文研ブログ

文研フォーラム 2021年02月10日 (水)

#306 ⽂研フォーラム 「"自分快適化装置"としてのメディア」は3⽉3⽇午後3時︕︕

世論調査部(視調者調査) 斉藤孝信


 初のリモート開催となる「文研フォーラム」。その初日、3月3日午後3時からは「“自分快適化装置” としてのメディア」と題して、世論調査部が去年秋に開始した新調査「全国メディア意識世論調査・2020」の結果報告を中心に、人々が現在の多様なメディアやサービスをどのように利用し、どのような意識を持っているのかを考えます。
 私たちが注目したのは、調査相手の中で一番若い16歳から29歳の若年層。とにかく、動画やSNSといったインターネットをよく使い、しかも高く評価しているんです。どうしてインターネットが重宝されるのか。今回は調査結果に加え、20代男女3人にご協力いただき、日常生活の観察やインタビューでも実態に迫ります。

 さて、タイトルの「快適化装置」。
 念のため、くれぐれも、「テレビからリラックス効果のある匂いが出てくる」とか「スマホが勝手に肩をもんでくれる」とか、そういうことではありません(さすがにそんな想像をした方はいらっしゃらないですかね……)。
 でも考えてみれば、一昔前には、現在のように「テレビやスマートスピーカーに向かって、好きな俳優の名前を言えば、オススメの出演作を探して再生してくれる」などということはSF映画くらいでしか見たことがなかったわけですから、将来的にはあながちありえなくもないかもしれません。(無意味な冗談のようで恐縮ですが、じつは動画サービスの「検索」「オススメ・関連動画」機能も、今回のお話の重要な要素なのです)。

 話を戻しますと、じつはこのキーワードは、2001年に「放送研究と調査」に掲載された論考「“時間快適化装置”としてのテレビ」からヒントを得ました。当時の分析者は、テレビの娯楽・バラエティに対する意識を調査する中で、人々が、「楽しい気分になりたい、笑いたい」(主体的)、「退屈しのぎをしたい、らくに、つまらなさを紛らせたい」(受け身的)
といった要素で、自分の時間を快適にしてくれることを、テレビに期待しているのだと明らかにしたのです。

 それから20年。今回、このキーワードに注目したのは、「全国メディア意識世論調査」や若者たちへの取材を通じて、現在の若者たちが、多様なメディアを駆使して、見たい物を、見たい時に、見たい方法で楽しみ、心地よい人間関係の構築までしている、つまり“自分快適化”を実現している姿が浮かび上がってきたからなんです。
 調査は昨年末に終了し、現在鋭意分析している真っ最中で、もちろんこのフォーラムが、結果を皆様にご報告する最初の機会になります。たくさんの⽅にご参加いただければ幸いです。お申込み、お待ちしております︕

※なお、『放送研究と調査』2⽉号では、「全国メディア意識世論調査」を始めるに至った私たちの問題意識や、質問文作成の過程をご紹介しております。お読みいただいてからフォーラムをご覧いただくと、いっそうお楽しみいただけると思います!

↓↓文研フォーラムの詳細はこちらから、2/1(月)~2/24(水)申し込み受け付け!
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