まず、大半の人が挙げた「感染対策など衛生上の理由」というのも、大きな要因のひとつだと思います。
先日、テレビのニュースで、マスクの着用を続けていることについて、「まだ感染するのではないかと不安がある」と答えている人がいました。そうした思いを持っている人も多いと思います。
 実際、文研が行った去年の調査でも、新型コロナの感染拡大を「不安だ」と答えた人、あるいは自分が感染する危険を「身近に感じている」と答えた人では、そう思わないと答えた人より、「感染拡大前よりは着ける機会を多くする」や「できるだけ着けたままにする」と回答した人が多くみられました。
反対に、感染拡大を「不安ではない」、自分が感染する危険を「身近に感じていない」と答えた人では、「不安だ」などと答えた人より、「感染拡大が起きる前のように外す」と答えた人の割合が高く、4割ほどを占めました(図③)。

  図③ 着用が求められなくなったときマスクをどうするか?
 (「コロナの感染拡大に対する不安」「自分が感染する危険」の回答別)

sheet3_nakagawa.png文研 「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査 (第3回)」

 次に、日本人は、まわりの人に流されやすい。あるいは、まわりの人の目を気にすると言われることがあります。
こうした面も影響しているのではないか。そこで、次の結果をみてみたいと思います。
自分がマスクを着用するかどうかについて、他人の目が「気になる」と答えた人、またはマスクを着用していない人が「気になる」と答えた人では、「気にならない」と答えた人より「感染拡大前よりは着ける機会を多くする」と回答した人が多くなっています。
一方、自分がマスクを着用するかどうかについて、他人の目が「気にならない」、またはマスクを着用していない人が「気にならない」と答えた人では、「気になる」と答えた人よりも「感染拡大前のように外す」と答えた人の割合が高くなっていて、特に、マスクを着用していない人が「気にならない」と答えた人では、半数ほどの人が「感染拡大前のように外す」と答えています(図④)。

 図④ 着用が求められなくなったときマスクをどうするか?
(「マスク着用で他人の目が気になるか」「マスクしていない人が気になるか」の回答別)

sheet4_mask.png文研 「新型コロナウイルス感染症に関する世論調査 (第3回)」

  この結果から、マスクの着用を続けているのは、「感染するのではないか」という不安だけでなく、マスクを着けている人が多いから、自分も着けた方がいいか。あるいは、マスクをしていない人を見ると、自分も気になるので、マスクを着けた方がいいかなどと思っている人が多いと考えることができます。

実際、筆者のまわりでも、オフィスでパソコンに向かって仕事をしている時は、マスクを外しているのに、誰かと打ち合わせをする、あるいは、報告や相談をする時には、マスクを着けるということが実際にあるからです。これは、上司や同僚から感染する危険があるというより、「自分がマスクをしていないと、まわりの人は気になるだろうな」などと考え、エチケットあるいはマナーとして、マスクを着けるという判断をしている人が多いのではないかと推察されます。 

 さらに、以前、紹介したように、数は多くありませんが、「素顔をさらしたくないなど見た目の理由から」と答えた人もいて、「今日は、ちょっと顔がはれぼったいな」「なんかちょっと顔が疲れているな」などといった理由でマスクを着ける人もいるのではないでしょうか。

 これに加えて、この3年間、ずっとマスクを着けていたので、マスクをするのが当たり前になっていて、何の抵抗もなく、ある意味、習慣として、マスクを着けてしまうという人もいると思います。

これらの心理を表したものとして、次のデータを紹介したいと思います。
就職や転職などに関する調査や研究を行っている「Job総研」が2023年4月5日から7日にかけて、登録されている調査対象者のうち、20代から50代の仕事をしている人、775人から回答を得たインターネット調査の結果です。注)。
マスクの着用が個人の判断に委ねられた後も、マスクを着用するかどうか尋ねたところ、「状況に関係なく無条件で着用」が4割、「状況に応じて着用の有無を使い分ける」が5割、「状況に関係なく非着用」が1割ほどとなっています。
このうち、非着用以外、つまり個人の判断に委ねられた後でもマスクを着用すると答えた人に、複数回答で、その理由を答えてもらったところ、「習慣化している」、「コロナの感染対策」、「コロナ以外の感染対策」、「まだ着用している人が多いから」、「職場から着用が推奨されている」といった項目が4割程度で上位を占め、そのほかの「マナーとしてしている」が3割、「マスクをしている方が楽」が2割などとなっていて、これといった理由が飛び抜けていることはなく、マスク着ける理由は分散しているようにみえます。

 つまり、マスクを着けるか、外すかの判断は、ひとつの理由に限らず、さまざまな要因がからみあって、ある場面では、マスクを着用している人がいるから、自分もマスクを着けた方がいいと判断し、ある場面では、面倒だし、マスクを着けなくてもいいかと判断しているのではないでしょうか。
そして、その判断基準は、人によって、何に重きを置くのか。それぞれの理由に、どの程度重きを置くのかも変わってくるのではないかと思います。こうしたことが重なり合って、それぞれの人がマスクを着けたり、外したりしているのではないでしょうか。 

では、今後はどうなるのか。
マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになってから2か月がたち、さらに新型コロナの法律上の位置づけが変更された後も、マスクを着けている人が多い現状をみますと、コロナの感染拡大前のように、多くの人がマスクを着けていないという状態に戻るには、しばらく時間がかかるように思います。

その一方で、これから日本は夏を迎え、蒸し暑い時期が訪れます。
外でマスクを着けていると、暑さが増して、汗だくになってしまうという人も多いのではないかと思います。
そうすると、外では外すが、混雑している電車に乗る時は、マスクを着ける。
あるいは、誰とも話をしない時は外しているが、お客様や、上司や同僚など、人と話す時はマスクを着けるといった判断をする人が多くなるのではないかと思います。

そして、マスクを外す人がさらに増えてくれば、自分も外してもいいかなと思う人は多くなると思います。
でも、まだ感染が気になるから、あるいはマスクをしていた方が楽だからといった理由で着ける人もいて、割合を変えながらも、マスクを着けている人と着けていない人が混在した状況がしばらく続くのではないかと思っています。

これからマスクの着用はどうなっていくのか。
私もそうですが、みなさんも、社会の観察者になったつもりでみていくと、興味深いのではないでしょうか。 

文研が2022年11月から12月にかけて行った「新型コロナウイルスに関する世論調査」に関する結果は、「コロナ禍3年 社会にもたらした影響-NHK」で公開しています。ぜひご覧になってみてください。
また、「放送研究と調査 2023年5月号」でも、3年にわたるコロナ禍によって、人々の意識や暮らしがどう変わったかなどについて詳しく紹介しますので、ぜひご覧ください。


※注)Job総研「マスク個人判断後の意識調査」(インターネット調査) https://job-q.me/articles/15030

調査あれこれ 2023年05月23日 (火)

1991年 雲仙普賢岳大火砕流から考える取材の安全【研究員の視点】#481

メディア研究部(メディア動向)中丸憲一

unzen_kasairyu.jpg雲仙普賢岳の火砕流

 1991年6月3日。長崎県の雲仙普賢岳で発生した大火砕流によって、報道関係者を含め43人が犠牲になりました。この大火砕流からまもなく32年になります。今回は、この災害をきっかけにメディアに厳しく問われることになった取材の安全管理について考えます。

【雲仙普賢岳大火砕流とは】
 まず、雲仙普賢岳の活動の推移を振り返ります。(※1)長崎県の雲仙普賢岳は1990年11月に、約200年前の江戸時代以来となる噴火が発生し、火山活動が活発化。山頂付近に溶岩がたまって溶岩ドームが形成され、これが崩落し斜面を高温・高速で流れ下る火砕流が次第に起きるようになりました。
 最初の火砕流が起きたのは、1991年5月24日で、火口から約1km流れ下りました。その2日後の26日に起きた火砕流は約2.5km下まで流れ、その先端は集落の近くにまで達しました。さらに、この日の火砕流では初めてけが人が出て、麓の一部地域に避難勧告が出る事態となりました。この避難勧告エリアには、山頂から4kmほどのところにあった「定点」と呼ばれる報道関係者の撮影ポイントも含まれていました。その約1週間後の6月3日午後4時8分、大火砕流が発生。定点にまで到達し、報道関係者16人と随行していたタクシー運転手4人に加え、消防団員12人、一般人6人、外国人の火山研究者3人、警察官2人が犠牲になりました。報道関係者が多数犠牲になったことに加え、その取材活動に巻き込まれる形で消防団員やタクシー運転手などが命を落としたことから、災害報道のあり方が社会的に厳しく問われることになりました。(※2)

【大惨事の原因は】
 この大惨事は、なぜ起きたのでしょうか。さまざまな文献や特集記事(※3)などからは、原因とみられるポイントが複数、指摘されています。以下に列挙します。

    • ① 火砕流の知識・危機感が不足していたこと。
    • ② 火砕流より土石流への警戒感の方が強かったこと。
    • ③ “迫力ある”火砕流の映像を撮るために各社が競争意識を持っていたこと。
    • ④ 外国人の火山学者が火砕流を撮影するために避難勧告地域に入っていたこと(=専門家がいることによる安心感) 

 このうち①の火砕流については、当時と現在では危険性の認識が全く異なります。現在、気象庁のホームページには火砕流について「時速百km以上、温度は数百℃に達することもある」などと記されていますが、これが知られるようになったのは、まさに雲仙普賢岳の大火砕流が起きたからです。当時は、その危険性はほとんど知られていませんでした。
 さらに筆者は、②と④という事情も加わり、「火砕流はそれほど危険ではないのではないか」という「正常化バイアス」が働いたと想像しています。そこに「隣に人がいる、ほかにも大勢の人がいるから大丈夫」という「同調性バイアス」(※4)も加わって、③の“迫力ある”映像を撮るための競争から「引くに引けない」状況に陥ったのではないかと考えています。

【生かされなかった教訓】
 今回、さまざまな文献を調べる中で、これと状況が似ている事案が大火砕流の前に起きていたことを、別の火山の文献を読んでいて気づきました。北海道の有珠山のホームドクターと呼ばれた北海道大学名誉教授、岡田弘の著作『有珠山 火の山とともに』(以下、同書)です。


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 有珠山では周期的に噴火が起きており、直近の噴火活動は2000年3月下旬から翌2001年9月にかけて続きました。今回注目したのは、その1回前の1977年8月から始まった噴火活動で、ある報道機関がとった行動でした。同書によると、この一連の活動では、規模の大きな噴火が複数回起きています。このうち8月8日午後3時半頃に起きた2回目の噴火(Big2ビッグツー)では、噴煙が1万メートルまで上昇。ふもとの洞爺湖温泉に軽石が降りました。その後、午後11時40分頃に起きた3回目の噴火(Big3ビッグスリー)で、温泉街は噴石の直撃を受け、当時、宿にいた岡田氏は「自分を含め多くの人がこの噴火で死んでしまっていたかもしれなかった」とその恐ろしさについて書いています。実はこの時、新聞社の取材班が洞爺湖温泉のホテルに滞在していました。取材班のキャップは、「Big2」の後、取材班の安全を第一に考えて洞爺湖温泉から一時撤退し、別の場所にある旅館に取材本部を移しました。この結果、その夜に起きる「Big3」に巻き込まれずに済みました。ところが、この行動に対する周囲の受け止めは違っていました。同書には以下のように書かれています。

 この行動が「模範的な先手の防災行動」とたたえられたかといえば、それほど単純な話ではありませんでした。それどころか、「避難命令も出ていないのに逃げ出した記者」として、悪しきバッシングの対象となってしまいます。「長年の間、仲間たちからさえ《敵前逃亡》と言われつづけた」

 しかし、14年後に雲仙普賢岳の大火砕流が起きると、有珠山での一時撤退の評価は一変します。

 それまでは「しっぽ巻いて逃げた」と同僚たちから言われつづけてきたというのに、雲仙岳の災害が起こった途端、手のひらを返したように、「あれはすごい英断だった。ああいう行動がなかったから雲仙岳ではこんなにもたくさんの報道関係者が犠牲になったのだ。ああいうことになるのだ、という想像力が雲仙岳では欠けていたのだ」というふうに変わったそうです。結局、「先手の防災行動」が正しく評価しなおされるためには、雲仙岳の災害を待つ必要があったのでした。

 雲仙普賢岳の大惨事の前に、火砕流でなかったとはいえ、同じ火山災害で安全を最優先に行動していた報道関係者がいたこと。そして、それが長年、正当に評価されず、雲仙普賢岳で生かされなかったという事実は、長く語り継いでいくべきだと考えます。なお、この有珠山の取材班がとった、安全を最優先にする行動は、現在なら、多くの防災研究者が推奨する「率先避難」にあたり、住民の迅速な避難を促す上でも、メディアに求められる姿勢ではないかと筆者は考えています。

【自分自身の苦い経験】
 取材の安全管理をめぐっては、筆者自身にも苦い経験があります。2011年3月の東日本大震災です。当時、私は社会部の災害担当記者で、それ以前に岩手、宮城の放送局での勤務を経験しており、三陸の津波に関して取材を重ねていました。その「原点」ともいえる場所を巨大な津波が襲いました。急いで現地入りした後は、それまでの経験を生かし、被災した人たちや今後の防災に役立つニュースを出したいと、連日、取材を続けていました。
 震災の発生から数日後、宮城県女川町に調査に入った研究者が見せてくれた写真に衝撃を受けました。海に近い中心部のほとんどの建物が破壊され、特にコンクリート製のビルが横倒しになっていました。自分の目を疑いました。当時、コンクリート製のビルは津波に強いとされ、「津波避難ビル」と呼ばれる新たな避難場所として各地で導入されてきました。この写真が示すのは、「津波避難ビル」という考え方そのものを根本的に覆すことではないのか。研究者は翌日も現場に入ると言います。一緒に現地入りすれば、その事実を誰よりも早く伝えられるのではないか。急いで取材前線に戻り、デスクに取材に行かせて欲しいと伝えました。しかし、デスクは首を縦に振らず、現地に入ることを強く希望した私は、デスクと口論になってしまいました。そして次のことばをデスクは投げかけてきました。
 「もしも津波が来たらどこに避難して安全を確保できるのか、今、ここで説明してみろ。安全に取材できて無事に生きて帰って来られることを証明してみろ。それができない限り、絶対に行かせない。」現地は、多くの建物が被害を受け、以前とは変わり果てていて、どこが安全なのかわかりません。しかも通信状況すら不安定だったのです。最終的に取材は断念するしかありませんでした。ただ、今思い返してみても、大きな余震が相次ぎ、津波が再び押し寄せてくるおそれがあった中で、当時のデスクの判断は的確だったと言わざるを得ません。

【変わったこと、変わらないこと】
 雲仙普賢岳の大火砕流や東日本大震災などの大災害を教訓に、メディアの安全管理についての考え方や取材の手法も大きく変わりました。ロボットカメラなどを活用し危険な場所への取材クルーの立ち入りを極力少なくしました。中継などは、高台や頑丈な建物の室内など安全が確保できる場所から行い、その状況も含めてコメントで伝えるようになりました。また、安全管理を専門に見る管理職「安全管理者」が現場で指揮を執るようになっています。さらに、技術革新によって通信機器や撮影機材が進化し、放送局にいながら現地で取材しているクルーの場所や安全性を確認し、次の取材に向かわせることもできるようになってきました。
 ただ、それでも変わらないことがあります。「正常化バイアス」と「同調性バイアス」をどう取り除くかです。いざ現場に立ち会うと、視聴者に訴える力がある情報や映像を伝えたくなります。東日本大震災の取材現場にいた筆者が、まさに感じたことです。あのとき「自分だけは大丈夫」「ほかの社も入っているみたいだから大丈夫」という「正常化バイアス」と「同調性バイアス」から、逃れられていなかったのは間違いありません。
 1冊の本が、そうした人間の弱さや危うさに警鐘を鳴らし続けています。雲仙普賢岳の大火砕流で死亡したNHKカメラマン、矢内万喜男さんの妻、真由美さんが書いた『なぜ、雲仙で死んだの。』そのあとがきに、こう記されています。

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 世の視聴者の「もっと迫力のある映像が見たい、もっと面白いニュースが見たい」という欲求は止まるところを知らない。そんな茶の間の欲求の犠牲になって、ひとりの人間の尊い人生がプツンと打ち切られてしまったとしたら……。私には、近い将来、必ずや同じような惨事が繰り返されるような気がしてならない。見る者の興味がより膨らみ、送り手もその欲求に応えることだけを至上のものと考えるならば、私たちと同じような悲しみを味わう人が、いやもっと酷い仕打ちに遭う人が出るにちがいない。夫たちの死が、現在の過激な報道競争に歯止めをかけ、より具体的な安全対策を講ずるための一助になることを心から願っている。

 32年前に書かれたこの一節に触れるたびに、「安全対策に終わりはない」という思いを強くします。


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 【中丸憲一】
1998年NHK入局。
盛岡局、仙台局、高知局、報道局社会部、災害・気象センターで主に災害や環境の取材・デスク業務を担当。
2022年から放送文化研究所で主任研究員として災害や環境をテーマに研究。

★筆者が書いた、こちらの記事もあわせてお読みください
#473「災害復興法学」が教えてくれたこと
#460 東日本大震災12年「何が変わり、何が変わらないのか」~現地より~
#456「関東大震災100年」 震災の「警鐘」をいかに受け止めるか

メディアの動き 2023年05月22日 (月)

【メディアの動き】北朝鮮ミサイルで初の「日本領土・領海 に落下予測」,その後「可能性なくなる」

4月13日午前7時26分,防衛省は北朝鮮から弾道ミサイルの可能性のあるものが発射されたと発表した。

その約30分後の午前7時55分,政府は,人工衛星を通じて自治体などに緊急に情報を伝えるJアラート=全国瞬時警報システムで「北海道周辺」を対象に,直ちに避難を呼びかける情報を発信。

さらにその1分後の56分には,エムネット=緊急情報ネットワークシステムで,「先ほど発射されたミサイルが午前8時ごろ,北海道周辺に落下するものとみられます。北海道においては直ちに建物の中や地下に避難して下さい」と伝えた。

政府がJアラートとエムネットで情報を発信したのは今回で7回目だが,日本の領土や領海への落下が予測されたのは初めて。

各放送局は臨時ニュースで避難を呼びかけ,北海道では通勤客が地下街に避難するなどの影響が出た。

しかし,政府は午前8時16分,エムネットで「当該ミサイルについては北海道及び,その周辺への落下の可能性がなくなったことが確認されましたので訂正します」と発表した。

これについて同月21日,防衛省は,当初,北海道周辺に落下するおそれがあると探知したのは,結局ミサイル本体ではなく,分離したブースターなどだった可能性があるとする分析結果を公表した。

今回の一連の情報発信をめぐり,岸田総理大臣は同月13日,「国民の安全を最優先する観点から発出し,その後,ミサイルがわが国領域に落下する可能性がなくなったことが確認されたので改めて情報提供を行った。Jアラートの役割を考えれば今回の判断は適切だったと考えている」と述べた。

メディアの動き 2023年05月22日 (月)

【メディアの動き】制作会社側がNHKのBS波削減による制作機会の減少に懸念 

4月24日,総務省が設置する「放送コンテンツの制作・流通の促進に関するワーキンググループ」の第5回会合が行われた。

その中で,全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)は,2024年3月にNHKがBS波を削減することについて,懸念と要望を表明した。

BS波削減によって制作機会が失われることに危機感を抱くATPは,外部制作委託や共同制作の比率のいっそうの拡大,そして適正な制作費の確保と総制作費の開示を求めた。

こうした懸念と要望の背景には,国内の製作会社の収益悪化がある。

ATPの調査によると,総売り上げ10 ~ 20 億円未満の製作会社の86%以上が減益(2021年度)であり,特に小規模な会社の経営状態が悪化しているとみられる。

放送をめぐる環境の悪化に対応するためのさまざまな議論の過程で,放送事業者と番組製作会社の間での,制作委託契約や取引価格,さらには著作権の帰属をめぐるトラブルが顕在化し,法令違反の防止,取り引きの適正化は急務となった。

総務省では,適正な取り引きのためのガイドラインの策定・改訂とともに,製作会社等に対応する無料の法律相談窓口を設けるなど,取り組みを進めている。

しかし,NHKが受信料の値下げを決定し,民放各局も番組制作費の削減が相次ぐ中,さらなるしわ寄せが立場の弱い製作会社に及ぶおそれもある。

放送業界がこの悪循環を断たなければ「良質で魅力ある放送コンテンツの製作・流通を促進」することは期待できず,Netflixなど外国資本の動画配信サービスの伸張を止めることは困難であろう。

メディアの動き 2023年05月22日 (月)

【メディアの動き】石川県の馳浩知事が定例会見開かず 地元テレビ局とのトラブルが発端

石川県の馳浩知事が,これまで月に1回のペースで開いていた定例の記者会見について,3月に続き4月も開かないという異例の事態が続いている。

馳知事は,2022年10月に全国公開されたドキュメンタリー映画『裸のムラ』(石川テレビ製作)で,県職員の映像が無断で使用されたと主張。

石川テレビの社長に定例記者会見への出席を求め,その場で議論したいという意向を示した。

これに対し,石川テレビは「肖像権侵害にはあたらず,当社が主催する記者会見以外に社長が出席することはない」として応じない考えで,両者の言い分が相容れないまま,定例会見が開かれていない。

一方で,新年度の抱負を述べた4月4日の臨時記者会見など,4月に3度の会見に臨み,その場で,記者がなぜ定例会見を開催しないのかを知事にただすという状況が続いている。

2022年3月に初当選した馳知事は,定例記者会見の実施を知事選で公約の1つに掲げていた。

今回の事態について,新聞労連や民放労連などで作る日本マスコミ文化情報労組会議は同月21日,声明を発表し,「そもそも記者会見は県民に向けて行われるもの」としたうえで,「『定期的に開催する』と知事選で公約した会見の機会を一方的に閉ざすのは,県民の『知る権利』を侵害する行為そのものだ」と非難し,早急に定例記者会見を再開するよう求めた。

またメディア側に対しても「当の石川テレビをはじめ,県内の各放送局はこの問題をあまり報じていない」などと指摘し,「報道機関は一致して事態の打開に向けて行動すべきだ」として奮起を促した。     

メディアの動き 2023年05月21日 (日)

【メディアの動き】SNS時代の先駆け Buzzfeed News閉鎖

SNSを活用するデジタルニュースの先駆けとなった,アメリカのBuzzFeed News編集部の閉鎖が決まった。

BuzzFeed社のジョナ・ペレッティCEOが4月20日,社員に宛てたメモで伝えた。

同氏は,厳しい経済環境やSNSプラットフォームの運用・利用の変化などを要因として挙げ,報道は,SNS依存度が低く忠実な読者がいて黒字のHUFFPOSTで継続すると述べた。

BuzzFeed Newsは,2006年創業のデジタルメディアBuzzFeed社の報道部門として2012年に出発した。

「このドレスは何色?」など話題や笑いを誘う記事を無料で配信し,FacebookやTwitterなどSNSの利用者間の共有で閲覧数を伸ばした。

一時は既存メディアを脅かす存在ともいわれ,各社のデジタル展開のモデルともなった。

調査報道も行い,2021年には中国・新疆ウイグル自治区のイスラム教徒収容所建設の報道でピュリツァー賞を受賞した。

BuzzFeed社は2015年に時価15億ドル(約2,000 億円)とも評価されたが,Facebookがアルゴリズムを変えてニュース記事配信の優先度を下げたことなどが影響し,閲覧数が激減。

広告収入も減って赤字が膨らみ,2021年末の株式公開後はIT不況もあって株価が大幅に下落し,株主からコスト削減を迫られていた。

BuzzFeed News編集長を2020年まで務めたベン・スミス氏は,SNSを紙面代わりに活用したデジタルニュースメディアの時代が終わったと述べ,New York Timesはベンチャー投資がデジタルメディアの成長を牽引した時代の終章だと伝えた。

アメリカではデジタル時代のベンチャーメディアの代表格ViceやVOXも厳しい経営状況に直面している。 

メディアの動き 2023年05月20日 (土)

【メディアの動き】ChatGPT対応で専門の作業部会を設置へ,EUデータ保護会議

EU(ヨーロッパ連合)加盟各国のデータ保護当局などで構成される「欧州データ保護会議」(EDPB)は4月13日,アメリカのベンチャー企業OpenAIが開発した対話式の生成AI,ChatGPTについて,専門の作業部会を設置すると発表した。

EDPBは,イタリアのデータ保護を担当する当局によるChatGPTに対する3月の禁止措置について協議したうえで,当局間で情報を交換し,協力して対応にあたるため,専門の作業部会の設置を決めたとしている。

イタリアでは3月31日,ChatGPTによる膨大な個人データの収集などが,個人情報の保護に関する法律に違反している疑いがあるとして,データ保護を担当する当局が,一時的に使用を禁止すると発表した。

ロイター通信によると,ChatGPTの使用禁止は欧米ではイタリアが初めてだ。

またある当局筋の話として,今回の作業部会設置は,ChatGPTを開発したOpenAIに影響のある処罰や規則の設置ではなく,透明性のある一般的な政策の策定が目的だとしている。

EU域内では,スペインやフランスで,データ保護機関が,ChatGPTにデータ保護違反がないか,調査を開始している。

ドイツでは,ジャーナリストも含む43の著作者団体が,ChatGPTの著作権侵害などへの脅威に対し,EUで審議中のAI規制法案の強化を求める動きなどがあるほか,生成AIで作成された架空の記事で,週刊誌編集長が解雇されるという問題も起きている。

イタリアでは4月28日,対策が講じられたことを受け,ChatGPTの禁止措置は解除されたが,当局は引き続き欧州データ保護規制の順守を求めている。

メディアの動き 2023年05月19日 (金)

【メディアの動き】韓国,KBS受信料の徴収方法を変更へ

韓国の大統領室は,公共放送KBSの受信料の徴収方法を変更することを決定し,今後,具体的な手続きを検討することになった。

KBSの受信料は,放送法により「テレビ受像機を所持している者」に支払い義務があり,1994 年からは,韓国電力が電気料金とともに徴収している。

ただ,放送を見ていなくても受信料の支払いが必要となるため,「視聴者の選択権を制限する不合理な制度ではないか」という声があり,大統領室では3月9日から1か月間,国民から賛否の意見を募集していた。

6万件弱の回答の結果は,分離徴収についての賛成意見が96.5%だった。

大統領室関係者は結果について,「国民の意思に従い,確実に制度を見直す」と述べている。

具体的には,韓国電力の受信料徴収業務を規定している放送法施行令の見直しが検討されている。

あわせて,規制監督機関の放送通信委員会も,受信料徴収制度の改善に向けた検討を進めることになった。

KBSは,分離徴収となれば受信料収入は半分以下に減り,徴収費用は2 倍以上に増えると予測している。

また,「国際放送,障害者向け放送,クラシック音楽放送などの公共サービスが縮小される」との懸念を示している。

野党の「共に民主党」も,「受信料を武器に公共放送を支配しようとしている」と政府を批判している。

KBSは40 年以上据え置かれた受信料の引き上げを求めており,2022 年10月には野党が放送法改正案を国会に提出していた。

そのさなかに分離徴収の議論が巻き起こったことで,公共メディアの将来像にいっそう注目が集まっている。

メディアの動き 2023年05月19日 (金)

【メディアの動き】英BBCシャープ理事長が辞任を表明

イギリスの公共放送BBCのシャープ理事長は,選任のプロセスで規定違反があったとの調査報告が出たことを受けて,辞任を表明した。

与党・保守党の大口献金者であるシャープ理事長は,旧知であるジョンソン首相(当時)のローンの保証人の手配に関与していたことが 1月に明らかになり,監督機関による調査が進められていた。

4月28日に公表された報告書は,シャープ氏がジョンソン氏に対し,理事長職に応募する意思があることや,ローンの保証人に名乗り出ている知人を内閣官房長に紹介することを事前に伝えていながら,選任にあたって当局に申告しなかったことは問題だとした。

また,シャープ氏が,任命権者であるジョンソン氏を支援したことが有利に働いたという印象を与える危険性があり,事実を申告しなかったことは規定違反にあたるとした。

また報告書はメディアに対し,政府が有力候補の氏名をリークすることで,ほかの候補者が応募を見送っている可能性を指摘し,候補者の多様性を損なうこうした行為も禁止するよう求めた。

報告書の公表を受けてシャープ氏は同日,「報告書は,違反は不注意によるものであり,任命を無効にするものでないとしている」としながらも,「BBCの利益を優先すべきだ。私が居続ければ,局のよい仕事に関心が向けられなくなる」と述べ,辞任を表明した。

BBC 理事会の要請によりシャープ氏は6月末まで職にとどまり,その後,政府による公募で新しい理事長が選出されるまで,理事から選ばれる暫定理事長が任務を行う見通し。

BBCのデイビー会長は「2 年の在職中,BBCの変革と成功に多大な貢献をした」と謝意を示した。

メディアの動き 2023年05月18日 (木)

NHKを巡る政策議論の最新動向①受信料制度 何が議論されているのか?【研究員の視点】#480

メディア研究部(メディア動向)村上圭子

はじめに

 総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会1) (以下、在り方検)」ではいま、NHKの将来像に関する議論が続けられています。直近の会合(公共放送ワーキンググループ、以下WG)2) では、受信料制度について踏み込んだ議論が行われました。このWGの後、「NHK受信料、スマホ所持でも徴収へ。有識者会議の意見一致」という内容がツイッターに投稿され、リツイートは約1.4万件、表示回数は2,300万回を超えています3) 。しかし、これはWGで議論されている内容とは大きく異なるものでした。実際にどんな議論だったのかは後述しますが、WGを傍聴していた私はとても驚きました。5月9日、オンライン上の情報のファクトチェック(事実の検証)を専門とする非営利組織「日本ファクトチェックセンター4) 」は、総務省にも問い合わせた上でこの内容は誤りであると発表しています5)

 現在の受信料制度は、テレビなど放送を受信できる設備を設置してNHKの放送を受信することができる環境にある世帯や事業者が、NHKと契約を締結し受信料を負担する義務を負うという制度です。逆にいえば、放送を受信できる設備を設置していない世帯や事業者には、受信料を負担する義務はない制度であるともいえます。WGでは、テレビを設置せずにパソコンやスマートフォン(以下、スマホ)を使ってインターネット(以下、ネット)経由でニュースやコンテンツに接触する人が増えていく中、NHKのネット活用業務や受信料制度は今後どうすべきかを中心に議論が行われています。
 こうした議論が行われていると聞くと、パソコンやスマホを持っているだけで受信料を払わなければならなくなるのか?とか、日本も受信設備の有無にかかわらず全世帯が負担するドイツのような制度6)になっていくのか?といった疑念や不安を抱かれる方もいると思います。また、国民・視聴者の負担をうんぬんする前に、NHKの業務内容や役割を見直す議論は十分行われているのか、という批判もあります。今回、誤った投稿が拡散してしまった背景には、こうした国民・視聴者の潜在的な疑念、不安、批判などがあったのではないかと推察しています。

 私は去年9月から始まったWGを全て傍聴していますが、丁寧かつ慎重な議論が行われていると感じてきました。一方で、専門性の高い論点が複雑に入り組んでいるため、議論の枠組みそのものがどこまで国民・視聴者に理解されているのか、また、議論の内容を報じるマスメディアが、当事者であるNHKだったり、そしてNHKと競争関係にあるという別な意味での当事者と言える民放や新聞だったりすることにより、議論の内容がどこまで客観的に伝わっているのか、懸念しています。
 文研ブログではこれまで、WGの第4回までの議論をフォローして整理してきました7)。文研はNHKの一組織ではありますが、メディア全体の動向をできるだけ俯瞰した上で今後を展望するという役割を担っています。NHKや受信料制度の今後というテーマについても例外ではなく、むしろより一層、その役割が問われるのではないかと私は考えます。第5回から直近の第7回までの会合では、今後のNHKや受信料制度に関する非常に重要な論点が議論されています。今回からこの3回分の議論をいくつかに分けて整理し、私なりにその意味を考えていきたいと思います。なお、議論を整理するにあたり、構成員の発言については、文脈をわかりやすく伝えるため、逐語的な引用ではなく私の解釈も含めて要約していることをあらかじめお断りしておきます。

1.議論の全体像

 図1はWGの資料と議事要旨 などをもとに8)、3回分の論点を簡略化してまとめたものです。①ネット時代における公共放送の役割、②ネット活用業務を中心としたNHKの業務範囲、③民間事業者(民放・新聞)との競争ルール、④財源・受信料制度、の順番で議論が行われてきました。これまでの議論の中で、構成員の意見がおおむね一致している論点もいくつかありますが、まだ議論が結論に至っているわけではありません。NHKには今後、これらの議論を受ける形で何らかの報告を行うことが求められていますし、また民放連からはWGの議論の進め方に対して、意見と10項目以上の質問9)が提出されています。こうした事業者サイドの意見や要望を踏まえ、WGでは改めてそれぞれの論点を振り返りながら再度議論を行い、夏頃にとりまとめを行うというスケジュールが想定されています。

<図1>

sheet1_fix2_murakami.png 本ブログではまず、直近の第7回の論点である④財源・受信料制度の議論について整理します。その上で、次回以降①~③の議論にさかのぼり、積み残されている課題を提示していきたいと思います。

2.提示された4方式→日本は引き続き受信料方式で合意

 2022年、フランスで受信料制度が廃止となりました。NHK職員の私にとっては衝撃的なニュースでしたが、一般にはどのくらいの方がご存じでしょうか。制度廃止後のフランスでは現在、2年間の暫定措置として付加価値税で公共放送の財源が賄われています。
 しかし、こうした受信料廃止の動きはフランスだけではありません。ヨーロッパでは2010年代から受信料制度を廃止する国が相次いでおり、フィンランド(2012年廃止)、スウェーデン(2019年廃止)、ノルウェー(2020年廃止)の公共放送は、いずれも税方式に切り替える形で運営が行われています。
 税方式の他、広告方式を採用している国も少なくありません。国によって様々な制限がかけられているものの、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、韓国などの公共放送のチャンネルでは広告が流れているのです。文研が毎年発行している「NHKデータブック世界の放送 2023」によれば、公共放送もしくは国営放送のある56か国中40か国で、何らかの広告方式が採用されてます10)。ただし、その大半は広告収入単独ではなく、広告方式と受信料方式、もしくは広告方式と税方式のハイブリッドでの運営となっています。
 このように、国内だけを見ていると公共放送と受信料制度は切っても切り離せない関係にあると捉えがちですが、海外では多様な形態がとられており、制度も大きく変化していることがわかります。

 さて、ここからがWGの議論についてです。WGではこうした海外の状況を踏まえ、日本における今後の公共放送の財源として受信料収入以外の方式が考えられるかどうかという論点が示され、視聴料収入、広告収入、税収入の方式が紹介され、その上で議論が行われました(図2)。

<図211)

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 議論では、全ての構成員から、日本は今後も受信料収入による方式を続けるべき、という意見が出されました。理由として、公共放送は特定の個人や団体の支配や影響を受けないことが重要とか、広告主や国家権力のほうを向かない安定的で自律的な言論情報機関として維持されることが大事、といったコメントが多くみられました。これらの内容と同趣旨の内容を示した、2017年の最高裁判決の内容12) を再確認する発言も複数ありました。また、宍戸常寿構成員は、現在の制度は、人々がテレビを持たないことで放送の受信者共同体に入らないという自由を確保することにつながっているとした上で、多様なメディアが多元的に活動する今の日本の状況においては、その自由を国家が認めないと判断しなければ、健全な言論空間が確保できない状況ではないと述べ、受信料制度の維持を強調しました。
 ただ、議論の中で、広告方式については、民放と競合しない国際放送に限り、検討の余地があるのではないか、との意見もありました。ちなみにイギリスのBBCは、国内での広告放送を禁じられていますが、海外では実施されています。また、NHKが広告放送を行うことを禁止する放送法13) の内容を厳密に解釈するがあまり、外部の動画サイト等にNHKのコンテンツを提供することが制約される事態が生じてしまうのであれば、見直しを検討していくことも必要では、との意見が複数ありました。

 視聴料(サブスクリプション)方式についても触れておきます。昨今、NHKの受信料を巡る国会審議やネット上の発言などでは、「スクランブル化14)」という言葉が用いられることが少なくありませんが、こちらの方式と同義です。WG事務局の報告では、この方式を採用している国の紹介がありませんでしたので、私のほうで、文研の海外メディア担当の研究員に聞いてみたり、改めて「データブック世界の放送」で調べたりしました。あくまでその範囲ではありますが、この方式を採用している国は見当たりませんでした。
 議論では3人の構成員から、この方式について、契約している人たちに向けて番組を作ることになることは公共放送にはなじまない、対価を支払う意思を表明する人が増えるようにコンテンツを提供するようになると公共放送の趣旨に沿わない、といった意見が出されました。それ以外の構成員からは特段の言及はありませんでしたが、日本においてもこの方式は取り得ないという前提で議論は進行していたように思います。
 なお、イギリスでは現在、受信許可料見直しに向けた議論が行われており、様々な費用負担方式を検討する中に、この視聴料(サブスクリプション)方式も入っています。WG事務局の資料15)によると、イギリスの上院通信・デジタル委員会がまとめたリポートには、この方式のみでの運営は、「収入が不足する上、国民の必要な情報へのアクセスに不公平な障壁を生むことになるため、推奨できない」と記されています。ただ、ハイブリッド(コアコンテンツを公的資金で、その他をサブスクリプションで運営する)方式については、「値上げなしに必要なサービスへのアクセスを担保できるが、“コア”の範囲などを精査して検討すべき」となっています。今後の日本の議論においても、費用負担のあり方を総論ではなく各論で整理していく際には、こうしたイギリスの議論の内容は大いに参考になると思いますので、引き続き、日本の議論と照らし合わせながら注目していきます。

3.テレビ非設置者の負担の在り方は?→アプリのインストールだけでなく意思の表明が前提に

 次にWG事務局が示した論点は、テレビを設置していない者に対しても、今後、何らかの受信料負担を求めるべきかどうか、というものでした。これが、冒頭に触れたSNS上の誤った投稿に関する論点です。実際はどういう議論だったのか、詳しくみていきます。
 
 まず、注意が必要なのは、この論点には、NHKが現在は任意業務で実施しているネット活用業務を必須業務化する場合、という前提があることです。このことについて少し説明しておきます。
 現在、放送法で定められているNHKの必須業務、つまり「実施しなければならない」業務は、国内放送、国際放送、放送に関する研究開発等の3つです。一方、ネット活用業務は任意業務、「実施することができる」業務です。そのため、NHKは毎年、どんな内容でどのくらいの予算を使うのかなどが記された実施基準を作成し、総務大臣に申請、認可を得なければなりません。中でも受信料を活用する業務の内容と規模については様々な認可要件があり、過大な費用にならないよう、現在は年間200億円を上限に業務が行われています。
 この上限200億円の受信料財源を負担しているのは、テレビを設置してNHKと受信契約を締結している視聴者です。そのこともあって、現在NHKが提供している地上放送の同時・見逃し配信の「NHKプラス」については、受信契約を締結している視聴者のみが利用できるサービスとなっているのです。

 こうして任意業務として行われてきたネット活用業務ですが、なぜ必須業務化が必要なのでしょうか。WG事務局からは、若者のテレビ離れや、ネット上でフェイクニュース、フィルターバブルなどの課題がある中、NHKはテレビだけでなくネットを通じても信頼ある情報を視聴者に届ける役割を担うべきであり、その役割に資する業務は「実施しなければならない」業務とすべきでは、との論点が提起されました。NHKも同様の認識を示し、テレビを設置しておらず「NHKプラス」を視聴できない人たちから、視聴を求める声があるという報告も行っています。こうした事務局の提起とNHKの認識を受けてWGで議論が進められ、これまでのところ、構成員たちからは必須業務化に対しおおむね賛成の意見が述べられてきました16)

 前提の説明が長くなりました。改めて確認しますと、もしもNHKのネット活用業務を必須業務化し、その業務を受信料収入で行うとなった場合、(これまで受信料を負担してこなかった)テレビを設置していない人たちの負担はどうあるべきか、というのが論点です。事務局からは参考情報として海外の下記の3例が示された上で議論が行われました(図3)。

<図317)> 

  • 1)  全ての者(世帯・事業所)が運営費用を負担<ドイツ型>
  • 2)  パソコンやスマホなどを保有する者が負担<かつてのドイツ型>
  • 3)  パソコンやスマホなどを保有し、公共放送を視聴できるアプリ・ サービスを利用しようとする者が負担<イギリス型>

 先に結論を言ってしまうと、SNS上の誤った投稿が拡散された、パソコンやスマホなどを保有する者(世帯・事業所)が受信料を負担しなければならないという、2)のモデルに賛同した構成員は1人もいませんでした。そして、大半の構成員が選択したのは、3)のイギリス型でした。ただ、1)の考えに近いとする構成員も2人いました。まず、3)の意見から整理しておきます。
 3)に賛同する構成員の多くが指摘したのが、チューナーで放送波を受信する専用機18)であるテレビと、ネットに接続する汎用機であるパソコン・スマホは等価ではない、ということでした。そのため、パソコンやスマホを持っているだけでは負担の義務が発生するということにはならず、さらにアプリをインストールするという行為をもってしても要件としては不十分ではないか、という意見が大半を占めました。インストール後、利用を開始するのに必要となる個人情報の入力や約款への同意など、より積極的に“アプリを使用する意思の表明”があってはじめて、“公共放送を受信できる環境にある”とみなされ、受信料を負担する義務が発生するのではないか、この方向に議論は収れんしていったと感じました。

 一方、1)のドイツ型に近いとする考えを示した2人のうちの1人、大谷和子構成員は、NHKを直接視聴していなくても、人々は何らかの形でNHKのコンテンツからの利便を受けていると考えられることから、本来望ましいのは全世帯が受信端末の保有の有無にかかわらず幅広く受信料を負担するべきではないかとの考えを示しました。ただ、この方式はこれまでの国内政策との連続性を欠くという認識も同時に述べ、個人的な思いはあまり強調しないようにしたいとして、3)への賛意を示しました。
 もう1人は内山隆構成員です。内山氏は、自らはドイツ型に近い考えであるとした上で、多様性・多元性の促進につながるような採算性の乏しいマイナーな内容が供給過小・断絶にならないために、伝送路を問わずNHKのコンテンツを届けられるようにすべきであること、またNHKは、いまは見ていなくても将来に必要とされる、いわゆる“オプション価値19)”的な存在であるとして、近視眼的に受益者と費用負担をつなげるべきではない、という意見を述べていました。

4.議論を通じて感じていること

 ここまでWGの第7回の議論を私なりに整理してまとめてきましたが、最後に傍聴して感じたことをいくつか述べておきます。

 各国で公共放送の財源を巡る制度改正や議論がある中、日本にとっての唯一の選択肢は受信料収入方式であることが改めて確認されたというのは前述のとおりです。しかし、構成員の1人がいみじくも発言していましたが、日本では視聴料、広告、税金の方式はとれない、だから受信料であるといった消去法的な議論に感じられた部分が気になりました。WGのような場で有識者が論理的に議論する法制度のあるべき姿と、負担の当事者となる国民・視聴者の納得感とのかい離は、もはや見過ごせないほどの状況になっていると感じています。国民・視聴者の中には、海外でも今のところ実際されていないとみられる視聴料(サブスクリプション)方式に対して、賛意もしくは関心を示しているということがその現実を表しています。こうした中、消去法ではなく積極的に受信料収入方式を選び取ってもらえるような状況を作り出していくのは、法制度の議論ではなく、公共放送NHK自身の取り組みにあると改めて感じました。

 NHK自身の取り組みが問われている、という点でもう1つ言及しておきたいことがあります。私には、WGの議論当初から疑問を感じていることがありました。それは、仮に制度改正がなされたとして、パソコン・スマホのみであってもNHKの番組を視聴したいという意思を持ち、受信料を負担してもいいと考える人たちは一体どのくらいいるのだろうか、ひいては、ネット活用業務の必須業務化という制度改正を行っても、受信料収入の安定化にどれだけ実効性があるのか、という疑問です。
 WGでは山本隆司構成員から、NHKがネット活用業務にも受信料制度を導入する際には、理解を徐々に得るように努めるプロセスを経るべきであり、視聴者の意思の介在を強く求める考えが適切ではないかという意見が示されました。それを聞き、感じてきた疑問が解消されると同時に、2015年からNHKが標ぼうしてきた公共メディアの具体的な姿がシビアに問われる時代がいよいよ来るのだと思いました。つまり、仮にパソコン・スマホのみでNHKを視聴する人にも“放送の受信者共同体”を支える一員となってもらうためには、テレビ設置者以上にNHK側の説明責任と、納得感を得られるような対話の場が必要となってきます。それができなければ、今後一層テレビ離れが進む中、受信料収入は安定するどころかこれまで以上に厳しい状況に陥っていくことは目に見えています。海外の状況、テクノロジーの進化、視聴者のメディア接触の状況、さらに在り方検で再三指摘されているデジタル情報空間の課題などを鑑みると、全世帯が何らかの形で等しく負担して公共放送を支えるモデルが合理的なようにも映ります。しかし、NHK側の姿勢が問われることなしに、そして国民・視聴者からの信頼なしに、日本においてはこうした議論は成立しない、そのことをこれまでのWGの議論はNHKに突きつけているともいえます。議論の傍聴を通じ、NHKの一職員としてもそのことを深く自覚しました。

 これまでの議論で十分に深まっていないと思われる論点についても指摘しておきます。
 第7回のWGの議論では、放送同時・見逃し配信であるNHKプラスが受信料負担の対象となるという想定で議論が行われていたように思います。ただ、現在のNHKプラスは一般の通信回線を使って提供するサービスであるため、30秒程度の遅れがあります。著作権や配信権などの関係で配信不可の番組や映像も存在し、画面には視聴できない旨を記す画面(通称”ふた”と呼ばれる)が表示され、視聴することができません。テレビのように録画機能を付加することもできません。そしてなによりNHKの単独サービスであり、アプリをインストールしても、テレビのようにNHKと共に民放の番組を視聴することはできません。つまり、放送波を受信するテレビよりも、提供されるサービスは劣る部分が多いのです。内山氏からは、NHKから受ける将来の便益を考慮しながら、その差に対しては価格面で配慮する、いわゆる“第三種価格差別20)”という考え方が理論上考えられるのではないかとの意見が述べられていました。こうした便益による価格差を考慮していくのか、それとも視聴の意思を示した段階で、テレビより劣るサービスが提供されるということを了解したとみなすのか。議論はまだ十分に深められていません。

 そして、こうした視聴者目線の論点とワンセットで考えていかなければならないのが、放送の同時・見逃し配信を放送法上どのような位置づけとするのかです。現在、放送に課されているユニバーサルサービス義務や、様々な規律についてどう考えていくのか。この論点は、在り方検の別な会合21)で検討が行われている、放送局で整備・維持するコストが割高なミニサテ・小規模中継局エリアの放送ネットワークをブロードバンド網で代替していくという施策にも通じるものです。この論点を、あくまでNHK単独で捉えていくのか、それとも、放送全体として捉えていくのか。
 これまで在り方検では、NHKについてはネット活用業務の必須業務化と受信料制度という観点から、ブロードバンド代替は放送局のコスト削減という観点から、それぞれ部分的に議論されています。しかし、在り方検も開始してもう1年半になろうとしています。通信と放送を一体の伝送路として捉えていく伝送路ニュートラル、経路独立といった考えが議論でも頻繁に示されている中で、本質的で統合的な議論を期待したいと思います。

 最後に、次回のブログにつながる論点を書いておきます。在り方検の問題意識として、喫緊の課題としてあげられているのは、デジタル情報空間におけるインフォメーションヘルスの確保です。NHKのネット展開には、日頃テレビを視聴しない人たち、もしくはテレビを設置していない人たちへの対応も期待されています。今後、仮にNHKプラスが制度的に視聴可能になったとして、それを能動的に視聴しようと考えないであろう人たちに対しても、何らかの便益を提供することが求められている、むしろそこをどうするかを、NHKも含めたメディア全体で考えることこそが、デジタル情報空間の課題を考える上では重要な論点だと私は考えています。

 NHKは現在、ネットサービスにおいて、課金モデルのNHKオンデマンドの他、今回述べてきた放送同時・見逃し配信であるNHKプラス、そして、テレビを設置しているいないにかかわらず、広く情報や番組の内容が届けられるよう、「NHKニュース・防災アプリ」の提供や「理解増進情報」という形で、ネットユーザーに見てもらいやすいコンテンツの開発・提供に取り組んでいます。こうした、受信料を負担しない人たちも含めた社会全体に対する便益を、受信料収入を使ってどこまで提供していくべきなのか(図4)。そのサービスは必須業務なのか任意業務のままでの実施なのか。民放や新聞など民間事業者との関係はどうあるべきなのか。
 次回のブログでは、WGの第5回、第6回の議論を整理しながら考えていきたいと思います。

<図4>

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  •   1.「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」
       https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_hososeido/index.html
  •   2. 総務省・在り方検 公共放送WG第7回(2023年4月27日)
          https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/digital_hososeido/02ryutsu07_04000369.html
  •   3. 2023年5月9日現在
  •   4. https://factcheckcenter.jp/
  •   5. https://factcheckcenter.jp/n/n0f5b0ae12e5c
       また、メディアコンサルタントの境治氏は、SNSで誤情報が投稿された背景に対する分析をニュースレターに記している
          https://sakaiosamu.theletter.jp/posts/094bf610-eed1-11ed-ae01-1919e8d2cb52
  •   6. ドイツでは2013年に受信機の有無にかかわらず、全世帯から徴収を行う「放送負担金制度」が導入されている
  •   7.「これからの“放送”はどこに向かうのか?Vol.9」(『放送研究と調査』2023年3月号)では、公共放送WGの第4回までの議論を整理している
           https://www.nhk.or.jp/bunken/research/domestic/pdf/20230301_7.pdf
  •   8. 第7回は執筆時に議事要旨が公開されていなかったので、筆者自身のメモを参照
  •   9. 「NHKインターネット活用業務の検討に対する民放連の見解と質問」(2023年4月27日)https://www.soumu.go.jp/main_content/000878381.pdf
  • 10. 「NHKデータブック世界の放送 2023」https://www.nhk.or.jp/bunken/book/world/2023.html
  • 11.  総務省・在り方検 公共放送WG第7回事務局資料(2023年4月27日)P2より引用
  • 12.  最高裁判決(2017年12月)「NHKの事業運営の財源を受信料によって賄う仕組みは、特定の個人、団体又は国家機関等から財政面での支配や影響がNHKに及ばないようにし、現実にNHKの放送を受信するか 否かを問わず、受信設備を設置することによりNHKの放送を受信することのできる環境にある者に広く公平に負担を求めることによって、NHKがそれらの者ら全体により支えられる事業体であるべきことを示すもの。」
  • 13. 放送法第83条(広告放送の禁止)「協会は、他人の営業に関する広告を放送してはならない。」
  • 14. 放送電波を暗号化し、解読する装置がないとテレビを見られないようにすること
  • 15. https://www.soumu.go.jp/main_content/000880474.pdf P7-8
  • 16. 民放連、日本新聞協会からは必須業務化について異を唱える意見が出ており、すでに民放連からは第7回で意見書が提出されている。今後再度検討される予定
  • 17. 総務省・在り方検 公共放送WG第7回事務局資料 P16を参考に筆者が作成
  • 18. 現在はネットに接続可能なテレビ(コネクテッドTV)が主流であるため、厳密には専用端末とはいえないが、チューナー内蔵(外付けも含む)という点で、パソコンやスマホとは異なる
  • 19. 将来利用可能性を保持することから発生する価値のこと
  • 20. 年齢や性別等、消費者の特性によって異なった価格付けを行うこと。学割やシルバー割引、レディースデー割引など
  • 21. 総務省・在り方検「小規模中継局等のブロードバンド等による代替に関する作業チーム」https://www.soumu.go.jp/main_content/000795321.pdf

 

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村上圭子
報道局でディレクターとして『NHKスペシャル』『クローズアップ現代』等を担当後、ラジオセンターを経て2010年から現職。 インターネット時代のテレビ・放送の存在意義、地域メディアの今後、自治体の災害情報伝達について取材・研究を進める。民放とNHK、新聞と放送、通信と放送、マスメディアとネットメディア、都市と地方等の架橋となるような問題提起を行っていきたいと考えている。